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怖恐 シーズン2(仮名)  作者: くきくん
第二章 神崎病院 麻紀編
23/36

2-6

エレベーターホールを抜けると、更に薄暗く奥へと続く一本道の廊下の左右には霊安室の番号案内板が不気味な輝きを放ち、その光が辛うじて進路を導き出してた。


「いくら霊安室やからってちょっと暗すぎへん?」


すぐ後で詩音が愚痴を漏らす。


「この病院ホンマに営業してるんやろか?って思ってまうよなぁ・・・あれ?」


ウチは喋りながらふと廊下の先に人影が見えたような気がして立ち止まった。急に立ち止まったせいで、詩音がウチにぶつかった。


「ちょっと!いきなり止まらんといてよ!痛たたたっ・・・」


押し返されるように詩音は反動で転倒した。


「ご、ごめん・・・大丈夫?」


慌てて、詩音の手を持って起きるのを手伝った。後ろから沙織も手伝ってくれた。


「で、どないしたんよ?」


「誰かおるみたい。廊下の先に人影が見えてん!」


「人くらいおるやろ。営業中の病院なんやから。」


「いや、たしかにそうなんやけど、めっちゃ静かやん?このフロア・・・せやから、てっきりウチら以外誰もおらへんと思っててん。それで、ちょっと驚いてしもたんや・・・」


とは言うたものの、やっぱりちょっと怖い。なんでウチ先頭に立ってもうたんやろ。不覚や!


「さっさと進んでくれへんと、進めへんで!」


詩音が急かす。進んでくれへんと進めへん・・・そのまんまや!日本語おかしいけど、そこは突っ込まず進む事にした。と、突然、


「ちょっと!ここは部外者以外立入禁止なのよ!」


あまりの突然の出来事にウチらは全員尻餅をついて倒れた。驚きで声が出えへん・・・あかん・・・せめて、部外者じゃなく関係者やろ!ってツッコミだけ入れさせて・・・って、そうじゃなくて・・・


「あら?アンタ達たしか・・・」


え?この声はたしか・・・ウチは行く手を阻むように立ち尽くす目の前の一際大きな人影を見上げた。小柄や!


「ちょ、ちょっと!いきなり脅かさんといてよ!心臓止まるかと思ったやん!」


あかん、まだ声が震えてるわ。最近心臓に負荷かかる出来事多過ぎるねん。いつか止まりそうで怖いわ。


「さっきも言ったけどここは立入禁止、チープアウトなのよ!」


すると、比較的冷静な沙織が突っ込む。


「キープアウトね。それを言うなら。」


「ムキー!どっちでもいいわよ!そんな事よりアンタ達こんな所で何をしてるの?ここは霊安室よ。用なんて無いはずよ。」


ウチはなんとか起き上がると、ここに来た経緯を説明した。


「おかしいわね。このフロアに来るには、エレベーターで暗証番号を入力してからじゃないと階のボタンは押せない仕組みなのよ。故障かしら?いいわ、アタイが確認してみるわ。アンタ達もついてくるのよ!」


小柄はノシノシとその巨体を左右に揺らしながらエレベーターホールの方へ歩き始めた。ウチらもそれに続いて歩き出した。


先にエレベーターの前についた小柄はボタンの所に何やら鍵らしき物を差し込んでるのが見えた。追いついたウチは尋ねた。


「何してんの?」


「エレベーターはこの階で停止しているはずなのに開かないのよ。だから手動で扉を開けられるようにしているの。これで開くはずよ。」


小柄は扉の中央、ちょうど左右の扉が交差している部分に両手を引っ掛けて扉を開けようと力を入れた。しかし、扉が開く気配はなく1センチくらい、多分扉の遊び程度にガチャガチャと動くだけやった。


「ちょっと、ちゃんと力入れてんの?手伝おか?」


とは、言うたものの小柄の体はデカい。多分力も一般の人よりあるやろ。それでも開かへんのは、何か別の理由があるはずや。


「おかしいわね。本当なら子供でも簡単に開けられるはずなのよ。」


小柄は再び鍵を捻ったり、扉をガチャガチャしたり色々試みたけど、開く気配は無い・・・。

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