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怖恐 シーズン2(仮名)  作者: くきくん
第一章 神崎病院
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1-5

二人の姿が見えなくなると、最初に心が口を開いた。


「これは予想外の展開や・・・。まさかこないデカい病院やとは思ってへんかった。これは前回の経験が異常過ぎて、警戒心が強くなり過ぎてただけみたいや。今回は特に問題無く何を乗り切れそうやな。残念ながら親戚の旅館へは招待出来そうもあらへんけど、それはまた夏にでも無理言うて都合つけてもらうわ!」


それに対して麻紀が、


「うん!それはよろしく!でも、ここでも美味しいもん食べれそうな予感やで!」


おいおい、ちょっとは遠慮せえよ・・・。と、突然順が、


「それがし、どっかで神崎病院って聞いた事あるなと思ってたんやけど、今思い出した!」


思い出した?何をや?


「田代夫妻の事をあれからもネットで色々調べてたんやけど、どうも田代夫婦は淡路島に旅行に来たんやなくて、実は神崎病院に用があったらしいんや。奥さんの方が心臓悪かったみたいで、定期的に神崎病院で診察を受けてたらしいねん。」


え?もしかして、田代家と神崎病院って繋がりがあるんか?それってヤバいんちゃうの?いや、そんな昔から神崎病院があったんかもわからへん。名前は一緒でも違う病院かもしれへんし。


と、今度は詩音が妙な事を言い出した。


「そう言えばあたしも、神崎病院って聞いた事あると思ってたんやけど、たしかお祖母ちゃんが昔通ってたってママが言うてた気がする・・・。お祖母ちゃんは若い頃淡路島に住んでたって言うし間違いないと思うよ!」


・・・。皆、どっかで田代家と繋がってるようや。いや、沙織からはまだ、聞いてへんけど、流れから繋がってるんやろな。いっその事、こっちから確認したろ!って思ってたら心も同じ事を考えてたんか、沙織に向かって、


「沙織ちゃんは神崎病院の事を知ってた?」


「初めて聞いたよ。私の家系はあまり病気


もしないし、丈夫なの。」


「それやったら田代って名前に聞き覚えは無い?」


「田代?・・・・・・。珍しい名前じゃないから聞き覚えと言われても困るけど、少なくとも知り合いにはいないと思うわ。どうして?」


「いや、知っての通り俺らは田代家のトラブルに巻き込まれて散々な目に遭ったばっかりや。で、詩音ちゃんが神崎病院知ってるって言うし、順が田代家と神崎病院には深い関係があるって言うし、そうなると残った沙織ちゃんも、もしかして、田代家か神崎病院と関わりがあるんかなって思ったんやけど、無いみたいやね。」


「私の祖先はその昔陰陽師だったの。そのせいかはわからないけど、今も私達家族には不思議な力が備わっているわ。そう言う能力が私を引き寄せたのかもしれないわね。」


この話に最初に飛びついたのは順やった。


「さおりんの実家はお寺なんや!」


いや、陰陽師は寺の名前ちゃうから・・・。もう説明すんのもだるいわ。


「ガッシー、あほやろ?陰陽師くらいテレビとかで見た事あるやろ。」


詩音のツッコミは麻紀と同レベルや。ようやく気付いたんか、順が照れ臭そうに、


「勘違いや!あれやろ?たしか信長が明智光秀にやられた・・・え~と、陰陽師の変や!」


おまえの方がよっぽど変や!うん?おっ!麻紀が動いたで!キツいツッコミ出るわ・・・。


「順ちゃん!わざとやろ!それを言うなら、法隆寺の変や!覚えとき!」


本能寺や!!おまえらもうええわ・・・。と、そんなやりとりをしていると、向こうから山方が走って来た。


「お待たせしてすんません。医院長から許可貰いましたので、ご案内します。ついて来て下さい。」


そう言うと、病院とは思えない豪華なロビーへと案内された。まだ外来受付をしているようで、何人か椅子に座って呼ばれるのを待ってるようやった。


耳元で麻紀が、


「個室やったらええのにな!テレビで見た個室とかホテルみたいやったで!」


おいおい、何を期待しとんねん・・・。そんなええ部屋に泊めて貰える訳あらへんっちゅうねん。せいぜい男と女に分けて貰える程度やろ。大体贅沢言える立場ちゃうし。


ロビーを抜けて山方はどんどん進み続ける。終いには建物を抜けてしもた。一体どこへ案内されるんや?


「おい、太一。どうも本館では無いみたいやな。まあ、俺らに選ぶ権利は無いけど、ちょっと不安になってきたで・・・。」


今度は心が耳元で囁いた。本館を抜けると急に暗くなり、一応屋根のある通路を進むと本館とは一変して、確実に肝試しスポットやろ!と思うくらい不気味な建物が姿を現した。


その入り口で立ち止まると山方は俺らに向かって、


「すんません。さすがに新館の方には空きがありませんので、こっちの旧館の方になります。現在は使用してませんけど、電気や水道なんかはまだ使えますんで、安心して下さい。」


そう言ってズボンのポケットから鍵を取り出すと入り口の扉の鍵穴に鍵を差し込んで回し始めた。しかし、錆てるんかなかなか開かずガチャガチャと何度も鍵を回す山方・・・。


「錆ついてるみたいですわ。困ったなぁ・・・。」


すると、順がリュックをガサゴソし始めた。そこから取り出されたのはスプレー缶や。多分潤滑油やろ。


「それがしに任せて下さい。こういうのはこの557で一発ですわ!」


順はスプレーを鍵穴に近付けて吹き付けると山方から鍵を借りてガチャガチャと前後左右に力をかけて、クルっと回した。すると、カチャっという音だけが静まり返る周囲に響き渡った。


「助かりましたわ!ちょっと電気点けるんで待って下さい。」


新館とは違って待合所も狭く、何よりも不気味過ぎる暗さと雰囲気に正直、田代館の方がマシやったんちゃうか?と、思った。


山方は壁伝いを手探りにスイッチを探してるようやった。やがて、不揃いに蛍光灯が点灯し、院内を照らしだした。所々蛍光灯が切れてたりチカチカと点滅を繰り返してて、余計に不気味やった。


それに、蛍光灯は黄ばんでて、お世辞にも明るいとは言えへん。入り口正面に受け付けカウンターがあり、左右に通路が伸びてるのが確認出来た。受け付けの奥には部屋かなんがあるんやろけど、暗くて見えへん。


待合所には横長のソファーが三列、中央に通路スペースを空けてさらに三列並んでた


。見た目からは一列に五人くらいが腰掛けられるように見えた。


山方は入り口入ってすぐ右手にある靴箱かりスリッパを人数分並べてくれた。


「すんませんけど、これに履き替えて貰えますか?まあ、そのまま上がってもろてもええ思うんですけど、医院長が綺麗好きなんで、見つかるとうるさいんですわ・・・。まあ、どうせこの旧館は近々取り壊すんで、個人的にはかまへんと思うんですけど・・・。」


まあ、一夜世話になるんや。それくらいしゃあないやろ。それより取り壊すとか、そっちの方が問題や。心も言うてたように他にも、先生や患者さんがおるやろから今回は問題無いと思てたけど、こうなってくると、危険な香りがプンプンしてきたで・・・。

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