第6話 街に行きましょう! 前編
第6話 街に行きましょう!
実を言うと私は一回も街に言ったことがない。
この孤児院は住宅密集地の後ろの方にあり町は密集地を抜けた先にある
私は髪と瞳が黒であるため迫害の対象となる。だからこれまで孤児院の庭以外は外に出たことがない。
今回街にいける事になったのは数日前にマリアの父親、つまりこの孤児院を支援してくださっている人にであったからである
ーー 数日前 ーー
「おはよ~カンナ、今日はいい天気ね~」
「おはようマリア、今日は雨だからいい天気ではないよ?」
今日はあいにくの雨、なのでマリアは来ないだろうなと思いながら本を読んでいた
今日は珍しく雨の日なのに孤児院に来たマリアに首を傾げながら聞いてみた
「今日は珍しいわね、雨なのにここに来るなんて」
「お父様が今日ここに行くと言ったからそれについてきたの」
「へぇ、いちよう挨拶にでも行こうかしら?」
なんせ私にも優しく声をかけてくれる人の中の1人だ
外見はちょっと怖いけどそれに劣らずやさしい声をかけてくれるのだ
なんか私にとっても父親のような存在であるのは間違いないと思う。
「ええ、一緒に行きましょう。今お父様は院長さんと何か話ていると思いますが、あと少しで終わると思いますから大丈夫でしょう?」
私たちは院長先生の部屋をノックしドアを開けた
部屋にはソファーが向かい合って置いてあり真ん中にガラスの机が置いてある
その両方のソファーに院長先生とマリアの父親であるアークシェイドさんが座っていた
「お久しぶりですアークシェイドさん」
「ああ、ひさしぶりだねカンナ。前よりさらに美人になったんじゃないかい?」
「いえいえ、アークシェイドさんってけっこうお世辞がうまいんですね」
私は笑いながら久しぶりに彼といろいろ話をした、そのなかで突然彼が
「そうそう、今日きたのはカンナにこれを渡したくてね」
と、アークさんが懐から青い石のペンダントを取り出し私に渡してきた
「えっと、これはなんですか?」
突然の贈り物にすこし私は困惑した
「それはね、髪と瞳の色を帰る魔法具だよ。今王都で流行っていてねこの前言ったときに君にいいかなと思って買ってきたんだ」
「え、でも魔法具って相当高いんでは・・・」
そうなのだ、魔法がかけられている魔法具はけっこう高くなかなか買えないと聞く
「大丈夫だよ、王都で流行ってるって言ったろ?意外と安かったんだそれ、それにそれがあったら外を自由に歩けるだろ?」
確かにそうだ、私の黒い部分を変えてしまえば町でも普通に歩ける。
そう思ったらなんだか胸の中にじわりと暖かい何かが出てきた
多分これはよろこびなんだろう
「ありがとございます」
私はあまりのうれしさに声が大きくなってしまった
「こちらとしても、そんなに喜んでもらえて買ったかいがあったよ。色をつけるときには〈起動〉と言うんだ。終わりたいときは〈終了〉っていえばいいからね、簡単だろ?」
「はい、わかりました」
そしたら、急に後ろから抱きつかれた
「ま、マリア、どうしたの?」
「これでカンナと町に遊びに行けるんですね。私は今この時をどんなに待ち望んだことか」
あれ?なんかマリアが泣いてるんですけど!どうしよう
「カンナ」
「は、はい」
「今度町に二人で行きましょう!、私が案内します」
「い、いいけど」
なんか迫力におされた
「じゃあ、今度時間が空いたときにカンナをさらいに来るからね」
「いや、普通に行けばいいんじゃ」
さらってって一体どこまで本気なんだろう?
ーー 数日前終了 ーー
今日はマリアと一緒に町に行く日だ、なんだかとってもワクワクする
どんなところなんだろうなおもしろいものがたくさんあるんだろうな
あ、あと5分だ、よし魔法具を使うぞ!!ドキドキ
〈起動〉
あっというまに私の髪と瞳が髪が変わった、鏡を見ると髪の毛が金髪で瞳が青になっている
玄関にいくとマリアが待っていた
「あ、カンナちゃんかわいい~私とお揃いだ」
か、かわいいってそしてすごくうれしそうだ
「あ、ありがとう」
「さて、では町に行きますか」
「いきましょう」
こうして私の初めての町巡りが始まりました