第32話 負けたあとは……とりあえず休憩で!!
【世界&種族】
三つの大陸がある世界で、魔法・魔術・精霊術の三つがある
この世界は技術ではあまり発展はしていないもののその代わりに種族ごとにある力によって別の方向に発展している
大まかに分けてこの世界には四つの種族がいる。
人間 カイレル大陸にほとんどすんでいる種族、魔法を使い文明を築き上げている。寿命平均は60~70年。魔族と戦争をしていたが今では貿易も盛んに行われている。
魔族 レイテス大陸にほとんど住んでいる種族、魔術を使い文明を築き上げている。寿命平均は60~70年。人間と戦争をしていたが今では貿易も盛んに行われている
亜人 サレア大陸にほとんど住んでいる種族、精霊術を使い文明を築き上げている。寿命平均は100~110年。閉鎖的な種族であまり交流もされていない。
魔獣 三大陸すべてに生息している種族、魔術を使い他の種族を襲うなどしている。寿命平均はどれも違っていて長いので40~50年、短いので5~10年。
【カイレル大陸】
主に人間が多く住んでいる大陸、国が12国あり約100年間に魔王出現に合わせて国際連盟が発足された。
カイレルは三つの大陸のなかでもっとも大きい大陸だが山々に囲まれているため人間が住む場所はあまり多くない。
【レイテス大陸】
主に魔族が住んでいる大陸でカイレル大陸の近くにある、300年前にダレイク大帝国がすべての国を支配し名前を替えダイクス共和国として現在まで存在・繁栄している。貴族・王政でありながらも王に就く者はみな温厚で市民・貴族からも支持が高い
大陸の中では二番目に大きい大陸
【サレア大陸】
二つの大陸の裏側にある三つの大陸の中で最も小さい大陸、二年に一回の確率で噴火が起こると言われている大陸でもある。
この大陸に国と呼ばれるものはなく、亜人の種族ごとにそれぞれ集落を作って生活をしている。
『アーディス王国』
人口約一億でカイレル大陸のほぼ中央に存在している国である、アーデス王国の中心は王都がある。
北をサクエス地方、南をカリアス地方、東をエンドラス地方、西をミレイア地方、王都を中央地方となっている。
カンナとマリアが生まれ育ったのはサクエス地方の一番端っこにあるルネスと呼ばれる町、ミーナは同じサクエス地方にある王都からは少し遠い村に住んでいた、ミルクはエンドラス地方にあるカスタール村に住んでいた、サンナは中央地方の王都に住んでいる。
約100年ほど前の戦争で魔獣達の手によりアーディス王国の森は崩壊し99年前まで、この国は緑もなにもない国になっていたが、特例魔法者の自然魔法によって今では緑溢れる国になっているが、今では99年前までこのアーディス王国が焼け野原だったことを知る者すくない
この王国に隣接する国は四つあり北にある国をカッサル帝国、南が元デリスト帝国で今はイルス王国、東をテイル王国、西をアンデス帝国である。
さて、どうしますかね・・・
今私達は馬の集団にいた所を一旦離れギルドに戻ってきました、サンナが今日は来ないと思うと言ったからです。なんでもシクロスは日が天辺に上っている時でないと飛べないだからだそうです、襲撃がいつもお昼ごろなのはそのせいだったのか、まぁ昼間しか動けない魔獣なんてEランクって考えなんだろうけど攻撃がヤバいじゃん、一発くらえばお陀仏じゃん、攻撃しても無効化されちゃうじゃんどうしよう・・・
「はい、オレンジジュース四つとミルク二つおまち」
ギルドの店員の一人が飲み物を持ってきた、私とカリーナの前にミルク残りの四人にはオレンジジュースが置かれた
「・・・これは?」
「まぁ背とミルクは関係ないけど何となく?」
まぁ確かにミルクを飲んでも背は伸びないしね・・・いいよ、ミルク好きだし‥…うんおいしぃ
「さて、まずシクロスについてや。」
初めに切り出したのはミルクだった、まぁそうでしょうね
「はっきりいって私達の魔法じゃあ今回のあいつには勝てないかもしれない」
数秒の沈黙の後にミーナが答える
「そうね、でもあの時は作戦も立てずに流れに任せての攻撃が多かったのも倒せなかった理由としてあるんじゃない?」
「それもあるけど‥…」
高速で飛んでいるシクロスには攻撃が通じなかったし、作戦を立てても攻撃が効かないんじゃぁ
「ねぇ・・・」
それまで黙っていたマリアが突然しゃべり始めた
「カリーナ、魔術でどうにかできない?」
「「「「?」」」」
「ハァー、あのねぇ今日カリーナがいなかったら馬をシクロスに食べられてたのよ?」
まるで出来の悪い子をあやすような言葉で喋ってくるマリア、いつからこんな子に育ってしまったの(涙)
「「「だから?」」」
私・ミルク・ミーナの順でマリアに問いかける。サンナは分かったみたいでマリアに頭いい~などと言っている。
「どうしてたまにバカになるの?この三人・・・」
会話の流れでわかって~と何故か罵倒されました
「つまり、私の魔術でシクロスの攻撃を防いだんだからその逆もできるの?ってことね」
いままでミルクを飲んでいたカリーナが懇切丁寧そして簡潔に説明してくれた
「「「そういうことね、なんだマリアもっと簡単に言ってよ~」」」
「もういいわあなたたち・・・」
私達にそう言ったマリア、最近すこし毒舌口調というか前みたいなふわふわしたようなしゃべり方をしなくなっっちゃって戸惑いが私の中では生まれ始めている。
マリアの言葉にすこしカリーナは考え込むとおもむろに口を開いた、簡潔に述べるならカリーナは進化自然魔術の内、炎と嵐を使えるそうだ、そして特化型魔術の灼熱と闇も使えると言った・・・おう?
おかしいな、だって進化自然魔術は今は二つも使える人は少ないらしいし特化型って一つ使えるだけで凄いんでしょう?なのに二つってこれじゃあまるでカリーナってものすごい人みたいじゃない。
「だって私、帝国内では最強の魔術師なんて呼ばれているもの」
想像以上に頼りになりそうだ
魔術にはね、初めのこの一言からさらに詳しく魔術について話始めるカリーナ
「魔術には、発動条件として魔法と同じ声と力が必要なの。声によって力の通り道を作り魔力によって力を放出します、声は詠唱といい魔法、魔術両方にとってなくてはならないものです。昼に私が使った魔術は風の唄の魔術で、魔術の詠唱パターンは二つに分けられ一つは唄の詠唱、もう一つは単語詠唱です。私はこの二つを魔導書から独学で覚えたからよくわかんないんだけどこの二つを両方使えるようになるのってものすごく難しいんですって。この二つの詠唱パターンって使う人によって威力がちがうの、それには理由があってね魔術には進化自然魔術の適性と同じように声にも適正があるの。適性と言っても使えないとかではなくてさっき言ったように威力に違いが出てくるのよ。私は唄の魔術が得意だからそっちでやってるの、単語詠唱も出来るけど唄詠唱に比べて威力が弱いのよ」
まぁ長い説明があと一時間も続き魔術の発動条件やらどんな魔術があったりとか詳しく話すカリーナ、他のみんなも始めの二十分くらいはちゃんと聞いていたけど30分くらいになるとまだ続くのかという顔になっていた。
「とまぁそんな感じで魔術は強いんだけどなかなか難しいんだよ」
ようやく終わったか、でも肝心の話が聞けてない
「で?シクロスを止められる魔術とかあるの?」
「ん?えっとねぇ・・・」
ギルドと呼ばれる施設はもともと国が魔獣を倒すために作られた所であるためギルドにはちゃんと宿舎もあり、カンナ達は今晩止まることになった。
三人部屋でそれぞれカンナ・ミーナ・カリーナとマリア・ミルク・サンナで分かれることになった。
宿舎の部屋はまるでボロいホテルに来たかのような雰囲気を醸し出していてボロボロのべットが三つ縦に並んでいて、その前には簡単な机が置いてあり極めつけに入った瞬間うっとなるような汗臭い匂い。
それでも我慢するしくなく私とミーナ、カリーナは鼻を抑えながら頑張って眠り始める
(クソ~、マスターがここに泊まるっていって渋い顔をしたのはこれが原因か・・・)
って、ミーナとカリーナもう寝ちゃってるし、よく眠れるなこの空気で~。
私はさすがに耐えきれなかったのでとりあえず部屋から出る
「ふぅー、参ったな。あんな部屋じゃ眠れないよ」
まぁマリア達の部屋もこちらの部屋と同じだと思っうから行けないし・・・さてどうするか、ちょっとのびのびとした気分で窓の外を見上げる
「・・・今日は満月か」
屋根の上で満月を見てみようかな
なんていい眺めだ、赤色の月と青色の月がきらめき何とも言い難い美しい輝きが・・・ということはなくこの世界の月も一つしかなく前の世界と何も変わらない。だけどなんていうか見てると和むのよね。
こういう静かな時間で私は昼のことを思い出した、多分今回のシクロス退治の一番働くことになるのはカリーナだろう、カリーナの魔術でどうにか出来ればいいけど・・・
「そういえば魔術か・・・ちょっと使ってみたいかも」
魔法はもう使えるし、今度は魔術も使ってみようかと検討中
「まぁみんなの前で使わなきゃいいんだもんね」
魔術の使い方は知らないけど・・・
「た、たしか昼にカリーナが使ってた魔術、あれなら覚えてるから出来るわ」
そうと決めれば、〈魔術生成開始〉、久しぶりだなぁ神術使うの
多分もう一ヶ月は使ってなかったからなぁなどと考えている間にも私の中に魔法力の感じとは少し違った力が満ち始めた
「・・・・これが魔力か」
確かに魔法力に比べたら違うな、なんていうか存在感?がまったく違うもの
「って、あれ!?」
突然体中を満たしていた魔力が減っていく感じ取れた
「なんで無くなってくの!?」
すこし呆然となりながら頭は混乱状態でわけがわからなくなってくる、呆然となっている内に生成した魔術はスッカラカンとなってしまった。
「理由が分からない」
魔法力は普通に生成しても無くならない、それどころか最近では魔法力の操作も上達しなかなか魔法力が減らないようになったくらいだ。
なのに魔力は使う前から急激に減っていき無くなってしまった、一回だけでは分からなかったのでそれ以外に三回ほどやったがどれもすぐに無くなってしまった。
「どうなってんのいったい?」
あと、すこしで無くなろうとしていた時ふと左手を見る。忘れている人も多いと思うがカンナは王都に来た日の買い物で白い指輪を購入、ずっと指につけっぱなしになっている。その指輪がなんと光っていたのだ。
「なにこれ?」
と、言ってみたがカンナの頭の中ではすぐにコイツが吸い取ったんじゃない?と思い浮かんいた、なんせこの指輪は呪いの指輪だそうだからね。
「もしかしてこの指輪が魔力吸い取ってるの?」
「そうみたいね」
薬指に嵌っている指輪を見ていた私の後ろから聞きなれた声が聞こえてきた。
「マリア、起きてたの?」
後ろを振り向くと一瞬見惚れるような金髪の美人が月をバックに立っていた、なんか色っぽい
「ええ、やっぱりあんな匂いのするところじゃ眠れなくて。ミルクとサンナはベットに入るなりぐっすり寝てしまったけどね、私が部屋を出ようとした時ミルクが勝負だーって叫んでたわ」
クスクスと笑うマリア
「ミルクらしいね」
二人して少し笑う、こういう時間って最近なかったからうれしいかも
「でもビックリよ、部屋から出たときに上の方から膨大な力が生まれたんですもの」
そういうばマリアは力の探知が出来るんだっけ
「マリアには分かるの?魔力が吸い込まれていってるのが」
「ええ、さっきからちょっと隠れて見てたけどその指輪、魔力を生成し始めた瞬間からカンナの魔力を食べていたから」
「食べていた?」
「カンナの生成が始まったのと同時に指輪からも何らかの力が働いてその力がカンナの中にあった魔力を吸収というより食っていたという方が感じ方としては合っているから」
この指輪がねぇ
「呪いの指輪らしいじゃない、それに魔術が試したかったら指輪を取ればいいんだし」
「そうだね」
私は指輪を外しマリアに指輪を持ってもらおうとしたけど、呪いは簡便と言われ仕方なくポケットに指輪を入れて仕切り直す
「〈魔力生成開始〉」
今度はうまく行ったのか魔力をさっきと同じくらいに作ったが何秒かかっても減らない
「じゃあ始める?」
「うん」
えっと、確か
【風の名の元に大いなる風の壁を作る】
ふわっと一瞬風が舞った、だけどこれじゃあ発動しているか分からない
「大丈夫、発動してるわ」
マリアの一言で一様はホッとする
「でも、始めて使うのによくもまぁ一発で成功するものね」
「私いつも神術で瞬間補正かけてるから万が一の時でも自動的に修正されるのよ」
「なんて常識はずれな」
フフフ、マリア驚いてる驚いてる
「でもあまりみんなの前じゃあ使わない方がいいわね。大きい力は争いの元になるから」
「まぁそうだね」
ミーナ達を信用していない理由ではないが、知っていたことで何かに巻き込んでも悪いし
「もういいでしょ?、明日はまた忙しくなるし頑張ってベットで寝ないと」
「は~い」
さて明日は頑張ってやらないと!!