第31話 第二回校外実習 前編
第31話 第二回校外実習 前編
さて、本日は第二回目になる校外実習があります。
私達のチームは前回ヘドラン退治をやって簡単に終わったんだけどものすっごく微妙な終わり方で戦ったのが私とマリアだけでした。
なんで私は今回敵が大勢いてなおかつわかりやすい場所に生息している魔獣をターゲットにして選んだ結果シクロスと呼ばれる魔獣を倒す依頼を受けることにしました。
今回は前回と違い依頼ランクをFとプラスしてEランクの依頼も入れていて大体20種類位の依頼の中で選ぶことに今回はなりました。
FランクとEランクはさほど違いはなくFランクはあまり多くない数の弱い魔獣の退治依頼、Eランクは魔獣は弱いが数が多い魔獣の退治依頼とわかれている。
まぁその中から豆知識が豊富なサンナと相談した結果Eランクのシクロスを選ぶことになった、依頼の詳細内容としてはつい最近このアーディス王国中央に位置している王都のすぐ東側、名前をエンドラス地方と言うがその地方にある王国最大の草原、サース草原で遊牧をしている馬がシクロスと呼ばれる魔獣に襲われているというので退治してほしいだそうだ。
シクロスは鳥形の魔獣で大きさは5m位だ、攻撃は口から炎を出して攻撃または空中から地上に猛スピードで体当たりなどをする、ついでに最高時速は200kmだそうだ。
依頼にはこの魔獣が30体位いるらしい、でもこの内容を見るかぎりこのシクロスってけっこう強そうな魔獣そうだけど・・・
まぁそれは移動中に考えるとして、そうその移動手段のことなんだけど私達が行くサース草原はこの王都から馬車でも5、6時間もかかり今回の校外実習は学園祭が近いということ、二日間だけとなっているため時間にゆとりがなく大変ということで、ギルドの転移によってサース草原にある村のギルドに転移で移動することになった、ついでに今回メンバーは六人でカリーナも加わっている。
「ちょっと楽しみ♪」
「カリーナは魔獣退治って初めて?」
「ううん、五回位あるわよ。だけどみんなで行くのってなんだかピクニックみたいで」
歩きながら今にも鼻歌を歌いそうなまでの機嫌の良さ、なぜか私はその機嫌がものすごくカリーナと手を繋いで歩いている。
今はギルドに向かって歩いている途中で、多分だけど私とカリーナってこうして歩いていると姉妹に見られるかも・・・まぁこんな美少女と姉妹と見られないかぁ
「なんや美少女姉妹みたいやな」
「「う、うん」」
「いいわね、微笑ましいわ」
後ろでは四人がのんびりとカンナとカリーナを見つめている。
ーーなんだか後ろから暖かい目で見られてる・・・
私達の目の前にはギルドと看板に書かれているお店があった、ここ王都にはギルドが四つほどある。
王都のギルドはすこし特徴的でお店がやたらとでかい、中に入ると剣や銃、魔法具、魔法書など魔獣と戦うための道具がそろって売っているのだ、そのためたくさんの人がこのギルドに集まっている。
私達はギルドの転移室を使うためギルドの受付に行く、今度は受付に綺麗な女の人が座っていた。
「あら?こんな所でどうしたの?お父さんやお母さんは」
私達に気がついた受付の女の人はとても綺麗な声でグサリとくる一撃をくらった
「違いますよ、私達はウエルス魔法学園の生徒です」
私の代わりに答えたのは後ろにいたマリアだった、でもさぁ後ろ振り返ったら何故か四人は口を抑えて肩を震わせていたんだ、ほんと何でだろあとでみっちりときかないと・・・ね?
「え?あ、そ、そうなんですか?」
お姉さん、そんなに動揺しないで!!お願いだから
「すいませんでした、それで今日は転移室を使いに?」
「あ、はい。そうなんです」
・・・さて、気を取り直していきますか!!
受付の女の人の案内で受付のすぐ後ろにあった部屋に入る、中は意外とシンプルな作りになっていて大きさは六畳くらいで部屋の色がすべてが白い色になっていて中心に魔方陣のようなものが描かれている。
・・・で、転移魔法具ってどこにあるの?私が部屋の中をきょろきょろと見回しているとそれに気がついたサンナが私に向かって上を指差した。
サンナの指示で上を見ると天井に穴が開いていてそこの中に呪符?のようなものが張り付いている、はっきりいって見てる方としてはそこに何かが封印されているんですか~と思うような光景だった。
「へ~、転移式呪符魔法具か」
そんな魔法具もあるんですか、勉強になりました
受付の女の人の指示で私達は魔法陣の中心にかたまる、そして合図とともに上の壁にくっついていた呪符が取れ円のように呪符と呪符がくっついて私達を囲むと下の陣が青く光輝く。
そして呪符はまた元の上の壁に張り付き魔方陣も光を失っていくと部屋のドアが開きさっきとは別の女の人がはいってくる。そして
「はい、それでは出てください。えっとあなたたちの依頼はサース草原のシクロスの討伐でしたよね?」
・・・え?もうついたんですか?なんていうか早すぎてうまくリアクションが取れません
女の人の案内で部屋を出るとホントにさっきと違って、外は酒場と言っていいほどの人がテーブルてお酒を飲んでうるさく喋っている。
「あっけなかったけど、これは驚くわね」
コクコクとみんなで頷き合う
この村はサーナ草原のほほ中央に位置していてシクロスが馬を襲っている所はここから10kmほどの所だそうだ、シクロスが現れる時間帯は大体お昼ごろで馬はその時間帯集団昼寝をしている、その所シクロスは襲っているそうだ。寝込みを襲うとはなんと不埒な・・・違う、なんて卑怯者なんだ
今回は馬の集団地点まで徒歩での移動になる、ギルドの時計を見ると時刻は10時になろうとしていた
今から行けば11時には着くかな?
私達の荷物はリュックサックで中はお弁当と水筒だけなのでとても軽い、荷物だけならピクニックと同じだ。私は弾んだ気持ちでギルドを後にした
予想したとおり馬の集団を見つけたのは11時を少し回ったころだった
「草原っていいな~、空気はすんでておいしいし暖かくて気持ちし」
「すっごいなぁ、馬の集団なんてあまり見ないからなぁ」
「来てよかったわねぇ」
「はやく魔獣倒して午後からのんびりしようよ♪」
「それ、賛成~」
みんな大自然を前に晴れ晴れした気分で馬や見渡す限りの草原を見つめている
まぁそれからすこし早いがお弁当をみんなで食べてシクロスが現れるのを待つ、
~~20分経過、時刻11時35分~~
お?なんか空から気味の悪い鳴き声が聞こえてくる
「あれじゃない?」
ミーナが指差した方向のそらには点々と黒い点がたくさんこちらに向かってくるのがわかった、猛スピードで
「どうするか・・・」
でもあのスピード・・・どうしよう
なんか思っていたよりでかいしスピードも早そうだ
「ありゃあ、あと一分しないうちに来るな・・・」
と、とにかく作戦を言わなきゃ
「あ、えっとまず私が上級魔法で馬の目の前に巨大な壁を作りシクロスの突撃を防ぐから、シクロスがスピードを落とした瞬間に水の魔法で地面に落として」
まぁシンプルな作戦だけど土と水の魔法で出来るといったらそれくらいだろうと思う、私が知っている水の上級魔法は氷ドリルだがあれは相手が動く場合外れやすい魔法だし相手は空飛んでものすっごいスピードだからスピード落としてその直後に魔法で攻撃するしかないと思ったわけで、じゃあやりますか!!
「地・理はなくただ膨れる力」
その魔法の呪文で寝ている馬の前に20mを越える超巨大な壁が作られる、一瞬にして日を遮る壁が出来た
「・・・ものすごいな」
「ええ」
みんな呆然としています、いいから早く攻撃しよう!!あんな巨大な壁が出来たんだシクロスだって止まるに決まってる、じゃないと激突するからね。ついでに壁の厚さは2mはある
「みんな、準備準備」
ミルクの掛け声でみんな気を取り直しこちらに向かってくるシクロスを見る、そこでみんな始めて異変に気がついた、先ほどまで黒い点だったシクロスはもうすぐそこまで来ている・・・炎をまとって
「・・・炎でスピードをあげてるのか!!」
まさにジェット機のようなゴーというような音が空からいくつも聞こえてくる
そして驚くべき事に壁にシクロスは体当たりを仕掛けてきてそのまま土の壁を粉砕した、カンナが作った壁は穴が開いた所から割れていき一瞬にして馬の方に崩れていく
「ま、まずい〈レムシス〉」
私が作った壁を、すべてを消す私が作った神術〈レムシス〉で跡形もなく消し去る。
そこで本当はみんな驚く所なんだろうけど今は残りのシクロスの対処で精一杯だ、それぞれ覚えている魔法でシクロスめがけて放っているが炎をまとっているシクロスにはまったく効いていない。
「これがホントにEランクなの?」
確かにそうですね!! まずい、馬の方に突っ込んでいく!!
その時、シクロスが馬に突撃するのと同時に響く声が聞こえてくる
【風の名の元に大いなる風の壁を作る】
その声が止む、そしてシクロスは馬に激突する寸前になにかの壁に当たり吹っ飛んだ
なに!!今のは
「皆さん!!私が魔術で援護します」
後ろでカリーナが私達にむかって叫ぶ
今のは魔術・・・なのか。魔法とは防御力も段違いだな
シクロス達は何回も馬に突撃するも近づけないのがわかるとうめき声を上げながら飛んできた方向に飛んで行った
・・・さて、今のままじゃシクロスには勝てないな、作戦を立てなければ