巫 かんなが死んだあと 啓示視点
なんかシリアスな感じになってます・・・
巫 かんなが死んだあと・・・
啓示は姉が帰ってくるのを待っていた
今日は遅くなるって言ってたけど遅すぎないか?
もう時刻は7時をまわっている、学校は6時には終わっているはずだ。姉のことだからそんなに心配はいらないと思うが・・・
7時10分を回ったころ俺は心配になり姉を探しに行こうとソファーから立ちあがりテレビを消そうとするとニュースが聞こえてきた
「本日午後6時09分ごろ○○中学校生徒 巫 かんな さんが刃物のようなもので・・・・・・・かんなさんは病院で息を・・・」
はぁあ?俺はテレビのリモコンの電源ボタンを押そうとした時に姉の名前がニュースでキャスターが言っていた。
何いってんの?・・・息をひきとった?誰が?通り魔に
「そ、そうだよ別人だよ、たまたまだ!たまたま同じ名前の人がこの地域にいたんだ、そうだよ・・・・そうだよ」
たぶん今にも玄関から姉の元気な声でただいまと来るんだ、そう思った瞬間玄関の方からピーンポーンとベルがなった
「なんだよ、姉ちゃんいつもはチャイムならさないのに」
この時間帯は家には誰も家に訪れは来ない、だから俺は姉ちゃんが帰って来たんだと思ったんだ。いや・・・思いたかったんだ
なぜか玄関に向かう時に足がふるえていた、ようやく玄関につくとノブに手をかける。
玄関をあけると二人の・・・警察の方が立っていた。俺はこの時ニュースのあの言葉を思い出す
姉が通り魔に襲われて殺された、ころされた、コロサレタンダ・・・
「えっと・・・君は巫かんなさんの弟かな?実は君のお姉さんは通り魔に・・・襲われて今病院だ、私たちと病院に行ってもらえないだろうか?」
この人達は何を言ってるのだろう?姉ちゃんが殺された?馬鹿な・・・だってあと少しすれば姉ちゃんは帰ってくるはずなんだ。
玄関からリビングまで走ってきてそして良美と話し込んじゃったなどといって俺に怒られて・・・だって・・・
「なんだよ、いんじゃないか。おい早く目さませ家にハンバーグ作ってあるんだぞ!姉ちゃんの好きなものだろう?、おいはやく・・・目・・・あけてくれよ」
俺は病院につくと何故か顔に紙がかかっている姉ちゃんが病室のベットに横たわっていた
医者が俺のほうになにかかたりかけているがなにも耳に入ってこない、だって信じられるか?朝元気よく俺に行ってきますって言ってた姉ちゃんがなんでか病室のベットで寝てんだよ?まるで死んでるような感じで・・・
この日俺は泣いたんだ、もう何時間かってくらい俺は・・・俺は何をしてんだよ、あの時俺が姉ちゃんを迎えに行ってれば・・・
そしてその2日後両親が海外の仕事先から休暇をもらい日本に帰ってきた、俺は泣きつかれた・・・
今両親は姉の・・・姉の葬式の準備をしている、両親は帰ってきて姉の死体をみて号泣した・・みっともない位に
とくに父さんはひとり娘を失ったんだ悲しいわけない、よく姉にお前の花嫁姿が待ちどうしいと言っていたしな、母さんの方もまた同じだった・・・そして俺も・・・
両親は次に俺の方にきて俺に抱きつくと二人でありがとうと言われた、なんでだって俺は・・・俺は姉ちゃんを守れなかったのに
葬式には姉ちゃんの友達がたくさん来ていた、その一人に良美がいた
俺は良美の姿を見たとき鳥肌がたった、良美さんはまるですべてに絶望したような顔をしていたからだ
いつもはクールにしているのに今は違う・・・
俺は勇気をだして良美さんに話しかけた
「あの、良美さん?」
その瞬間良美さんは俺の顔を見るなり
「ごめんなさい啓示君、わ、私の・・・・・・・・・」
私のと言う所でいつものクールな表情ではなく絶望した顔の良美さんは泣きながら式場からでていった。
この時も俺は気がつかなかった、良美さんがどれほど自分を追い詰めていたのかを・・・・
葬式は終わり火葬をするため姉の遺体を運ぶ
これが姉の顔を見る最後の瞬間だった、俺はがんばってしっかりと姉を見るそして・・・
そして俺は気がついた、良美さんは耐えられるのだろうか。親友を失って、しかもその親友が自分が休まなければ死ななかったかもしれない状況ではたして良美さんは耐えきれるのだろうか?
俺はいそいで良美さんの家にむかった、あの良美さんの絶望した表情・・・俺は心配だったんだ
式場から良美さんの家まで5分はかかった
俺はチャイムをならしたが誰も出てこなかった、良美さんの親は姉の葬式に行っている
良美さんはあまり外を出ることがなかったはずなのでほかの場所に行くことはないはずだ・・・
思い切って俺は家にはいる、風呂のところからシャワーの音が聞こえていた
その音に俺は安堵した、よかったと・・・
俺はおもいきって風呂にいる良美さんに声をかけた
「良美さん・・・あまり気にしないでください、あれは良美さんのせいじゃないです・・・」
俺は声をかけたが返事は・・・ない
俺はこの時変に思った、シャワーの音が俺が部屋に入ってから止まっていない・・・
その時俺の頭には最悪の情景がうかんだんだ・・・
風呂のノブに手をかけ中にはいる、もしこの時俺の考えが間違っていればよかったんだ
だが・・・現実は甘くなかった
良美さんはお風呂に腕をいれ包丁で切っていた、風呂の中はお湯のせいで血は飛び散っていないがそれでも床はものすごい赤くなっていた
「良美さん、良美さん何やってんですか!しっかりしてください」
俺は救急車も呼ぶのを忘れるくらい同様を隠せなかった
まだかすかに良美さんは意識があった
「・・・わ、わた・・・しが・・かんなを・」
「だからそれはちがいます!それに姉ちゃんはこんな良美さんの最後なんて望んでないですよ、死なないでください、姉ちゃんは、姉ちゃんは生きたくても生きられなかったんです」
そういった瞬間良美さんの目は驚くほど大きく開くと
「ゴメン・・・ネ」
なんだろうこの状況は・・・なんで・・・良美さん息・・・息してくださいよ
なんで・・・なんでそんなにぐったりしてるんですか・・・良美さん・・・
次は良美視点です