表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神さまのお家 廃神社の神さまと神使になった俺の復興計画  作者: 枝豆子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

88/95

88 青銅鏡を磨こう

 水を張ったタライの前後に向かい合って、佐久夜と京平は座り、手に持った青銅鏡を水に潜らせては、竹籤で残っている石膏を穿る。再び水を潜らせて、竹籤で穿る。何度も何度も、その作業を繰り返していた。


「こりゃ一日じゃあ、終わらねぇな」


 京平が、凝った首を左右に傾けながら解している。


 佐久夜も立ち上がり、腕や腰を回しながらストレッチを始めた。


「だけど、俺、今めっちゃ楽しいわぁ」


「せやなぁ、ガキの頃組み立てたプラモデルに塗装したり、バリ削ったり、リアルに仕上げする感覚を思い出すなぁ。あの頃は、なんでも遊びに真剣やったからなぁ」


「あぁ、そっか。俺、ストンと腑に落ちた」


 佐久夜は、幼い頃両親を失くし、親戚中をたらい回しに預けられ育った。保護なく生活する力もなく、只々、迷惑にならない様に生きていた。


 世話になっている以上、家事、炊事は率先してやって来たが、佐久夜へは最低限の衣食住のみ与えられていた。


 食事をさせて貰えるだけで有り難く思え。屋根が有る所で寝れるだけでも、十分だ。学校に行かせてもらって、何か不満があるのか?


 厄介者の分際で、贅沢を言うな。


「だから、俺は、一人で暮らす生活を選んだんだ」


 佐久夜は、笑って京平に言った。


「佐久夜さまは、もう一人ではござりませぬぞ」


「そう!だから、今がめっちゃ楽しい!」


 神さまとの出会いが、佐久夜の今までの価値観を全て覆してくれた。


「俺って本当に生きる屍だったんだな」


「佐久夜、言葉と表情が噛み有ってないんだけど?とにかく、今は幸せってことで良いんだな?」


「そうだ!それで間違いない!」


 この溢れる感謝の気持ちを全てこの鏡に注ぎ込む。そんな思いで再び作業を始めた。


「耐水性の紙ヤスリ?」


「そうそう、ジャブっと水に浸けて、鏡の面を真っ直ぐに磨く。とにかく磨く。めちゃめちゃ磨く」


「磨き方は、上下上下!ぐるぐるとはせずに、縦に磨く。で、向きをずらして、また縦に磨く」


 図書館やネットで調べた青銅鏡の作り方を参考にしながら、佐久夜と京平は、耐水ペーパーを使って鏡を磨いていく。


 150 番、400 番、800 番、1500 番と荒い目のものからザリザリと磨いていく。


「これもなかなか肉体労働だな」


「せやな」


「仕上げは、このピカールで裏も表も磨くんやろ?」


「そうそう!まずは、この紙ヤスリでペカペカにな」


 タライの水を何度も変え、作業は日が暮れるまで続けられた。最初の予想通り、研磨作業には数日かかった。

モチベーションにつながりますので、

楽しんで頂けた方、続きが気になる方おられましたら、

評価、ブックマーク、感想、宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ