表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神さまのお家 廃神社の神さまと神使になった俺の復興計画  作者: 枝豆子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/95

69 青銅と朱丸の妖術

「まっかっか!まっかっか!お猿のお尻はまっかっか!」


 朱丸は、変な調子で歌を歌いながら、七輪の温度を上げていく。


「なんだ、あのおかしな歌は?」


 京平は、口元をふよふよさせながら笑いを堪えている。


「朱丸は、調子が良いと、歌いながら炎の調整をするんだ。米を炊く時も、よく歌っているぞ」


 朱丸に歌を教えたのは、佐久夜自身なのだ。炊飯のコツを歌にして教えたのが、きっかけだ。


「あー、はじめちょろちょろ中ぱっぱ。ってやつな」


 調子もへったくれもない朱丸の歌が、一面にこだまする。京平は必死で笑いを堪えた。


「大まじめなんだから、笑ってやるなよ。可愛いだろ」


 京平は、左手で口元を覆い、笑いを押し込めようと耐えていた。


 朱丸は、一定の温度を維持する為に、炎と風と対話をしながら調整をしている。風を炎に抱き込ませるには、音の反響とそのリズムを聞き分けることで、調整が容易に出来るようになった。


 初めて炊飯を教えてもらった時、一気に火力を上げすぎ、硬く芯の残った焦げついたお米が、炊き上がった。


 佐久夜から教えてもらった炊飯のコツは、朱丸の温度調整を理解する上で重要だった。


 身体をるつぼにくっつけて、耳を澄ませる。クツッ、クツッと合金が少しずつ溶けて混ざり合う音が聞こえてくる。


「ゆーら、ゆーら、ゆーら!きいろ、きいろ、ゆらゆーら」


 朱丸は、今度は合金が溶け始めた温度を維持する為、歌の調子を変えてきた。


 コポポっ、コポっ。


 合金がずべてトロトロに溶けて混ざるように朱丸は、歌った。


「できた!佐久夜兄ちゃん、全部トロトロに溶けたぞ!」


 るつぼに抱きついたまま、朱丸は佐久夜に呼びかけた。


 佐久夜と京平は、朱丸に礼をいうと、鉄鋏でるつぼの蓋を開け、中を覗き込む。


 真っ赤に溶け合っている青銅が見えた。


 るつぼをしっかりと挟み、側に埋めてある石膏ボードの湯口にるつぼを添える。


 ゆっくりと傾けて、湯口から溶かした青銅を流し込む。ちりっ、ちりっと音を鳴らし、青銅が下に流れていった。


 佐久夜の鋳型に青銅を流し込むと、一度七輪にるつぼを戻す。朱丸が、温度が下がらないように、歌を歌って調整してくれている間に、佐久夜は、京平に鉄鋏を渡した。


「おっしゃあ!」


 京平は、大きく声を出して気合いを入れる。鉄鋏でるつぼを掴むと、自分の鋳型に青銅を流し込んだ。


「京平も作るのかにゃ?」


「スセリビメ様に渡すんだって張り切ってるよ。プレゼントだから、自分の手で作りたいんだと」


 額に汗をかきながら、作業をする京平を佐久夜たちは、温かく見守っていた。

モチベーションにつながりますので、

楽しんで頂けた方、続きが気になる方おられましたら、

評価、ブックマーク、感想、宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ