66 浅葱の趣味
佐久夜は、夜な夜な鍛冶が媼から授けられた巻き物を広げ、浅葱、朧の手を借り、青銅鏡の作成方法をノートに書き記していった。
学校でも昼休みには、図書室で古代史の書籍を参考に少しずつではあるが、青銅鏡の材料や作成方法が纏まっていった。
「んなの、神さまに翻訳してもらったら早かったんじゃねぇの?」
京平は、シャープペンシルを鼻の下に挟み、尤もなことを行ってきた。
「だけどさ、鍛冶が媼が、奉納されることに意味があるって言ってたじゃん。神さまに教えてもらうってのは、カンニングと一緒でズルなんだと思うよ」
「んー、それもそうか」
京平も面倒くさそうにはしているが、佐久夜を気づかって色々協力してくれる。先日もネットで見つけたと、家庭でも作れる青銅鏡の作り方なるサイトを見つけ、プリントして持ってきてくれた。
銅とすずと鉛の合金で、銅チップとハンダで代用できることがわかった。
「とりあえず、材料と道具は解った」
「どれどれ、んー、どれもホームセンターやネット通販で、購入できそうだな」
京平がスマホを使って購入方法を調べてくれる。残念ながら、佐久夜の携帯は、いまだにガラケーだ。理由は、神社には、電気、ガスもない。充電は、バイト先や学校を利用させてもらっているが、あくまでも緊急時の連絡先として利用しているだけだった。
「鋳型は、石膏ボードで作成するとして、合金を溶かすのは、朱丸にお願いして、京平が持ってきてくれた、七輪が使えそうだな」
「受け取りは、コンビニ配達だよな」
「サンキュー!助かる」
京平は、ニカっと歯を見せて笑う。そして、スマホをポチポチ操作して、材料と道具の注文をしてくれた。
「ほれ、これが伝票番号、コンビニ支払いにしといたから」
「いつも、ありがとう」
佐久夜は、手元に置いていた2冊の本を手に取った。
「何?」
「浅葱の本だよ」
佐久夜は、社会見学として連れていったスーパーでの出来事を話した。
「お陰で、うちの神社のトイレは、水洗式になった」
「マジか!?」
帰って来てから朱丸に大興奮で、スーパーで見てきた物を身ぶり手振りで話して聞かせた。
「じゃあ、京平兄ちゃんが、お風呂がないって言ってたから、今度はお風呂を作ったらどうだ?」
佐久夜たちの行水を見ていた朱丸は、浅葱に京平の要望を伝えてしまった。
「お陰で、浅葱は風呂を作りたいと言い出してな、これはその資料」
「へぇ、出来たらまた泊まって良い?」
「俺もちょっと楽しみにしてるんだ。あれもDIYっていうのかな?」
浅葱の手により神社が少しずつ、近代化していくのだった。
モチベーションにつながりますので、
楽しんで頂けた方、続きが気になる方おられましたら、
評価、ブックマーク、感想、宜しくお願いします!




