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神さまのお家 廃神社の神さまと神使になった俺の復興計画  作者: 枝豆子


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45/95

45 おねだり

 ほっと一息を吐き、佐久夜は改めて周りを見渡す。人ではないとわかる異形の者、古今東西、和洋折衷、口伝で聞いた事がある妖の風貌や全く見たことも聞いたこともない姿を見せる者もいる。


「輪入道に唐傘お化け、アレは…デュラハンか?それに、九尾の狐!可愛いなぁ」


 オカルトマニアの京平は、周りにいる異形の者たちを嬉々として独り言を呟いていた。


「中央の大きな道が、参道でございますぞ」


 浅葱の道案内を頼りに、佐久夜たちは連なって歩いて行く。


「浅葱!ちょっと待って」


 ふと目の端に映った出店の商品に、佐久夜が足を止めた。


「ちょっと、あの店に寄ってみたいんだけど、ダメかな?」


「アレは……!アレって銅鏡か?」


 京平も佐久夜が気になる商品を見て、気がついた。元々『ウラ』に来たきっかけは、神さまが鏡を探していたことが、始まりだった。


 100円ショップやファンシーショップ、京平が自宅で所持していた鏡は、全て目的の鏡ではなかった。


「そういえば、ちんちくりんの鏡を探してたにゃ」


「うん!鏡いっぱい試したけど、どれも違った!!」


 朧も朱丸も思い出し、店先に並ぶ銅鏡を見るために出店に近寄った。


 仄暗い輝きを見せる銅鏡。佐久夜は、一つ手に取って、いろいろな角度から銅鏡を眺めた。


「おや、珍しいね。『オモテ』の子かい?」


 佐久夜は、声をかけられ顔を上げると、暖簾の奥から年老いた女性が出てきた。面をしていないことから、妖であるだろうと佐久夜は、推察したが、話をしても大丈夫か解らず、浅葱と朧の方を向いた。


鍛冶(かじ)(ばば)、この子、ちょっと鏡が気に入った様で、見ていたでござるよ」


 浅葱が、 鍛冶(かじ)(ばば)と呼んだ妖怪は、愛想よく話しかけてきた。


「嬉しいね。旦那も喜ぶよ。一個、五両だよ。一つどうだい?」


 五両だと値段を言われても、佐久夜は、『ウラ』で利用できる通貨を持っていない。また、高いのか安いのかもわからない。出来れば、手に入れたいところでもあり、そっと浅葱の方に顔を向けた。


「ウホン、ウホン」


 浅葱は、佐久夜の視線を外し、大きな咳をし始めた。佐久夜の中で、『ウラ』の通貨を持っている可能性があるのは、浅葱だけだ。明らかに、咳をして[買えません]アピールをしていると思われた。

鍛冶(かじ)(ばば)よ、五両は、高すぎるでござるぞ」


「浅葱どん、お金持ってないのか?」


「そんなわけは、ないでござるが……」


 朱丸に突っ込まれ、浅葱の視線をはウロウロと彷徨っていた。佐久夜は、浅葱に無理をさせるわけにもいかず、そっと銅鏡を元の位置に戻した。


「あらまぁ、可哀想に。五両の甲斐性もないのかい。仕方ないね、三両でどうだい?」


 値段が下がったことで、佐久夜は、再び浅葱を見つめる。


「ぐぬぬ…。俺の足元を見よってからに…」


「どうだい?銭を払うかい?」


 ニヤリと 鍛冶(かじ)(ばば)は、浅葱を見て、ほくそ笑んだ。

モチベーションにつながりますので、

楽しんで頂けた方、続きが気になる方おられましたら、

評価、ブックマーク、感想、宜しくお願いします!

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