表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神さまのお家 廃神社の神さまと神使になった俺の復興計画  作者: 枝豆子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/41

28 その頃、朱丸と神さまは…

 夕方から夜にかけての時間帯は『陰中の陰(夜六時~午前零時)』と呼ばれ、清浄な気が全くなく不浄な気で満ちている時間帯となる。


 古来の日本でも『逢魔が時(夜六時頃)』と呼ばれ、妖と出会いやすい時間帯とされて、不吉なことが起こる時間帯だ。


 佐久夜たちがいる廃神社も例外では無く、朱丸がひくいどりに襲われた時間や、佐久夜が朧と最初に出会った時間も『陰中の陰(夜六時~午前零時)』だった。


 妖である朱丸や朧は、妖力が増す時間帯だが、逆に神さまは、清浄な気がなくなるため、神力が使えなくなる時間帯だった。


「神さま!佐久夜兄ちゃんがいない」


 釜戸の中で自身の妖力を充満させていた朱丸が、社に起きた異変に気づいた。


 佐久夜に渡してある勾玉は、朱丸との絆である。神社の中ではもちろんの事こと、学校でも、バイト先でも、地が繋がっていれば、佐久夜が何処にいても感知できていた。


 今しがた社に轟いた音、ドンっと地が響く音が、佐久夜の自室から響いてきた。


 その直後から、佐久夜の気配を全く感知出来なくなってしまった。


 神さまは、清浄な気がなくなる時間帯は、食事などの用が済めば、御神体の中で静かに時を過ごす。


 今日も鏡の選定が終わった後、佐久夜たちに挨拶をし、静かに時を過ごしていた。


 過去、ひくいどりに襲われた朱丸が、朧の張り巡らす結界を超え、御神体の岩まで血相を変え神さまを迎えに来た。


 時刻は、午後十一時。『陰中の陰』である。


 御神体から現れた神さまを見つけた朱丸は、腕を掴んで社の佐久夜の部屋まで連れて行った。


「いきなり、ドーンって音が鳴って、んで、佐久夜兄ちゃんたちが消えた!!!」


 朱丸は、神さまに抽象的な説明をする。今にも泣き出しそうな顔をしていた。


 佐久夜は、神さまの神使だ。朱丸とは異なり、地が続いていなくても、佐久夜が存在さえすれば、神さまは自分の神使が存在していることは把握出来た。


 ただ、時間帯が悪く、神さまの神気では、居場所までは特定が出来ない。


 部屋に消えかけている残滓を見て、佐久夜たちが何処に行ったかは予測ができた。


「朱丸、安心せい。#佐久夜は__・__#、無事じゃ」

「……佐久夜兄ちゃんだけ?」

「すまぬのう…京平は、解らんのじゃ。ただ、朧がおらぬ故、大事に至ってはないと信じるしかないのう」


 神さまは、せめて夜から早朝にかけての時間帯であればと思いを巡らせる。


 『陰中の陽(午前零時~午前六時)』は不浄な気が満ちている中で、清浄な気が混じってきている時間帯であり、神さまの神力が使えるようになるからだ。


「恐らく、佐久夜たちは、『根』におるのじゃろう」

モチベーションにつながりますので、

楽しんで頂けた方、続きが気になる方おられましたら、

評価、ブックマーク、感想、宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ