13 また猫
ニャン
愛想良く佐久夜の膝に身体を擦り寄せる黒猫の側に、佐久夜は座った。
バイト先で貰った弁当を開けると、唐揚げ四個、海老フライ二本、赤ウインナー二本が入っていた。
佐久夜は、手頃な落ち葉を見つけ皿代わりにして、唐揚げを一つ乗せた。
黒猫は、大きく目を見開くとジッと佐久夜を見つめた。
「唐揚げ、一つだけどお裾分けだ」
にゃーっと黒猫は、一鳴きすると、パクパクっと唐揚げをあっという間に平らげた。まだまだ欲しいと言わんばかりに、佐久夜の膝をカリカリっと軽く爪を立てるが、佐久夜は後ろ髪を引かれる思いで立ち上がった。
あれ?俺、前にも似たような事あったよなぁ?
【貮号】のペダルを踏み込む佐久夜は、少し不思議に思いつつも、手を振って黒猫に別れを告げた。
黒猫は、去りゆく佐久夜を見て、再びニャンと鳴いた。
愛想良く佐久夜の膝に身体を擦り寄せる黒猫の側に、佐久夜は座った。
「あれ?さっき、黒猫と別れた気がしたけど、気のせいか?」
バイト先で貰った弁当を開けると、唐揚げ三個、海老フライ二本、赤ウインナー二本が入っていた。
佐久夜は、手頃な落ち葉を見つけ皿代わりにして、唐揚げを一つ乗せた。
黒猫は、大きく目を見開くとジッと佐久夜を見つめた。
「唐揚げ、一つだけどお裾分けだ」
にゃーっと黒猫は、一鳴きすると、パクパクっと唐揚げをあっという間に平らげた。まだまだ欲しいと言わんばかりに、佐久夜の膝をカリカリっと軽く爪を立てるが、佐久夜は後ろ髪を引かれる思いで立ち上がった。
気のせいじゃない、記憶が繰り返されてる
【貮号】のペダルを踏み込み、振り返らずに前に進む。
ニャン
バイト先で貰った弁当を開けると、唐揚げニ個、海老フライ二本、赤ウインナー二本が入っていた。
「あ!神さま、あそこに座っているの佐久夜兄ちゃんじゃねぇ?」
朱丸は、参道の入り口に座り込んだ佐久夜を発見した。佐久夜は、黒猫の側に座ったまま微動だにしない。
「あれは……!!朱丸よ!今すぐ佐久夜に突撃じゃ!!」
佐久夜を発見するなり、神さまは大きな声で朱丸に指示を出す。
「えぇ!?」
「我が許す!佐久夜にぶち当たって参れ!」
「いや、それはちょっと…」
「早くせぬか!我の海老………じゃなく、朱丸の赤ウインナーが無くなってしまうぞ!!」
赤ウインナーが無くなる?
朱丸は、神さまの一言に火がついたように拳を握りしめる。
「それは、嫌だあぁぁぁぁぁ!!!!」
朱丸は、片腕を突き出し、弾丸の様なスピードで佐久夜に向かって突進していく。神さまも、組み紐を輪にして投げ込んだ。組み紐の輪が大きくなり、朱丸を追っていった。
「ドッカーン」
朱丸は、佐久夜の鳩尾に飛び込んだ。同時に神さまの投げた組み紐が、佐久夜の側にただずむ塊を捕らえる。
「ゴフッ!」
佐久夜が前のめりに倒れ、手に持った弁当箱を落としそうになった為、佐久夜の鳩尾から飛び出し、朱丸は慌てて弁当箱を下から支えた。
「うむ、でかしたぞ。朱丸よ」
咳き込む佐久夜の側で、神さまの投げた組み紐でグルグル巻きにされた黒猫は、ジタバタと逃げ出そうと踠いていた。
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