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俺の墓の前で泣いてるのは、誰?

掲載日:2025/10/07

あれからもう20年、後悔はない。

ある小さな村を自分の命を引き換えに魔族から守った。

あの時、逃げずに戦った事を自分でも誇りに思っている。


ただ、3歳の息子アルスと妻のシャーリーを残して亡くなったのは、申し訳なく思っている。

そのせいなのか、今だに成仏出来ず、

墓の上に座って自分の墓参りに来る人達の話を聞いている。


少し悩んでいる事がある。

それは6歳になってから息子が墓参りに来なくなった事。


それともう一つある少女の事だ、

いつも一番早くに来てほとんど何も言わず、理由は分からないが号泣して帰って行く。


誰なのかも名前も知らない少女。

服装は近くの街のレイネルド魔法学校の制服だから、そこの生徒だろう。

3年制だから歳は16〜18と言ったところか、生前には年齢的に会ってないはずだけど、父親か母親が知り合いだったのか?


こちらに近付く足音が聞こえる、少女が来たみたいだ。

「うっうっぐすっ」

ヤバい、もう泣きそうだ。


「ごめっなざい、ぐすっ、いつも泣いてばがりで」


それはいいのだが、大丈夫か?


「うわー、何で死んじゃたんですかー、会いたがったー」

とうとう、大粒の涙を流しながら、泣いてしまった。


「ぐすっまだぎます」

そう言うと、少女は走って去って行った。


そう、いつもこんな感じだ。

またこちらに近付く足音が聞こえる


妻のシャーリーが来たみたいだ

「クラウスまた来ちゃった、ダメね最近は寂しくなると、すぐここに来てあなたに会いたくなちゃうわ」


「いつでも来て良いよ、俺も君に会いたいから」


「あなたは今もあの時のままなのかしら、私はすっかりおばちゃんになっちゃたわ」


「そんな事はないよ、今でも綺麗だ」


シャーリーは微笑むと鞄から包み紙を出す

「今日はね、あなたが大好きだった、だし巻き卵と豚キムチを持って来たの」


ありがとう、すごく美味しそうだ。

ただ触ることも食べる事も出来ないから、気持ちはすごく嬉しいのだが、出来ればもう持って来ないでくれ、20年間ずっとお預けを喰らってる状態なんだ、悪気がないから余計に辛い。


「それとね、報告が遅れたんだけど、あの子アルスがね魔法学校の先生になったの凄いでしょ、魔法の才能と知識がないとなれないのに、あの子が来たら誉めてあげてね」


凄く嬉しそうにシャーリーは話す。

その姿を見て俺も嬉しくなる。


だけどすぐに顔をうつむき悲しい顔をして話し出す。

「あの子、小さな頃はあなたを嫌ってたの、私が泣くのを見て私と自分を置いて亡くなった、あなたを許せなかったみたい」


そうか、辛い思いをさせてしまったんだな。


「でもね、今は違うのあなたの事を尊敬して誇りに思ってる、ただ、ずっと来なかった事を後悔してるみたい、合わさせる顔がないって」


「きっとあなたは、そんな事気にしないのにね」

「俺はそんな事気にしないのにな」

声が重なった

「ハッハッハ、さすがシャーリーよく分かってる」


「フッフッフ、何だかあなたも同じ事言ってそう」

シャーリーは優しく微笑んだ。

少ししてまた顔をうつむき、肩を震わせ、目から一つ二つと涙がこぼれ落ちる。

「こんな事、言ったら駄目なんだけど」


そして、さらに涙はこぼれ落ち震えた声で話す。

「クラウス、グスッ・・・うっ・・・わっ私はうっ・・・本当は・・・あっあなたには・・・うっ逃げて欲しかった、生きていて欲しかった」

それはシャーリーが今まで一度も見せなかった、初めての弱音だった。


「すまなかった寂しい思いをさせて、でも村を見捨てて逃げる事なんて出来なかった」


シャーリーはハンカチで涙を拭き、こちらに顔を向き直し話す。

「ごめんなさい、酷い女よねそんな事したら、ペイル村はどうなっていたか分からないのに、それにあなたがそんな事、出来るわけないのにね」


シャーリーは微笑み話す

「ペイル村の英雄の妻と息子でいられるのは、あなたのおかげです、感謝してるし誇りに思ってます、あなたに会えてあなたを好きになって、本当に良かったと思っています」


そう言うと、シャーリーはお辞儀をすると、供えであった俺の好物を片付けた。


「ああっ」

声を上げて、俺は名残惜しそうに見つめる。


「また来ます、今度はあの子を引っ張ってでも連れて来ますね」


「ああ、頼むよ」


そう言うと、シャーリーは背を向けて帰って行った。

その背中は少し寂しそうに見えた。


しばらくするとまた足音が聞こえて、かつての冒険者仲間の2人が歩いて来た。

1人はラウルリガード、当時17歳、歳上の先輩に敬語も使わない、生意気な槍使いの若造だ。

今はもう、37歳か俺よりも歳上になったな。


そして、もう1人はダービーローパー、当時俺と同じで30歳、今は50かすっかりオッサンだな。

身体を鍛えるのが趣味で、全身ムッキムキで、どう見てもお前戦士だろうとツッコミを入れてしまう、世界一、杖と魔法衣が似合わない魔法使いの男だ。


「クラウスさん、お久しぶりです、しばらく来れなくて、すいません」

今だに違和感がある、あの生意気な若造がすっかりいい大人になっている。

「よう、クラウス、今日も来てやったぞ感謝しろ」

こいつは相変わらずだ、もう少し大人になってくれ、まあそこがいい所でもあるが


リカードは少し俯き悲しい顔をして話し出す

「あの時、クラウスさんがお前は村人の避難を頼むと言って、逃がしてくれなかったら、俺は」


「そうだな、俺も戦うとなかなか説得するのに時間がかかったけどな」


「戻った時にはもう全てが終わっていて、あの時ほど後悔したことはなかったです」


今度はローパーが笑いながら話す

「まぁ、俺は逃がしてくれなかったけどな」


「それは仕方ない、俺1人では勝てなかったからな、お前のサポートが必要だった」


「最後は、お前の全生命力を使った必殺技じゃなきゃ倒せなかっただろう」

ローパーは拳を握りしめ、声震わせる。

「それだけの強敵だった、今俺が生きているのはお前のおかげだ、感謝してる、すまなかった助けられなくて」

そう言うと、ローパーの目から涙がこぼれ落ちる

「力の無かった俺を許してくれ」


ローパーは腕で涙を拭いてから、今度はニコニコしながら、鞄から包み紙を出した

「そうだ、今日はお前の好きだった突撃バッタの佃煮を持って来たんだ」


俺は直ぐにツッコミを入れる

「好きじゃねーよ」


リカードは呆れた顔で言う

「ローパーさん、その自分が好きだから他の人も好きだと思う、考え方直した方がいいですよ」


「そうだそうだ、リカードもっと言ってやれ」


ローパーは不思議そうな顔で答える

「そうか?食べす嫌いなだけだろう」


「お前に何回も食わされたし、何回も断っただろうが、何で毎回都合の悪いことは忘れんだよ、お前は」


「そろそろ、帰るかリカード」

「そうですね、昨日のギルドの依頼も、まだ終わってないですし」


そう言うと、供えていた佃煮を鞄に入れる。

「まぁ、名残惜しいかもしれんが持って帰るぞ、クラウスじゃあな」

「それではクラウスさん、僕も帰ります、また来ます」


「いらんいらんさっさと持って帰れ、リカード、そうか待ってるぞ」


そう言うと、2人は帰って行った

しばらくすると、また誰かが来たみたいだ。


墓の前に来て、初老の男がお辞儀をして話し出す

「お久しぶりです、ペイル村のハウンズです、しばらく来れなくてすいません、今は村で村長をやってます、すべてクラウスさんのおかげです、ありがとうございます」


そして、次に20代くらいの男女がお辞儀をして話す

「お久しぶりです、ペイル村のライアです」

「お久しぶりです、ペイル村のマリサです」


「子供の頃あなたに助けられ、今は僕達結婚して子供もいるんです、結婚出来たのも子供達が生まれて来たのもあなたのおかげです、本当に感謝しています、今日は子供達を連れて来てるんです」


ライルがそう言うと、2人の小さな子供が、ひょこっと墓の前に顔を出した。

「長男のダリルと長女のリアです、ほら挨拶して」


そう言うと、ライルが子供達の背中を押す

「はじめましてダリルです、僕は今街の道場で剣の稽古をしているんだ、いつかおじさんみたいに強くなって、誰かを助けて英雄になるんだ」

ダリルは両手を前にだして、拳を握りしめガッツポーズをとる。


「そうか、頑張れ楽しみにしてるぞ」


「はじめまてリアでしゅ、おとさんとおかさんをたしゅけてくりゅて、ありがとです」


まだ言葉がたどたどしくて、可愛らしいな、ついつい笑顔になってしまう。

この子達を見ていると、あの時逃げずに戦った事を本当に良かったと心から思う。


「それでは、そろそろ帰りますか」

村長のハウンズがそう言うと、お辞儀をして村の人達は帰って行った。


村の人達、戦友、家族、色んな人が俺の墓参りに来てくれる、本当に嬉しい事だ。

そして今日も1日が終わる。


そして次の日、今日はいつもと違った。

まず、朝から彼女が来るまではいつも通りだったが今日の彼女は少し違った、涙を見せず覚悟を決めたような真剣な顔で話し出す。


「おはようございます、今日はちゃんと話しをしようと思って来ました」


「そうか、やっと話してくれるのか、君が誰なのか何故泣いているのかずっと知りたかった」


「私の名前は、アイメルトメアリーです、クラウスさんの事はアルス先生から聞きました、日記に書いてあった冒険譚や色んな話を」

メアリーの目から涙が落ち、震える声で話す

「その時から私は、うぅぐすっ貴方の大ファンです」


「ハッハッハ、そうかどうりで誰だか分からないはずだ、でもありがとう、いつも墓参りに来てくれて、ファンになってくれて」


するとメアリーは腕で涙を拭いて、こちらに顔を向けた。

「今日は会わせたい人を連れて来たんです、ほら先生何恥ずかしがってるんです」


そう言うと、後ろで隠れていた、初めて見る青年の腕を強引に引っ張って、目の前に連れて来た。

「ちょっとまて、心の準備が」


目の前に来た、青年は恥ずかしそうにこっちを見る。

それが誰なのかは、ひと目で分かった。


顔立ちは俺で目はシャーリーに似ている。

腰には俺が現役で使っていた、愛剣を刺している。

「そうか、来てくれたのかずっと持っていたぞ」


アルスは気恥しそうに、申し訳なさそうな顔をしている。

「ごめん、父さんずっと来れなくて」


「気にしてない、今日は来てくれて嬉しいよ」


アルスの目から涙がこぼれる。

「本当何も知らない癖に、母さんを悲しませて自分と母さんを置いて死んだ父さんをずっと嫌って、バカで我儘ばかり言って拗ねて墓参りにも行かず、最低だよ俺は」


「そんな事はない家族を置いて死んだ俺も悪い、すまなかった」


アルスは涙を拭いて真剣な目で話す

「今は父さんの事、尊敬してるし誇りに思ってる」


「ありがとう、そう思ってくれてすごく嬉しいよ」


「遅くなったけど、これからはちゃんと墓参りにも来るよ、ずっとごめん父さん」


「そうか楽しみに待ってる」


するとこちらに歩いて、シャーリーがやって来た。

「あら、いつも早いわねメアリーちゃん、アルスもやっと来たのね、メアリーちゃんが連れて来てくれたの?」


するとメアリーが笑顔で答える

「そうなんです、いつまでもウジウジしていたので、無理矢理引っ張って来ました」


シャーリーはそれを聞いて微笑み答える。

「そうありがとう、本当に誰に似たのか頑固な所はそっくりなんだから」


「俺からも礼を言うよ、連れて来てくれてありがとう、あと俺ってそんなに頑固なのか?」


すると次はローパーとリカードがやって来た。


ガッハッハッと笑いながら3人にローパーが話し掛ける。

「よう、相変わらずいつも早いなぁメアリー、それと久しぶりだなシャーリーにやっと来たのかアルス、ほんと遅いんだよ来るのが、きっと寂しがってたぞクラウスは」


続いてリカードが話し掛ける。

「お久しぶりですシャーリーさん、それとメアリー、きっとクラウスさん喜んでますよ、アルスくんが来て」


笑顔でシャーリーも2人に話し掛ける。

「そうね久しぶりね、二人とも相変わらず元気ね」


笑顔でメアリーも二人に話し掛ける。

「お久しぶりです、ローパーさん、リカードさん」


するとローパーがメアリーの肩をポンッと叩き

「クラウスの奴にちゃんと言えたのか自分の事」


するとメアリーが笑顔で答える

「ハイ、言えました随分かかりましたけど」


「ずっと気になってたから良かったよ、メアリーの事を知れて」


「おや、皆さんお揃いで、おはようございます」

ペイル村の村長と村の人達がやって来た。


「ハウンズさんにマリサさん、ライアさん、おはようございます」

「それとダリルくんにリアちゃん、おはよう」

シャーリーは笑顔で挨拶する


「よう久しぶりだな、ハウンズとマリサにライア、それとダリルとリアのおチビちゃん達も元気そうだな」

ローパーはガッハッハッと笑いながら話す。


「おはようございます、ハウンズさんにマリサさん、ライアさん、ダリルくん、リアちゃんもおはよう」

リカードは笑顔で挨拶する


「ハウンズさん、マリサさん、ライアさん、おはようございます、ダリルくん、リアちゃんおはよう」

メアリーは元気に挨拶する。


「シャーリーさんに皆さん、おはようございます」

マリサとライアが挨拶する


「シャーリーおばさん、メアリーにローパーとリカードおじさん、おはよう」

「おはようでしゅ」

ダリルとリアが元気に挨拶する


何か一気に賑やかになったな

みんないつもありがとう、来てくれて。


すると、メアリーが墓の前に駆け寄って、思い出したかのように話す

「そうだ、私クラウスさんの様になりたくて、剣の稽古をしたんですけど」


少し悲しい顔をして、メアリーは話しを続ける。

「私絶望的に剣の才能がなくて、でも酷いんですよ、たった3回間違えてアルス先生に斬りつけただけで、全力で止めるんですよ」


「いや、充分だろ止める理由としては」

そう言うと、メアリーの頭を撫で続けて話す。

「それに、メアリーは魔法の才能は学園でも、

TOPクラスに優秀なんだから良いじゃないか」


「うっさい、二つとも持ってる人に言われたくない、せめて魔法の才能だけでも無くなれ消え失せろ、プンプン」


メアリーは少し涙目になりながら続けて話す。

「それに、剣の才能の方が良かった、グスッ私クラウスさんみたいになりだかった」


また、メアリーの頭を撫でてアルス話す。

「メアリーこれ以上剣の稽古に付き合うと命の危険を感じる、すまん俺はそんなしょうもない理由で死にたくない、どうせなら父さんみたいにカッコよく死にたい」


「ちょっとアルス、母親の前でそんな事言わないの、貴方まで居なくなったら、お母さんもう寂しさ紛らわす為に、毎日ローパーを蹴りに行く事しか出来なくなるじゃない」


「いや、何でだよ、嫌だよ、蹴りに来るなよ」


「ローパーさん、何を言ってるんですか、シャーリーさん見たいな綺麗な人が毎日来てくれて、ご褒美(蹴り)まで貰えて、通い妻見たいで良いじゃないですか」


「嫌だよそんな通い妻、て言うかハウンズあんた、そういう趣味なのか」


「ハッハッハッハ、参りましたな、これは一本取られましたな」


「いや、取ってねえよ、どう見ても自爆だろう」


シャーリーが笑顔で笑う

「フッフッフ」

ローパーも釣られて笑う

「ハッハッハ」

そして皆んなも釣られて笑う

「ハッハッハ」


俺は幸せ者だな、こんなにもみんなに愛されて、ありがとうみんな俺の為に笑ってくれて、泣いてくれて。


すると天から光がクラウスに指す、

そして美しい真っ白な羽と天使の輪っかを付けた、美しい女性が降りて来た。


そして笑顔で微笑むと透き通るような声で話す。

「私は天使ヤラカシス、クラウスさん貴方を迎えに来ました」


凄い綺麗だけど、物騒な名前の天使が来たー!

とりあえず落ち着こう。

「もしかして、それって成仏って事か」


すると天使は微笑み答える

「はい、そうですこれから天界まで私が案内します」


「ちょっと待ってくれ、せっかくアルスが墓参りに来てくれたんだ、もう少しだけで良いから、待ってくれないか?」


天使から笑みが消え、少し不機嫌な顔をすると。

「無理です、もう成仏する流れになっているので、それにそんな事をすると、私が上司(神)に怒られるので、今度はおやつ抜きでは済まないので不可能です」


なんか罰が可愛いな、そんな事はどうでもいい

「どうしても無理か、本当に少しで良いから」


すると更に不機嫌な顔になり

「無理なものは無理です、私は今まで色々とやらかしているので、今度は給料を減給されるかも知れません、もしそうなったら全面戦争です、上司(神)を殺るしかありません」


こっ怖えーよこの天使、自分で言ってる通り、本当に色々とやらかしてそうだな。

「分かった、最後に別れの言葉だけでも掛けて良いか?」


天使の顔に笑顔が戻り

「しょうがないですね、特別サービスですよ」

するとパチンと指を鳴らし、その手を天高くあげ、もう片方の手を腰に当てポーズを取りどや顔をする。


何か意味があるのだろうか?

一瞬そんな事を考えたが気にせず、最後の言葉を言う。

「シャーリー、アルス、ローパー、リカード、メアリー、村長に村のみんな、俺の為にいつも来てくれてありがとう、本当に感謝してる、俺もみんなの事が大好きだ」


すると、シャーリーの目から涙がこぼれる。

「うそ、今の声クラウスなの?今ここに居るの」


それを聞いて驚いた顔でアルスが聞く

「母さん、今の声父さんなの?」


少し目尻に涙をにじませ、ローパーが声を掛ける。

「そうか、居たのかよ」


リカードが涙声で話す

「クラウスさん、僕の話聞いてくれてたんですね」


メアリーがシャーリーに駆け寄って泣きながら聞く

「ジャーリーざん、今のごえっぐすっ、グラウスざん何ですか?」


ハウンズが驚き話し掛ける。

「クラウスさんなんですか? 今ここに居るんですね、私は貴方に直接お礼が言いたかった、ありがとうございます、あの時貴方が居なかったら村も私もどうなっていたか」


マリサとライアも目尻に涙を滲ませ話す。

「私達も子供達もどうなっていたか分かりません、本当にありがとうございます」

「感謝してもしきれません、今私達が結婚して幸せなのはクラウスさんのおかげです、そのせいでクラウスさんは、ごめんなさい、私達だけ幸せになって」


クラウスはヤラカシスの方に向き驚いた顔で聞く。

「俺の声がみんなに聞こえているのか? ヤラカシスの力か?」


ヤラカシスは得意気な顔で答える。

「えっへん、特別サービスと言ったじゃないですか、今回だけですよ」


「ありがとう、ちょっとサイコパスな奴かなって思ったけど、良い奴だなヤラカシス」


すると一瞬ムッとした表情を浮かべたけど、直ぐに笑顔になりヤラカシスは話す。

「前半少し聞き捨てならない事を言っていた感じがしましまが、今日は給料日なので大概の事は許せるのです」


そしてニコッと可愛く微笑むと。

「でも気を付けて下さい、今日が給料日じゃなかったら、クラウスさんの魂は砕け散ってる所ですよ」


全然可愛くねぇーやっぱり怖いよこの天使。


そして、ヤラカシスはクラウスの手を取り引っ張る

「クラウスさん早く行きますよ、今日はアフロディーテと飲みに行く約束をしてるんです、時間が無いのです」


クラウスは慌てながら話す

「分かったから引っ張るな」


この先の未来を見て見たいと思うけど、何も心配はなさそうだ、安心してあの世に行けそうだ。

「じゃあな、みんな今までありがとう」

そう言うとクラウスは光に包まれ、ヤラカシスと一緒に天に昇って消えていった。


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