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蛇と共に嫁ぎました

今回あんまり蛇出ない

 私には結婚願望があった。

 しかも、昔から24歳までに結婚しようと考えていた。


 最近の人は知らないと思うが、親やその上の世代では『クリスマスケーキ』とよく言っていた。


 クリスマスケーキは24日まではよく売れるが、25日をすぎると途端に売れなくなる。


 それを、女性の年齢に例えて、24歳までは結婚できるが、25歳を過ぎると途端に結婚できなくなると言っていたらしい。


 もちろん、私の世代ではクリスマスケーキなんて言っていなかったし、24歳で結婚というのは世間一般から見てもかなり早い方だ。


 それでも、一度『クリスマスケーキ』という単語を聞かされてしまえば謎に意識をしてしまう。

 ということで、私は早く結婚したいと常日頃思っていた。


 そして色々あって、24歳夏。

 あと数ヶ月で25歳になる私は、仕事帰りに彼氏と電話をしていた。


「なぁ」

「ん? どうしたの?」

「俺、来月にでも籍入れていいと思ってる」

「……………………え?」


 プロポーズは唐突にやってきた。


 遠距離4年半の彼氏。

 私が19歳の頃から付き合っている大学の先輩。

 初めての蛇を一緒にお迎えしに行ってくれた優しい人。


 もちろん断ることはなく、即OK。


 しかし、結婚とはお互いの家族の家族になるということ。

 そんな簡単にはいかず、入籍まで割と苦労をした笑


 まず、私の両親が結婚に反対した。

 私の彼氏に会ってもいないのにブチギレ。


「どこの馬の骨か知らんが〜〜〜、ーーー!!!」

「許すわけないだろ!!!」


 とかとか、耳がキンキンとなるほど電話口で怒鳴られた。


「今の彼氏と長いし、蛇も許してくれるし、結婚も考えてるよ」


 って、1年前から私言ってたよね?


 唯一の救い? だったのが、両親に怒鳴られている電話の奥で、兄(次男)が「名字何になるのー?」と聞いてくれたことだった。


 親が発狂してる横で、兄は兄なりに私に気を遣って和ませようとしてくれたのが電話越しに分かった。


「ありがとうお兄ちゃん…」


 しかし、私は両親との電話を切った後、結局大号泣した。

 こんなに反対されるとは思わなかったし、大好きな彼氏が否定されたことも悲しかった。


 翌日、目がパンパンに腫れ上がった私はメガネをかけて出社。


 私の前の座席に座っているおじさんは、私の目が浮腫んでいる時は必ず、


「今日ブッサイクやなーーー笑笑」


 と、大声で良く話すので、出社するのが本当に嫌だった。

 結局、おじさんは朝から外回りで、その日は顔を合わせることなく終わった。心底安心した。


 仕事から帰り、私は母に電話をかける。

 親に反対されたからと言って、彼との結婚を諦めるわけにはいかない。


 そうして何度か話して、対面の挨拶を許してもらい、両家の挨拶にこぎつけた。


 お互いの両親のタイプが、『グリーンパイソン』と『サンビームヘビ』くらい違うため、顔を合わせると親同士が喧嘩することは目に見えていた。


「こう言われたらこう返そう」

「じゃあその場合は……」等


 私は彼と事前に打ち合わせをし、お互いの両親へは「避けて欲しい話題(地雷)」をそれとなく共有。


 その他にも準備に準備を重ねて、無事に両家に結婚を許してもらった。

 安心して、お互いまたちょっと泣いた笑


 両家の挨拶の前に、それぞれお互いの両親に挨拶をしに行ったが…


 彼は何度も非のない謝罪をすることになったし、私も、彼の両親には無視をされ続け、結局二言くらいしか話させてもらえなかった。


 しかも、結婚をするにあたって、一度も蛇の話題にならなかったのもすごい笑

 それほどまでに雑談をすることがなかった。


 …と、まぁそんなこんなで私は結婚をした。


 ただ、遠距離恋愛はそのまま継続。


 私は全国転勤の業務に就いていたため、半年後の異動シーズンまでは、一人暮らしを続けることとなった。


 あ、一人暮らしじゃなくて、一人と6匹だったわ。


 次回は蛇の引越しについて話そうかな。

読んでいただきありがとうございます。


もしよろしければ、いいねや評価をいただけると嬉しいです。ブックマークは泣いて喜びます。


次話以降も読んでいただけると嬉しいです。

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