生きたネズミ(餌用)を与える
なんとか毎日更新続けてる
蛇が何を食べるのかご存知だろうか?
勿論、蛇の種類によって変わってくるが、ほとんどの蛇が食べるもの、それはネズミである。
分かりやすくネズミと言ったが、爬虫類飼育者はネズミではなく、『マウス』や『ラット』と表現することが多い。
今日は、そのマウスについて初めて苦労した話をしようと思う。
あれは、蛇を飼育し始めて1年ほどが経過した頃。
突然、我が家のメキシカンブラックキングスネーク(通称メキブラ)がマウスを食べなくなった。
普段、私はネットで冷凍マウスを購入し、給餌直前にマウスを湯煎で解凍する。
「湯煎!? レンジで解凍できないの?」
と、よく言われるが、そんなことをすれば卵やさつまいもをレンジでチンした時と同じ末路を辿ることになるだろう。
湯煎の仕方も気をつけていたし、蛇の拒食を経験したのは初めてではない。
だから、1ヶ月ほど経てばまた食べてくれるだろうと、呑気に考えていた。
ここで、蛇の拒食について少しだけ話をしたい。
蛇はもとより週に1回ほどしか給餌をしない。
人間と比べて消化率が高く、コスパが良い生き物とも言えるだろう。
そして、蛇はよく拒食をする。
コスパが良いので、毎回ご飯を食べるというわけでもなく、気まぐれで1,2ヶ月程度ご飯を食べなくなることもザラにあるのだ。
勿論、食べなくなる原因は気まぐれだけではない。
体調が良くない場合や飼育環境が気に入らない場合もある。
だから、拒食を呑気に考えてはいけないのだが、あまりにも気まぐれ拒食が多いので、
「とりあえず1ヶ月くらい様子を見るか…」
と、考える飼育者がほとんどだろう。
話は戻り、我が家のメキブラが突然食べなくなった時も、体調が悪そうには見えないし、私は様子見をすることにした。
1ヶ月経過……食べない。でも元気そう。
2ヶ月経過……食べない。でも元気そう。
3ヶ月経過……食べない。でも元気そう。
4ヶ月経過……食べない。元気そうだが痩せてきた。
まさか4ヶ月も食べなくなるとは。
本当はもっと早くに相談するべきだったが、私はやっとメキブラを販売していたショップに電話をした。
「あの…メキブラが食べなくなって4ヶ月になりました…どうしたらいいですか…?」
「メキブラは食欲旺盛な種類だから心配だね、置き餌はやってみた?」
声からしてめちゃくちゃ不安がってる私に、店長は私が落ち着いて話せるように優しく話してくれた。
「置き餌やってみたんですけど、餌をつつくだけで全然食べなくて…」
「ふーん、餌に興味は持ってるのか。なるほどね」
なんだか店長には蛇の様子に心当たりがありそうな雰囲気。
私は落ち着いてメキブラの様子を伝えた。
結果、店長の出した結論は意外なものだった。
「多分ね。餌を食べることを忘れたんだと思う」
「……………………はい?」
耳を疑った。
聞き間違いかとも思ったが、店長は半分笑いながら続けた。
「マウスが餌というのは何となく分かってるから、餌をつついたりして興味はあるんだろうけど、食べることを忘れちゃったんだね」
「そんなことあるんですね…」
店長に聞くと、爬虫類は居心地の良い場所を見つけるとそこから動かなくなって餓死することもあるらしい。
なんと難儀な生き物なのか。
犬猫とはまるで違う。
「どうしたら食べてくれますか?」
「そういう時はね、生き餌をつかえば良いよ
生き餌は言葉通り、生きたマウスをあげるということだ。
そうすれば、メキブラは野生の本能を取り戻してまた食べるようになってくれるとのこと。
「ただ、うちじゃ活マウス扱ってないんだよね…」
意外にも、餌用の生きたマウスを売っているお店はあまりない。
売っているのは大体、ペット用のマウスやハムスターだ。
ペット用で販売している生き物は愛玩目的として販売されているので、ペット用として購入しなければならない。
つまり、ペット用で売られているものを餌用にするのは法律違反なのである。
ただ、餌用として売られているマウスを手に入れるのも簡単じゃない。
近くにショップがあれば良いのだが、無い人はかなり苦労するだろう。
それに、マウスのサイズもある。運良く活マウスを手に入れられても、そのマウスが蛇に適しているサイズかどうか分からない。
大きな声では言えないが、餌用にすると言わなければバレないので、ペット用を購入する人もいるらしい。
(みんなやらないでね!!)
私は幸いにも、片道2時間ほどの距離に活マウスを売っているお店を見つけた。
私は早速休日に足を運び、活マウスを4匹ほど購入。
ちょうど、マウスも小さめのサイズだったので、うちのメキブラが食べられる大きさだった。
「時間と交通費を考えると、ハムスターを買った方が全然安い…」
駄目だけど、正直思った。
しかも、マウスよりハムスターの方が蛇の食い付きも良いらしい。(私は試したことないけどブリーダーの方が言ってた)
しかし、ただでさえ嫌がられる蛇飼育というマイナーな趣味。
そんな趣味に手を出した責任として、真っ当な飼育者になるべきだと思った。
そして、早速活マウスを蛇のケージに投入。
活マウスも性格はそれぞれだが、その子は怖がってケージの隅に逃げた。
(蛇のことを気にせず近寄っていくマウスもいる)
肝心の蛇、うちのメキブラはどうだろうか。
なんと、蛇の全身に電気が走ったようにカクカクと硬直。野生の本能を刺激されたのが見て分かった。
しっかりとマウスを視界に捉えて狙いを定める。
メキブラは口を開けて逃げるマウスを追いかけ、勢いよく噛みついた。
4ヶ月ぶりの捕食。
マウスが可哀想という気持ちよりも、うちのメキブラがちゃんとご飯を食べてくれた感動で泣いた。
本当に良かった。
それから、定期的に活マウスを与えると、湯煎した冷凍マウスも食べてくれるようになった。
無事、餌を食べることを思い出してくれたらしい。
29歳の私より
メキブラは今もやたら元気です。
私の独断と偏見による紹介No.1(番外編)
活マウス
可愛らしさ★★★
飼育難易度★
お迎え金額★
入手難易度★★★(東京に住むと難しくない)
臭さ★★★★★★★★★★★★★★(限界突破)
マウスは異常に臭い。えぐい。アンモニア臭すごい。