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自作ケージからの脱走

今のところ毎日更新できてるー

「蛇が脱走したって、怖いよね…」


 ニュースで時々流れてくる蛇の脱走。

 特に、アミメニシキヘビ等の大型の蛇の脱走は大きなニュースとなる。


 こんなことを言うと、爬虫類の飼育(特に蛇)について忌避されるだろうが、あえて言わせていただきたい。


「長年、蛇を飼育している人で脱走を経験した事がない人はほとんどいない!!」


 本当にごめんなさい。

 蛇は脱走の達人なんです…


 かくいう私も、蛇の脱走は経験がある。

 蛇を飼育してきて7年過ぎたが、計4回も脱走されてしまった。


 今では対策方法を心得ているが、それでも気を抜いてはいけないことだ。


 部屋の中の脱走で済めばまだいいが、外に蛇を出してしまったら大変なことになる。


 もし蛇が人に危害を加えてしまったら。

 ニュースになってしまったら。

 脱走が原因で日本の爬虫類飼育の規制が厳しくなってしまったら。


 リスクを上げればキリがない。


 ここで、私が初めて蛇を脱走させた時の話をしようと思う。



 私が蛇を飼育し始めて1ヶ月が経った頃だった。


 当時、私は自作ケージで飼育していた。


 今もそうだが、YouTubeに自作動画は溢れていたし、何より百均の材料で作れると言われて飛びついた。


 作り方は簡単で、百均のシューズボックスに空気穴を空けるだけ。

 それに比べて、爬虫類用ケージは値段も高いし、何より重い。


「こんな簡単に作れるのに、爬虫類ケージを買う人いるの!?」


 なんて思っていた。(本当にバカ)


 そして事件は起きた。

 おそらく、明け方4時くらいの出来事だったと思う。


 カタッ


(…? んー……気のせいか………)


 部屋の奥の方で音が鳴ったが、私は気にせず眠ってしまった。


 しばらくして私は起き、いつも通り朝の挨拶をしようと蛇のケージに近付いた。


「くーちゃんおはよー……………え、え? ええ!?」


 血の気がサーッと引いていく。


「いない!!! やばい!!!」


 私は部屋中を探し回った。

 でも簡単には見つからない。


 時間は朝の5時半。

 いつもめちゃくちゃ眠くて、嫌だ嫌だと思いながら身支度をしているのに、この日は一瞬で目が覚めた。


 ソファの下、冷蔵庫の下、ベッドの下、クローゼットの中、朝からギャーギャー言いながら全部見た。

 でも見つからない。

 しかも、仕事に行く時間が迫ってきている。


 私は半泣きになりながらも、タオルの隙間や歯ブラシ入れの奥まで確認しつつ、身支度をしていた。


「やばいやばい!! 今日休む!? え、どうしようどうしよう…」


 出社を取るか、蛇を探すことを取るか。


 正直、転職した今の会社なら休むことを選ぶだろうが、当時は「会社の言うことは全て絶対」と思っていたので、急遽当日に休むことも怖かった。


 時間は6時半。

 いつもなら既に家を出ている時間だ。


 とにかく私は部屋中を走り回りつつ、出社に備えようと鞄を取った。

 そして、いつものように昨日の新聞を鞄から取り出す。


 ちなみに、なぜ新聞を鞄から出したのかというと、出社した後に支店長と若手メンバーで新聞の読み合わせをしているからだ。

 私は家を出る直前に昨日の新聞を鞄から取り出し、ポストから今日の新聞をとって出社していた。


 話は戻って、私はいつも通り新聞を取り出し、過去の新聞に重ねて置いた。


「……ん?」


 違和感があった。

 

 新聞を置いた際にパシッという音が鳴るはずなのに、ファサッという音が鳴った。


 私は恐る恐る、おとといの新聞を開いていく。


 すると……いた。


 鮮やかな色のミルクスネークが。


「ええええ〜…いるじゃん。どうやって机の上に登ったのさ…」


 色々気になることはありつつも、私は急いでミルクスネークをケージに戻し、セロテープで絶対に出られないように補強した。


 これもよく覚えているが、家を出る直前に部屋を見返すと、全てがひっくり返ってぐちゃぐちゃになっていた笑


 急いで出社すると、なんとかギリギリ間に合った。


 私は一息つき、スーツ姿の女子が全速力で走っているのはおかしかっただろうな…と自分に失笑した。


(いや、でも本当に見つかって良かった…)


 その日から、私は爬虫類ケージの重要性を思い知り、値段が高くてもいいから信頼のあるケージを使用することにした。


 それでも、蛇は思っている以上に力が強く、既製品ケージでも破壊してしまう事がある。


 特に、最近は爬虫類飼育者が増えてきた。


 それに合わせて、爬虫類ケージを売る人も増えてきたが、たまに既製品でも「これじゃ蛇は飼えないな」と思うことがある。


 アクリルケージでも、指に力を入れると隙間が生まれたり、割れそうなものがあるからだ。


 後、簡易鍵のケージも危ない。


 これも過去の経験だが、震度3くらいの地震で蛇棚が揺れ、鍵が開いてしまうこともあった。


 今では、アクリルケージや簡易鍵には全て上から養生テープで固定するようにしているし、地震で棚が揺れてしまわないように、棒を挟んで天井と固定するようにしている。


 皆さんも蛇を飼育する時は気をつけましょうね。


 ……お互いに。

私の独断と偏見による蛇紹介No.5(5段階評価)

メキシカンブラックキングスネーク

美しさ★★★

危険度★★

飼育難易度★

お迎え金額★

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