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何のために生きてるの?

サクッと重い話は終わらせましょう

「私の存在意義ってなんだろう」


 仕事もしていない

 子どもも産めない

 親の望むように生きられない

 蛇を大切にできていない


「私って何の役に立ってるんだろう」


 当時、私は家にずっといたので、せめて家事はちゃんとやろうと決めていた。


 しかし、ベランダに洗濯物を干しに出ると、マンションはそれなりに階数があったので、


「ここから落ちたら確実に死ねるよね」


 とか、毎日考えるようになっていた。


 あの感覚は危ない。

 本当に吸い込まれそうになる。


 いくら家にいて休んでいたって、この状況から抜け出せるなんて1ミリも思えなかった。

 実際にそうだったし。


 一睡もできなくなっている時点で、私の精神は完全におかしくなっているとすぐに気付くべきだったのに。


 有名なメンタルクリニックに通ったって、


「もうちょっと休んだほうがいいですねー」


 としか言われない。

 

 私が家に篭っている間、旦那には相当苦労をかけただろう。

 二人暮らし、彼には逃げ場がなかったから。


 でも、彼はいつも夜は一緒に起きてくれたし、家にいる私に対して「いつでも会えるから嬉しい」とまで言ってくれた。


 当時は旦那のことを鬱陶しい、と思っていた部分もあったが、唯一私を責めない存在でもあった。


「ずっと2人で暮らすのもきっと楽しいよ!」


 マンションの駐車場で言われた言葉。

 そのままの私を受け入れてくれたこの言葉を私は死ぬまで覚えていると思う。



 しばらくして、私は会社の産業医に別のメンタルクリニックを紹介された。


 そのメンタルクリニックは、産業医の先輩が経営しているらしく、紹介状を書いてくれるとのこと。


 クリニックを調べたら、電車を3回乗り換えないといけないし、何よりGoogleの評価が2.1でボロクソに書かれていた。

 産業医が紹介したのも、先輩に客を紹介したいからだろうな、と思っていた。


 ただ、このままの状態で時間が解決してくれるとは思えない。


 私は「面倒だな」と思いつつも、自分で考えて行動することが出来なかったので、言われた通りに紹介されたクリニックに行くことにした。


 汚い街に廃墟のようなビル。

 これは評価が低くても仕方がないと思った。


 でも、良い意味で裏切られた。

 

 まず、大きなクリニックと違って、初回カウンセリングが2、3時間くらいあったと思う。

 私が覚えている限りの幼少期から今に至るまで、ヒアリングされた。


 そこで、私は初めて家族との関係を指摘された。


 子どもを産まなければ自分に価値がない、と本気で思っていたし、クリニックの先生に提案されるまで、家族と距離を置くことを考えたこともなかった。


 私の実家は3世帯かつ4世代が暮らし、親戚も近くに暮らしているサマーウォーズのような大家族なのだが、私一人だけ東京で暮らしていた。


 だからか、余計に家族とは頻繁に連絡を取り合っていたし、長期休みは実家に帰らなければならない、と思い込んでいた。


 当たり前だが、連絡を取らなければ「子どもはまだ?」と言われることもないのに。


 私の考えが変わってくると、クリニックの先生はすかさず、抗うつ剤の説明をしてくれた。


 薬の説明だけで30分くらいあったんじゃないだろうか。Googleの評価でも、薬の説明しかしない!と書かれていた笑


 しかし、自分が飲む薬。

 どんな副作用があって、どう飲むのが効果的か、丁寧に教えてくれたおかげで、私は安心して薬を飲むことができた。


 ちなみに…


「この薬を飲むとすっごい太るよ」


 と、再三言われた。

 実際にめちゃくちゃ太った。

 増えた分、今もまだ元には戻らず3年が経過しようとしている笑


 でも、私はめちゃくちゃ元気になった。

 前向きに物事を考えられるようになったし、あれしたい、これしたい、と自分から発言するようになった。


 家族との関係にも、冷静に第三者目線で考えられるようになったし、何より大事なのは『自分』であると思えるようになった。


 そして、この勢いのまま転職もした。


 どうせ子どもを産めないのなら、思いっきり働きたい。もっと裁量権のある仕事がしたい。


 そう言って受け入れてくれた会社に入社した。

 29歳の私も働いている会社である。


 そしてここから…


 我が家の蛇がめちゃくちゃ増えた笑

読んでいただきありがとうございます。


もし、まだブックマーク&評価されていない方がいましたら、ぜひよろしくお願いします。


参考になりますので、面白いと思っていただけた話には「いいね」をお願いします。


次話以降も読んでいただけると嬉しいです。

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