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_____ 澪亜 。
「せっかく清水来たんだし、皆でおみくじとか引かない??」
「五十嵐その考えいいじゃーーーん!!俺大吉狙いで行くわ!」
「大凶当たったら盛大に笑ってあげる」
「は?お前ひどっ」
目の前でカップルみたいな会話をしているのは今回同じ班になった竹田くんと“親友”の吹雪。その距離感に羨ましさを感じつつ、私はこの気持ちを隠してただ微笑んでいるだけ。
「澪亜?引かないの?」
「引くよ〜!私も大吉狙いで行こ!(笑)」
「澪亜になら大吉出そう」
「え、ほんと?」
私がボーッとしていると吹雪は直ぐに話しかけてくれて。今の距離感で充分。
おみくじを引くと良いのか悪いのか少し微妙な末吉、の字が見える。恋愛の所のお告げには、感情を抑え慎重にと書いてある。
「澪亜何だった?」
「微妙な末吉!笑
吹雪はー?」
「私は吉だったよ〜。結び、行こっか」
「うん。結び行こ」
一度だけ、本当に一度だけ、好きでも無い人と付き合ったことがある。1年の丁度今くらいの時期に当時3年だった一宮くんに告白された。その時にはもう既に吹雪の事が好きだった。でも叶わないだろうし、もしここで意識してくれたら、なんて思って了承した。
一宮くんは悪い人では無かったけど、丁度教室からホールを挟んで見える吹雪に私の心を奪われていた。吹雪は覚えてるかな?去年の体育祭準備の時に陰口言われてる私を庇ってくれたこと。
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「三神さんって男好きなの?」
「絶対そうでしょ笑笑狙ってるってあんなん」
「三神さん先生にも媚び売ってるもんね」
「てか知ってる?一宮先輩さ、三神さんの事狙ってるんだって。」
「えぇまじで?先輩趣味悪ってか三神さんちょっと調子乗ってる?ねぇ、吹雪もそう思うよね?」
「別に。てか人の陰口言ってる暇あるんだったら手動かしなよ。進んでなくない?」
「いや、手動かしてるし笑笑 何、三神さんの肩持つの?」
「そーゆーわけじゃ無いけど、人の陰口いってるのダサいなって思って。ごめん。居心地悪いからあっち行くね。」
「はぁ?」
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案外私って単純かも。それでも今も好きなことに変わりは無いし。どうせ叶わないなら、今だけでも隣に居る権利はあるよね、?
「吹雪ー!!写真撮ろ!」
「いいよ〜!私も誘おうと思ってた」
「え、ほんと!これ後で送るね!」
「うん、有難う」
今はまだ、だいすきだよ。だからもう少し、このままの親友って関係でいさせて吹雪_____ 。