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訓練場で討伐訓練に向けて稽古していたら、皇女達がやってきました

 結局私はピンク頭を水で流した件でマイヤー先生に叱られてしまった。

 でも、元々攻撃してきたのはピンク頭なのに、私が怒られるのは、絶対におかしい!

 私は余程文句を言おうと思ったが、反論して叱責の時間が倍になるのを恐れて結局静かに聞いていたのだ。

 まあ、反省文は書き慣れたし、問題はないだろうと。

 私が疲れ切ってクラスに帰ってきた時だ。

 ホームルームの時間になっていた。


「やっと帰ってきたか、しかし、ユリアーナは職員室の呼び出し、新記録の記録更新中だな」

 ブレンダー先生が笑って教えてくれたが、今回は私が悪いのではない!

 私はむっとしてブレンター先生を睨み付けた。

 でも、そんなのではブレンダー先生はびくともしなかったけれど。


「良かった、帰ってきたくれた」

 司会を代わりにさせられていたマリアがほっとしていた。

「ごめんね」

 私はマリアに謝ると慌てて代わった。


「では皆さん。頭の中がピンク色の方に邪魔されて思わず流してしまって遅くなってしまいましたけれど、これからホームルームを始めます」

 私の挨拶にブレンダー先生は何か言いたそうだったが、皆がどっと笑っていたので無視してくれたみたいだ。


「えっ、もう魔物討伐訓練の時期なの」

 話し出した私だが、黒板の大きな文字を見て思わず叫んでしまった。


「クラス委員長が行事予定を把握していなくてどうするんだ?」

 ブレンダー先生の呆れた声がしたが、最近、お兄様の過保護とかいろいろあってそれどころではなかったのだ。私は学園一番のイベントのことなどすっかり忘れていた。


 魔物討伐訓練は前期最大のイベントだ。


「それではこれから班分けを始めたいと思います」

「はいっ! 俺はユリアーナ様と同じ班に入りたいです」

 私の言葉に真っ先にゲオルクが反応してくれた。

「何っ、ゲオルク、お前、抜け駆けは卑怯だぞ」

 ダミアンが噛みついて、

「そうだ、俺も」

「俺もです」

 ボンズとニールは私と一緒にいたら安全だからと思って手を上げてくれたのだ。


「あなたたち、何考えているのよ! 騎士志望のあなたたちが班長やらずして、誰が班長やるのよ!」

 私は思わず叫んでいた。


 この班決めは大切だ。

 まあ、基本学園で行く魔物討伐は大した魔物はいないはずで、お遊びのはずなのよ。ダンジョンの低層階を回るだけなのだから。

 でも、何が起こるか判らないのがダンジョンだ。

 当然、要所要所には騎士がいるし、騎士団が討伐に入った後で回るので問題はないと思うけれど……

 と言うか、一年生のやることは回復薬を作る薬草採取なのだ。おそらく魔物と出会う事なんて無いはずだ。でも、何があるか判らない。班長は少なくともダンジョンに潜ったことのある者か騎士志望が望ましかった。


 なんとか8人の班長を決められて私はほっとした。ゲオルクやダミアンは委員長権限で班長に指名した。二人ともとても不満そうだったが……本当に面倒くさい。


 私の班は副班長にマリアを、班員にビアンカとフィリーネともう一人子爵令嬢を入れた。

 完全に女の子だけの班だ。


 他の班から女の子を取り過ぎだとか訳の判らない反応が出てきたけれど、一応命がかかっているのだ。一番強い私の所に一番弱い女の子を配置するのは当然の事だった。

 クラス40人中、女の子は16人。私の班が5人で残りの班が2人ないし1人だ。

 それくらいならばいざとなやれば男が犠牲になって女の子を守ればいいだろう。


「えっ、ユリアが守ってくれるんじゃないの?」

「はああああ? 何故、女の私が男のあなたを守らないといけないのよ」

 ボンズの言葉に私が切れた。

「だって学年ナンバーツーじゃないか」

 当然のようにボンズが言ってくれるんだけど、

「私はくじ運が良かったけで、ナンバー2はエックお兄様よ。それよりも女に守ってもらわなくてはいけないという根性が気に食わないわ。そんなことだから、剣術競技でも1回戦で負けるのよ。魔物に討伐訓練まで後1週間、その根性叩き直して上げるわ」

 私は心に決めたのだ。


「えっ、いや、それは」

「「「よろしくお願いします」」」

必死に逃げようするボンズを弾き飛ばしてゲオルクや5人ほどがすっ飛んできて私の前で頭を下げてきたんだけど……

「えっ?」

私は余計な事を言ったような気がした。



そして、私は放課後に男子達に訓練をさせることになったのだ。

騎士志望はマストで始めたんだけど、何故か20人くらい居るんだけど……何で?


「痛い!」

「はい、もっと真面目に剣を振る」

私はいい加減に素振りしていたボンズの頭を叩いていた。

「何するんだよ」

「雷撃耐久訓練に変えようか」

「いえ、やります」

私の言葉にボンズは慌ててきちんと振りだした。


「ああら、さすがに悪役令嬢ユリアーナは野蛮ね」

そこにピンク頭が登場してくれた。

「もっと、強く!」

私が無視して、皆に指示すると

「ちょっと、何無視してくれるのよ!」

「目の前にピンクの頭があると思って日頃の恨みを込めて振るのよ」

「何がピンクの頭よ。聖女に剣を振るってどういう事」

私の言葉にピンク頭が怒りだしたんだけど……

「煩いわね。訓練の邪魔なんだけど」

「あああら、さすがユリアーナさん。言うことが野蛮ね」

そこにフローラが現れた。

何なのよ。この集団は?


「ユリアーナさん、少し、宜しいかしら」

そこにはツェツィーリア様が現れたのだ。


「げっ、悪役令嬢三人の揃い踏みよ」

見学していたマリアの一言がシーンと静まった訓練場に響き渡ったんだけど、声が大きすぎない?

言われた三人がきっとして、マリアを睨んだのだ。



ついにユリア対帝国皇女の戦いの始まりです……?

続きは今夜です

お楽しみに!

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しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
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