帝国の皇女から魔術師の返還の要求があり、お兄様が事情をきちんと説明して撤回させると頼もしく言ってくれました
すみません。昨夜更新したつもりが出来ていませんでした
本日三話更新します
「ユリア、あなた、50人もの破落戸を一撃で葬り去るって凄いわね」
マリアが私の事を呆れていた。
「そうでしょ。尊敬する気になった?」
私が胸をはると、
「と言うか、人間じゃなくて、もう化け物の領域じゃない?」
「ちょっと、助けてあげた本人に対して化け物って、何なのよ!」
私が文句を言うと、
「いやあ、古代竜がペットになるのも納得したわ」
納得するな! 私は化け物ではないわよ!
私がそう叫ぼうとした時だ。
お兄様達が転移してきたのだ。
お兄様は両手にエックお兄様とフランツお兄様をつかんでいたんだけど……
「ユリア、無事か?」
お兄様が私を見つけると、エックお兄様フランツお兄様を放り出して、私に抱きついてきたのだ。
「えっ、いや、お兄様、私は大丈夫だから」
私がお兄様の腕の中から逃れようとしたが、お兄様は離してくれなかった。
「どこも怪我はないか?」
「だからどこも怪我なんかしていないわよ」
私が答えた。でも、見目麗しいお兄様の顔がめちゃくちゃ近いんですけど……
「言ったでしょ、兄上。ユリアは古代竜が出てきても退治するから、問題ないって!」
フランツお兄様が何か余計なことを言ってくれたような気がしたが、私はお兄様の抱擁から逃れるので必死だった。
「ああ、ああ、こいつら完全に失禁しているよ」
フランツお兄様が、黒こげになった男達を蹴飛ばしてひっくり返していた。
「どうするんですか?、兄上、ここに帝国の魔術師らしき者も転がっていますが」
エックお兄様が、飛んできたムラサメが後頭部に、激突して、地面に叩き付けられた魔術師の顔を上げて尋ねていた。
「なんだと、帝国だと! 俺のユリアに手を出そうとするなど許せん! 当然ふんじばって騎士団に連行しろ!」
「外交問題にならないと良いけど……」
エックお兄様が心配していた。
「いざとなったら俺が帝国に乗り込んでやる」
しかし、お兄様はやる気満々だった。
その後飛んできた、我が家の騎士団に全員拘束されて連れ去られていた。
取り敢えず、マリアの家は我が家の騎士団が送っていった。
私も一緒にマリアの家に行きたかったのに、お兄様の様子を見て、
「ユリア、また明日ね」
「えっ、ちょっと待ってよ、マリア!」
私の言うことも聞かずに、あっさりとマリアは帰っていったのだ。
そして、私はそのまま、強引にお兄様に家に連れて帰られたのだ。
帰りの馬車の中はカオスだった。
お姉様がいないから席が一つ空いているのに、お兄様が私を膝から離してくれなかったのだ。
絶対に変だ!
と言うか、お兄様にはツェツィーリア様がいるでしょう!
さすがにそう言うと角が立ちそうだツタから、
「お兄様の将来の婚約者に悪いじゃない」
私がそう言ったら、
「俺はユリアさえいればいい」
とか訳のわからないシスコンぶりなんだけど……
ツェツィーリア様と食べさせしていたよね。それに私よりツェツィーリア様を優先したくせに!
意味がわからない!
「どう思う? ピーちゃん! 絶対に変よね」
私が自分の部屋でピーちゃんに同意を求めると、
「ピー」
ピーちゃんは頷いてくれたのだ。
「まあ、ユリア様。アルトマイアー様はユリア様を溺愛していらっしゃいますから」
「そのくせ、朝の学園ではツェツィーリア様を優先したのよ。私はピンク頭を攻撃したのは何も悪いと思っていないのに、ツェツィーリア様に謝れって言われたのよ。信じられないわ」
私がニーナに文句を言うと、
「まあまあ、ユリア様。アルトマイアー様も、たまには社交もしなければいけないのです。ユリア様が正しいと思っても帝国のお友達のツェツィーリア様の顔を立てないといけないと思ってユリア様にそう言われたのですよ」
ニーナがお兄様の弁護をしてくれた。でも、私にはあのお兄様がそんな気を使うなんて思えなかった。
「絶対にツェツィーリア様の方を私よりも気にいっているから、肩を持ったのよ!」
「そんなことはないと思いますけれど」
ニーナは否定してくれたが、私には信じられなかった。
翌日の夜だ。夕食の席に出てきたお父様は機嫌が悪そうだった。
「今日、陛下とツェツィーリア様の食事会があった。その中で我が公爵家が帝国の魔術師を捕らえているという話が出たのだが、ユリア、昨日、お前は帝国の魔術師を捕らえたのか?」
お父様がいきなり叱責するように聞いてきた。
「相手が攻撃してきたから反撃しただけです」
私は正直に答えた。
「そうです。父上、ユリアは正当防衛しただけです。報告しましたよね」
お兄様が援護してきた。
「俺は伯爵家の面々に襲われたとは聞いたが、帝国の魔術師がその中にいたとは聞いていないぞ。しかも、その魔術師をまだ捕らえているそうではないか?」
お父様が今度はお兄様を見た。
「当然です。いきなり問答無用でユリアを攻撃してきたのですよ。普通ならば公爵令嬢暗殺未遂で処刑案件です。その場で処断していないだけユリアは甘いと思いますが」
お兄様は私の援護をしてくれた。
「ツェツィーリア様からはいきなりユリアが帝国の魔術師を挑発して雷撃で攻撃したと非難されたのだが」
「はい?」
私は訳がわからなかった。
「誰がそんなふざけたことを言っているのですか?」
お兄様がツェツィーリア様の件にもかかわらず激高してくれた。
「だからツェツィーリア様からだ」
「ツェッツイには俺から説明します。そのようなふざけた報告が上がってくるなど、帝国の情報網はどうなっているのですか? ツェッツイにもその辺りのことを綱紀粛正も含めてしっかりやるように伝えますよ」
私はそう言ってくれるお兄様がとても頼もしく見えた。
「判った。その件はアルトに任せる。くれぐれも帝国とは問題を起こさないようにな」
お父様が念押ししていた。
「問題を起こすも起こさないも悪いのは悪いのです。俺はユリアを攻撃した魔術師は許せませんから」
私はこの時まで本当にお兄様を信じていたのだ。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
果たしてこの件はどうなるのか?
続きは明日です。
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