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お兄様視点 可愛い妹が帝国の者達の前で何をしているのだと礼儀作法の先生に怒られていたので援護するために帝国の幼なじみに食べさせました

 その後、リーゼにまだお茶会が始まっていないから食べさせるのを止めろと注意されて止めたけれど、さっさと始めれば良いものを! 俺は国王夫妻とツェッツィに挨拶はもうし終えたから、後はユリアの相手をするだけだと思ったのだ。


 国王とツェッツィが挨拶していたが、俺はユリアをチラチラ見てくる周りの男どもを威圧するのに忙しかった。でも、ユリアは可愛かった。それも俺の瞳の色の青の布地に髪の色の金の花柄模様の刺繍の散りばめられたドレスに身を包んでいるのだ。それに金色の髪飾りをしているのだ。完全に俺の色だった。

俺の色をまとったユリアに色目を使って見てくるなんて、俺に喧嘩売っているのも良いところなのだが、判っているのか?

 俺もユリアの瞳の緑色の礼服にすれば良かった。さすがに緑は止めてくれと侍従には言われたが……銀色は帝国の色なので止めてほしいと頼まれてしまったので止めたけれど……


 やっとお茶会が始まった。

「お、この緑の果物もうまいぞ。俺には甘すぎるようだが」

「それはメロンよ。お兄様。メロンがあるなんて嬉し……んぐ」

 俺はメロンをユリアの口の中に入れたのだ。これで男達もユリアが誰のものかよく判るだろう。


 女どもの黄色い悲鳴が上がったが、俺は全く気にならなかった。ユリアが赤くなっていたが、赤くなったユリアも可愛かった。


「お兄様。このスイカも美味しいわよ」

 そして、驚いたことにユリアが俺に西瓜を食べさせてくれたのだ。

 俺は感動で胸がいっぱいになった。


「キャー」

「あの子アルトマイアー様に食べさせ返したわよ」

「いくら妹だからっておかしくない?」

「あの子元々アルトマイアー様とは血が繋がっていないみたいだし」

 女どもの悲鳴が聞こえたが、そうそう、ユリアと俺は相思相愛なのだ!

 俺は嬉しくなった。


「ちょっと二人とも王宮のお茶会で余計な事は止めてよね」

 リーゼが怒ってきたが、

「良いじゃないか、リーゼ。静かにしているんだし」

「良い訳ないでしょ。礼儀作法に反するし、ユリア、マイヤー先生がこちらを睨んでいたわよ」

「えっ、それまずい!」

 ユリアが慌てたが、俺はその可愛いユリアにメロンを一切れ口の中に入れてたのだ。

「おひいはま!」

 口に入れたまま抗議してくるユリアも可愛かった。


「アルトマイアー様、少し宜しいかしら」

 そこにツェッツィが挨拶に来たみたいだ。

 ツェッツィももう少し後に来れば良いものを!

 せっかくユリアと良いところだったのに!


 俺は少しむっとしたが、さすがの俺も帝国の人間に怒るわけにはいかない。


「ああ、ツェッツィ。皇女殿下をするのも中々大変だな」

 俺は大きくなったツェッツィに同情した。昔は自由に野山を走り回って遊んだのに……皇女となるとそうもいくまい。

 それを機にユリアが席を立ったのだ。


「どうしたんだ、ユリア、いきなり立ち上って?」

「ちょっとお姉様。クラウス様が大変よ」

 ユリアはクラウスの方を見ていた。聖女がまた、クラウスにちょっかいを出しているらしい。

「えっ? でも」

「いいから行くわよ」

 ユリアは強引にリーゼを立たせるとクラウスの方に行ったのだ。

 ユリアは俺にウインクで合図してくれた。これから聖女と戦ってくるらしい。ユリアが行くなら俺が行くまでもあるまい。俺は手を上げてユリアによろしく頼むと合図したのだ。


 ユリアは聖女がクラウスに食べさせようとしていた西瓜を食べていきなり邪魔していた。


「本当に帝国からいらっしゃっている皇女殿下の前で何をしているんですか? 2人とも」

 しかし、それをマイヤーに見つかって怒られていた。なんか怒られてしゅんとしているユリアも可愛い。


 まあしかし、俺も少しはユリアの役に立つか!

 俺はユリアを援護することにした。


 俺の中ではツェッツィは女では無くてあくまでも昔の友人だったのだ。だから同僚にうまいものを分け与える感覚で

「ツェッツィ、これはうまいぞ」

 そう言ってマイヤーの前でツェッツィの口の中に西瓜をフォークに刺して運んでやったのだ。


 昔、痩せていてよく倒れるツェッツィを心配して、

「もっと食え」

 と言って嫌がるツェッツィの口の中に無理矢理肉を放り込んで食べさせた事があった。

 その後ツェッツィは気分が悪くなって席を外していたが……


 一つくらいなら気分を悪くすることもあるまい。


「先生、皇女殿下もアルトマイアー様に食べさせられていますけれど」

 聖女がマイヤーに報告していた。


 マイヤーは俺たちを見て絶句していた。

 これでユリアが怒られることは無いだろう。


「キャーーーー」

「アルトマイアー様がツェツィーリア様に食べさせされたわ」

「妹じゃなくて」

「帝国の皇女殿下にされるなんて」

 周りの女達が何か叫んでいる黄色い声が聞こえたが、俺は無視した。


 ツェッツィは俺の中ではあくまでも昔なじみの友人だったのだ。

 あくまでも怒られているユリアに対する援護射撃のつもりだったのだ。

 ユリアがそれを見てどう取るとかよく考えていなかった……

ユリアの思いを知らないお兄様……

続きは今夜です。



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