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お兄様視点 妹の利き手を剣術で怪我させたので、俺が食事を食べさせました

 ボケナス商会は公爵家に逆らって、ただで済むとは思っていなかったのだろう。必死に教会にすり寄っていた。

 ボケナス商会はなんと王妃も取り込もうとしていたようだが、ユリアがクラウスを通して渡した友人の化粧水が功を奏して王妃が気に入ってくれて、事なきを得た。


 その他、こちらからはエックが中心となって新たな商会を立ち上げた。エックはあっという間に王都のボケナス商会から、腕利きの店員を引き抜いていた。その店員は逆スパイをやろうとしていたみたいだが、エックの前でそんなのが出来るわけはなかった。あっという間にばれて、エックのお仕置き部屋に連れ込まれていた……

 何をされたかは判らないがそれから、その店員はとてもエックに忠実な部下になっていた。

 ボケナス伯爵の商会はあっという間に教会と教会関係者以外の取引を失っていた。

 まあ、引導を渡すのはもう少したってからだ。この公爵家に逆らった事を教会もろとも骨身に染みて判らせてやる!

 俺はやる気満々だった。



 ユリアはそれからも色々やってくれたが、俺はそれを生温かく見ていた。



 そして、年に一度の競技大会の日が来た。


 俺は今回も一位になるだろう。

 父に勝つには当然一位は当たり前だった。

 多少は我が家の皆が目の色変えて取り組んでくれるかと、ユリアに負けたらデザート一年分の供出をルール付けしたのだ。そうしたらなんとフランツの奴は自ら棄権してくれて本当に最悪だった。フランツはなっておらん!

 これがいつもなら、死の特訓1年分だった。

 俺は実際にそうしようとしたのだ。

 しかし、それどころではない状況になってしまって俺はうやむやにしてしまったのだ。


 くじ運も悪く、俺は決勝の相手がユリアだったのは誤算だった。

 その前にエックとユリアが戦ってくれたらいい勝負が見られたはずなのに……

 しかし、ユリアは真剣に攻撃してきた。俺が思わず本気を出すくらいには、攻撃に勢いがあった。俺はそれが嬉しくもあったが、自分がまだまだなのも良く判った。ユリア相手に楽々勝てないと父には勝てない。

 俺がつい真剣になってしまい、つい、ユリアの利き手を攻撃してしまったのだ。

 やってしまった!

 ユリアは剣を取り落として、苦痛に歪んだ顔をした。


「ユリア!」

 俺は思わずユリアにかけよったのだ。

 もう勝負などどうでも良かった。俺は勝負そっちのけで、ユリアを抱き上げると、救護室に駆け込んだのだ。


 しかし、そこにいた聖女は、ふざけたことにユリアを治すのを拒否してくれたのだ。

「何だと!」

 俺は思わず怒りの威圧を聖女相手に行った。

 さすがの聖女も真っ青になって、慌てて、癒し魔術をかけてくれた。

 しかし、骨折を治した程度だった。何なのだ、聖女は?

 俺の前で手抜きをするのか? これは教会の意向なのか?

 俺は完全にぷっつん切れてしまった。

 しかし、今はユリアがいる。これ以上、長引かすのは得策ではない。

 俺は必ず聖女をはじめとする教会連中に思い知らせる事を心に決めたのだ。


 俺はそのままユリアを抱いたまま、表彰式に参加した。俺としてはこんな表彰式はどうでも良かったのだが生徒会長としてサボるわけにはいかなかった。

 俺が途中で試合を放棄したとか言って、文句を顔だけ騎士がつけてきたが、別にこんな勝負はどうでも良いのだ。ユリアが勝っても何の問題もない。

 わが公爵家が上位三名を出したのは変わらないのだから。

 さっさと表彰式を終わらせてユリアを家に連れて帰りたかった。


 結局、俺が一位でユリアが二位エックが三位だった。我が公爵家がベスト3を独占した瞬間だった。

 俺がユリアを抱き締めているのには、陛下も父も呆れていたが、俺としては当然の事だった。この剣術競技での活躍でユリアは急激に男どもに人気が出てきたのだ。器量よしで剣術も出来る可愛いユリアは男達からしたら理想の女性になるだろう。

 そういう男達に、ユリアが誰のものかはっきりと見せつけるために俺が抱き締めて表彰式に出ることが必要だった。

 ユリアに興味を持った男達は唖然としてそれを見ていた。

 俺は周りを牽制したのだ。



 聖女がいい加減にしか治療してくれなかったので、ユリアは手が完全に治っていなかった。

 俺はその事を最大限に利用することにした。

 ユリアが怪我したのは俺のせいだから、俺がユリアを食べさせる事にしたのだ。


 小さいときにユリアをたまに食べさせていたから、問題はないと思ったのだが、ユリアはとても恥ずかしがって嫌がったのだ。

しかし、強引に食べさせ続けると仕方なしに、食べるようになっていた。

ユリアは恥ずかしいのか、真っ赤になっていた。そんなのユリアはとても可愛かった。


でも、ユリアは諦めたのか、最後には

「お兄様のケーキが欲しい」

と自ら言い出して食べさせられていたのだ。

俺は上機嫌だった。


このままユリアを一生涯食べさせてもいいのではないかと望んだのだ。


 

ここまで読んでいただいてありがとうございます。

次はツェツィーリアが登場です。

お楽しみに

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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