表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/230

帝国皇女に兄が食べさせているのを見てショックを受けました

「ちょっと、ユリアーナ! あなた何してくれるのよ! せっかくか私がクラウス様に食べさせようとしたのに!」

 ピンク頭が怒ってきたんだけど、

「……」

 私は口の中に西瓜が詰まっていて言い返せなかった。

 慌ててお姉様に叱責して欲しいと振り返ると、

「……」

 お姉様も何故か赤くなって言い返してくれないんだけど……

本当にクラウスを前にしたらお姉様は役立たずになるんだけど、こんなので未来の王妃様をやっていけるんだろうか?


 私は仕方なしに、クラウスを睨み付けた。


「えっ、いや、ユリアーナ。俺は別にアグネスから食べさせられようとした訳ではないぞ」

 必死にクラウスは言い訳してくれたけれど、

「今でも、食べさせられようとしていましたよね」

 やっと飲み込んだ私は両陛下の前だったので、一応敬語で問い詰めたのだ。


「いや、それはアグネスが無理矢理口に入れようとして」

「まあ、クラウス様。喜んで食べようとなさっていたではありませんか?」

「やっぱり」

 私はアグネスの言葉にじろりとクラウスを睨み付けたんだけど。

 クラウスは青くなっていた。


「まあまあ、皆さん。聖女様の触れられた食事には全て聖魔術が込められていて尊いのです」

 横からホイットニーがしゃしゃり出て来て、訳のわからない説を唱えだしてくれたんだけど、

「何をおっしゃっていらっしゃるんですか、ホイットニー様? アグネスさんの触ったものが全て聖魔術が宿るのならば1年B組の教室はとっくに聖域と化しているはずですよね」

 私はホイットニーに言ってやったのだ。

「せ、聖域ですか」

 ホイットニーが冷や汗を流していた。


「だって聖女様がずっと存在していらっしゃるんですから。それに聖書にはどこにもそのような言葉は載っていませんよ」

 私はホイットニーに反論した。

「そんなことはありませんぞ。この王国の危機に瀕した時に聖女様が現れて世界を浄化したとあります」

 ホイットニーは建国神話を持ち出してくれたが、

「それは聖魔術を発動された時ですよね。普通に生活している時に聖魔術を垂れ流しているとはどこにも書かれていませんよね」

「ちょっとユリアーナ。あなた聖書を端から端まで読んだ訳ないでしょ。大司教代理のホイットニーに勝手な事を言わないで欲しいわ」

 アグネスが怒って言ってきたけれど、

「何言っているのよ。私は聖書は端から端まで読んだわよ。あなた聖女のくせに読んでいないの?」

 私はそう指摘してやったのだ。


「えっ、いや、それは……」

 ピンク頭はしどろもどろになるんだけど、こいつ本当に聖女なんだろうか?

 教会は聖女に聖書すら読ませていないのか?

 私が軽蔑しきった目で見下した時だ。


「ちょっと貴方たち、帝国のお方もいらっしゃるんですから、少し静かになさい」

 ギャー、マイヤー先生が出てきた!

 これ以上はまずい……


「でも、先生、婚約者のいる男性に食べさせするなんて許されないと思います!」

 私がそう主張すると、

「婚約者がいようがいまいが王家のお茶会で食べさせするなんて許される訳はないでしょう。そういう意味ではユリアーナさんもアグネスさんと同罪です」

「えっ!」

 私はそのマイヤー先生の言葉に固まってしまった。

 そういえば食べさせは礼儀作法ではあり得ないことだと私は思い出した。

 これはまたお説教コースか……


「本当に帝国からいらっしゃっている皇女殿下の前で何をしているんですか? 2人とも」

 やばい、マイヤー先生がお説教モードになってきた。

 お父様! なんとかしてよ!

 私は陛下の後ろで頭を抱えているお父様に合図したのに全く無視してくれた。


 教会のホイットニーなんてマイヤー先生が出てきた途端に、何故か瞬時に遠くに逃げて行ってしまって見当たらないんだけど……


「まあまあ、マイヤー、今日は歓迎のお茶会だ。そこまで厳しく言うこともあるまい。ユリアーナもアグネスも反省していることだし」

 陛下が助け船を出してくれた。

 さすが陛下。こういう時はお父様よりも頼りになる。


 その時、私は何気にお兄様の方を見た時だ。


「ツェッツィ、これはうまいぞ」

 お兄様がそう言ってツェツィーリア様の口の中に西瓜をフォークに刺して運んでいたのだ。

「えっ?」

 私は目が点になった。


「先生、皇女殿下もアルトマイアー様に食べさせられていますけれど」

 言わなくてもいいのに、ピンク頭が言ってくれた。


 マイヤー先生もそれを見て唖然として口を開けていた。

 私はマイヤー先生が絶句するところを初めて見た。


 でも、私はそれどころではなかった。

 お兄様が食べさせていた……それも私以外に!


 今まで10年弱お兄様と一緒に生活してきたけれど、お兄様が食べ物を私以外の女に食べさせるのを見たことはなかった。

 初めてだ。

 お兄様が他の女の人に食べさせていたのは……


 私はそれから後のことをよく覚えていなかった。

 唖然として皆が2人を見ていたのをかすかに覚えているくらいで……

 私は何故かとてもショックを受けていた。


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

お兄様とツェツィーリア様の関係はどうなる?

ユリアは?

続きは明日です。

お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作

『モブですらない小さい聖女に転生したので、小説の世界を堪能しようとしたら、何故かヒロインになっていました』https://ncode.syosetu.com/n4848kz/


私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



最新の短編作品はこちら

『婚約破棄されやけ酒飲んでると軽い男が声かけてきたので張り倒したら、何故か執着されました』https://ncode.syosetu.com/n2191kg/

このお話の前の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/

新作

『恋に破れた転生王女はツアコンを目指します』https://ncode.syosetu.com/n7707kp/


この前の作品はこちら

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ