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剣術競技でベスト4に入りました

 それから少し大変だった。

 会場の修復のために、試合が中断するし、ブレンダー先生からは白い目で見られるし、マイヤー先生からは睨まれるし……


 まあ、デザート一年分が無くなって、私の機嫌が悪かった所にブツブツ余計な事を言ったピンク頭とボニファーツとフレッツ先生が全て悪い。


 まあ、ちょっときつめにやり過ぎたかもしれないけれど……


「ウォーーーーー」

「やったー」

「凄い!」

「ユリアーナ様!」

「昼前に終わらないで良かった」

 我がA組からは大歓声がわいていた。



 次の4回戦の相手はフランツお兄様と同じ三年生で、あのマリアに散々迫っていたアダム・ボーケナ伯爵令息だった。

「ふんっ、貴様ユリアーナ、よくここまで残っていたな。くじ運だけでここまで来たのか」

 アダムは私を見て笑ってくれたのだ。

「同じ事をそのまま返してあげるわ」

 同じく私は笑ってやった。

「なんだと、生意気な。俺様は剣のたしなみもあるのだ。貴様みたいに兄に忖度されて残っているんじゃ無いぞ」

 こいつは私とボニファーツの試合も見ていないみたいだ。

「あなたも大好きな聖女のところに一撃で送り込んであげるわ」

「生意気な。貴様を送り込んでも聖女様には治してもらえないかもしれんな」

 アダムは笑ってくれた。

「ああ、もう面倒くさくなってきたから、一瞬で終わらせてあげる」

「ふんっ、それは俺の台詞だ」

 アダムは構えようとした。

 私はその前に真横からなぎ払っていたのだ。

 一撃で。


 ダンッ

「ギャッ」

 アダムは一瞬で境界の外に飛んでいったのだ。




 そのまま私達は皆でお昼を食べに食堂に行った。

 これだけの大人数で食べるのは初めてだった。

 まだ食堂は時間が少し早かったので、中庭に面したテラス席で四十人くらいが座れる場所が空いていた。


 私はそこに座らされて場所取りしていたら、お兄様が運営委員の生徒会の面々と食器を持って歩いてきたのだ。

「おお、ユリア、勝っているみたいだな」

 お兄様が話しかけてきた。

「お兄様、フランツお兄様ったら酷いのよ!」

 私がフランツお兄様の仕打ちの文句を言ったら、

「デザートのために棄権するとは公爵家の者とも思えぬ行いだ。罰として公爵家の邸宅20周だな」

 罰を倍にしてくれたけれど、デザート一年分を譲らせるとは言ってくれなかったのだ。

 代わりにお兄様のデザートを一個置いて、頭を撫でてお兄様は去って行った。


 残念、無念。


 こうなったらエックお兄様からぶんどるしか無い。

 エックお兄様とも最近はたまに勝てるようになったのだ。何しろデザート一年分だ。あのケチなエックお兄様からぶんどれるチャンスなんてこんな時しかない。私はやる気満々になっていたのだ。


 午後からはベスト8、対戦相手は残念なことにエックお兄様では無くてがっかりした。

 六年生の騎士志望のブットゲライト伯爵令息だった。


「ふんっ、アルトマイヤーの妹か。女だてらにここまで来るとは余程くじ運が良かったのだな。でも、ここまでだ」

 男は笑ってくれた。

「棄権するなら今のうちだぞ」

 男は余裕みたいだ。


「いいえ、棄権はしません」

 私は首を振った。

「そうか、女相手にやりたくは無いが、仕方がない。行くぞ」

 男は上段から斬り込んできた。

 私はそれを躱すと横に斬り込んだ。


 鎧の胴の所に当たって、唖然とした男が吹っ飛んでいた。


 普通は気絶するんだけど、男は平然としていた。少し足りなかったみたいだ。


「な、少し油断した」

 男はそう言うと、ぎろりと私を睨み付けるや打ち込んできたのだ。

 思いっきリ。


 まあ、お兄様に比べたら、大したことは無いけれど……


 私はそれを躱しつつ、後ろに下がった。

「くそ! くそ! くそ!」

 男は思いっきり怒濤の打ち込みをしてくるが、私はそのたびに下がったのだ。

「貴様、卑怯な」

 男は叫びつつ、

 後ろの境界線ギリギリまで来た時だ。

「ようし、もう逃げられんぞ」

 男はニタリと笑ってくれた。

 そして、思いっきり斬り込んでくれた。

 私はそれを瞬時に躱すと身体強化を使って加速する。

 男の真横から思いっきり横になぎ払った。


「ギャッ」

 男は叫ぶと境界線上を斜め後ろに飛んで行ったが、落ちたところは境界外になっていた。


「勝者ユリアーナ・ホフマン!」

 審判の声がした。

「「「ウォーーーーー」」」

「さすが、ユリアーナ様!」

「凄いわユリア」

「あのブットゲライトが負けたぞ」

「女だてらに勝ったな」

「フリッツ先生が負けたのも判るか」

 クラスの面々は喜んでくれたが、他の外野はざわめいた。

 まさか女の私が勝つと思っていなかったのだ。


「さすがユリア」

「凄いな」

「ユリアーナ様は最高です」

 私がクラスのみんなの所に帰ると皆にもみくちゃにしないばかりに歓迎された。

「凄いわ、ユリア、一年生でベスト4に残るなんてアルトマイアー様以来みたいよ」

 マリアが教えてくれた。


でも、その後の抽選で最悪の対戦相手になったのだ。

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

対戦表がどうなったのか

続きは今夜です。

お楽しみに!

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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