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クラスメートを半死半生の目に遭わせてくれた隣のクラスの奴を叩きのめすことにしました

「ちょっと、ユリアーナ! 覚えていらっしゃいよ!」

遠くで叫んでいる聖女の声を無視して私はクラスのみんなの所に戻ったのだ。

「さすがユリアーナ様。口うるさい聖女をテントごと黙らせるなど素晴らしいです」

ダミアンが諸手を挙げて歓迎してくれたが、大半の者は私の行いにあっけにとられていた。

「さすがユリアは違うよな。聖女様を聖女様とも思わぬ狼藉でテントの下敷きにさせてしまうんだから」

ボンズが何か言ってくれていたけれど……



幸先良い一年A組だったけれど、そこからが悲惨だった。


ニールもボンズもB組の面々相手にボコボコにされてあっと言う間に

「参った」

と言って負けていた。

「あなたたち、もう少し粘りなさいよね」

私は一人でヒートアップしていた。



「ユリアーナ様。俺は参ったは言いませんから」

ダミアンがそう言うと競技場の中に出ていこうとした。

「それよりも勝ってきなさいよね」

「お任せ下さい」

私の言葉に威勢良くダミアンは頷くと出て行った。


「口は威勢が良いが、何分立っていられるかだな」

相手はなんと、ボニファーツだった。

「ふんっ、何を言うか、貴様こそボコボコにしてやるわ」

剣でボニファーツを指すとダミアンはここまでは威勢が良かった。


「はじめ」

フリッツ先生の声で試合が始まったが、最初にボニファーツの剣を受けたまでは良かったが、ここからボニファーツの怒濤の打ち込みにあっと言う間に端までダミアンは追い詰められていた。

「くっそう」

ダミアンはどさくさに紛れて放った一撃がボニファーツの手に当たっていたのだ。

「痛っ!」

思わずボニファーツは下がっていた。


「よし」

そこからダミアンが打ち込みに行こうとして

「おのれ」

ボニファーツの攻撃が始まったのだ。

二三回は受けられたが、後は受け損なって、胴に喰らって顔面を剣で殴打されて後はボコボコにされていた。

最後に胴に喰らって倒れ込んでいた。


「ふんっ、口ほどにない」

ボニファーツが言って立ち去ろうとした時だ。

「まだまだ」

ダミアンは立ち上がったのだ。


「そうよ、頑張って」

私は叫んでいた。


「ほおおおお、少しはやるのか」

振り返ったボニファーツの目が残忍に光ったんだけど……


そこからは一方的だった。

「ぐっ! うっ! ギャッ!」

ボコボコにダミアンがボニファーツの攻撃を一方的に受けたのだ。

胴に手に顔に……

ダミアンの体はボロボロになった。

でも、ダミアンは何故か立っていたんだけど……

さすがの私も好い加減にまずいと思い出していた。


ボニファーツはニタニタ笑って打ち込んでいた。


さすがにフリッツ先生が止めると思ったのだが、フリッツ先生もニタニタ笑っているだけなんだけど、こいつらなんなのよ。好い加減に止めなさいよ。

今回の剣術競技の勝負はどちらかが参ったと言うか、場外に出るか、意識を失うか、審判の先生が判定をするかだった。

私の場合は相手を場外に叩きだしたんだけど。

実力差を感じて参ったを言わないと、下手したら大怪我を負うことになるのだ。それを防止するために先生がいるんだけど、フリッツは全く止めようとせずに残忍な笑みを浮かべて立っているのだ。


私が水を二人の頭からぶっかけようとした時だ。

「駄目よ」

私の横にいたマリアに止められたのだ。

「何でよ、このままだとダミアンが死んでしまうかもしれないわ」

「マイヤー先生が見ているわ」

「えっ?」

私はぎょっとした。

下手なことをしたらさすがに退場になっていたかもしれない。またお説教部屋行きは確実だった。


「ピーーーー」

マイヤー先生が笛を吹いてくれた。

「フリッツ先生!」

マイヤー先生の怒声でフリッツ先生は慌てて試合を止めていた。


「フリッツ先生、今のはやりすぎでは」

フリッツ先生がマイヤー先生に怒られている横で、私達は慌ててダミアンに駆け寄ったのだ。

なんとダミアンは立ったまま気絶していた。



「すぐに聖女のところに連れて行くわよ」

もう体中ボコボコにされて傷だらけのダミアンをボンズとニールに運ばせて、慌てて直された看護テントに駆け込んだのだ。


「そんな傷くらいで来ないで」

足を腫らしたC組の平民の女の子に聖女が叫んでいるところだった。

その横では擦り傷の見目の良い貴族の令息にヒールをかけているんだけど。


「ちょっとそんなかすり傷どうでも良いから早くダミアンにヒールしなさいよ」

私が聖女に文句を言うと、

「はああああ! 何故私があなたの言うことを聞かないといけないのよ」

ピンク頭が叫んでくれた。

「なんですって!」

私がヒートアップして言い返そうとした時だ。


「マイヤー先生!」

私の後ろでマリアの大きな声がした。

「「えっ!」」

私もピンク頭もぎょっとしたのだ。

「本当に二人とも反応がそっくりだったぞ」

後でボンズに言われ立たんけど……


「ヒール」

嫌そうにピンク頭が慌ててダミアンにヒールをかけてくれた。

でも、本当にいい加減だ。少しはダミアンの傷が消えて顔が見れるようになったけれど、まだ完全に治っていない。

その横で見目の良い貴族の令息に抱きつかんばかりに近づいてどうでも良いヒールをかけているんだけど……


「ちょっとこれだけなの」

私が文句を言うと

「とりあえず命に別状はないでしょ」

ダミアンの顔も見ずにピンク頭は言ってくれたのだ。


まあ、命は別状なくなったみたいだし、ダミアンの顔は今ピンク頭が抱きつきそうな男に比べれば見目は悪かったけれど人を見た目で判断するのは良くないと思う。


「ユリアーナ様。申し訳ありません」

気付いたダミアンが謝って来たんだけど。

「よくやったわ。あなたの仇は私が取ってあげる」

私はクラスメートのダミアンをボコボコにしてくれたボニファーツを叩きのめすことにしたのだ。



ここまで読んで頂いてありがとうございます。

続きは今夜です。

お楽しみに


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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