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競技大会でお兄様に勝ったらデザートを一生涯食わせてやると言われて俄然やる気になりました

昨夜の更新は遅くなりました。

「ユリア! お前は何をしているんだ! フルート子爵家を手助けすることはまかりならんと俺は指示したよな」

 朝食の席に珍しくいるお父様が私に怒ってきた。


「ピーちゃん、これ美味しいね」

「ピー」

 私はお父様は無視してサーモンのマリネの前菜をピーちゃんと堪能していたのだ。

 決して食べ物に気を取られていた訳ではない! まあ、確かに本当に美味しかったけれど、お父様は絶対に許さないのだ。口なんて聞いてやらない。


「おい、ユリア!」

 なおも言い募るお父様を私は一瞬ぎろりと睨むと、

「お兄様。私はお父様から困っている者がいればできる限り助けてやれと言われていたんですけれど、あれって嘘だったんですか?」

「いや、我が公爵家の初代様がおっしゃったことで我が家の家訓だ」

「その家訓を当主自ら破って良いのでしょうか?」

「それはない」

 私の言葉にお兄様は頷いてくれたのだ。


「いや、お前らな。今回は我が母の悲願である王家にリーゼを嫁に出すという障害をできるだけなくしたくてだな。聖女を有している教会とはできる限り争いたくないのだ」

 お父様は明らかに狼狽して言い訳してきた。


「リーゼなら判ってくれるよな」

 お父様は私とお兄様が塩対応なのを見てお姉様を味方にしようとしたのだ。

「まあ、少しは」

 お姉様は控えめに頷いてくれたんだけど。

 まあ、お父様の手前、仕方がないと思うけれど、教会から喧嘩売ってきているんだから買うべきだと私は思う。

 何しろピンク頭はクラウスを見る度に抱きついているんだから。私が後ろにぼっと突っ立っている3馬鹿トリオを脅して、壁にさせて邪魔するようにさせたから、今はだいぶましになったけれど……売られた喧嘩は買わないと敵は調子に乗るだけだと思うんだけど。

「まあ、父上、教会はことあるごとに王太子に聖女を接触させてきていますから、こちらとしても手を考えた方が良いと思いますよ」

「だからこうして苦労しているんだろうが。それをユリアが色々と余計な手出しをしてくれてだな」

 私はそのお父様の言葉にさすがにカチンときた。


 私としてはお姉様を応援しているからクラウスに抱きつく聖女を邪魔しようと色々やって矢面に立っているのに! 

 何よその言い方。

 私が悪いみたいじゃない!


 私はそのまま立ち上ったのだ。


「どうしたんだ、ユリア、まだ食事の途中じゃないか?」

 驚いてフランツお兄様が私に声をかけてきた。

「気分が悪いから帰る」

「ピーーーー」

 私はそう言うと必死に食器を握っているピーちゃんを連れて部屋に帰ったのだ。


「た、大変だ! 高熱で気分が悪いと言いながら食事を完食していたあのユリアが食事を途中で食べなくなるなんて! 大地震の前触れだ」

 遠くでフランツお兄様の叫び声が聞こえたんだけど、

「そんなんじゃないわよ。ねえ、ピーちゃん!」

 私はピーちゃんに同意を求めたが、

「ピーーーーー」

 食事途中で席を立った私にピーちゃんは不満たらたら見たいだった。



 学園の行きの馬車の中でも私はプリプリ怒っていた。

「本当にお父様は信じられない! あのピンク頭を静かに眺めていたら、つけあがるだけじゃな……んぐ」

 私の口の中に料理人が作ってくれたサンドウィッチをお兄様が放りこんでくれた。私はまた、馬車の中でお兄様の膝の上だ。今日は食事の途中で私が立ち上がったので、残りの食事をお兄様が料理人に指示してくれてサンドウィッチにしてくれたのだ。


「まあ、そう言うな。父上も周りからいろいろ言われて苦労しているんだ」

 エックお兄様がしたり顔で言ってくれるけれど、

「そんなこと言っても、私もお姉様とクラウスがくっつくように努力しているわよ」

「そうだな」

 おざなりにエックお兄様が頷いてくれるんだけど。

 お姉様も微妙に反応なのは何なの?


「それよりも、ユリア、今日の競技大会は楽しみだな。決勝で待っているぞ」

 お兄様が話題を変えてくれた。

「競技大会?」

 そういえば今日は競技大会だった。

 最近お姉様とマリアの件で忙しくて考えていなかった。

 競技は色々あるが必ず生徒は一種目には出なくてはいけなくて、私はボニファーツに言った手前、剣術競技に出るしかなくなったのだ。


「お前まで剣術に出るのかよ」

 フランツお兄様が文句を言っていた。

「いいな、エックもフランツもユリアには負けるなよ。戦って負けたら1年分のデザートをユリアにやるんだぞ」

「えっ、本当に!」

 私は俄然やる気になったのだ。


「そんな、兄上それは虐めだよ」

 フランツ兄上が珍しく文句を言っていた。

「何を言っているんだフランツ。虐めでは無いぞ。

「お兄様はどうするのよ? もう一年分のデザートはユリアにあげているじゃ無い」

 お姉様が聞いてきた。


「そうだな、まあ、負ける訳は無いが……俺が負けたらユリアに俺の一生分のデザートをやるぞ」

 お兄様が言ってくれた。

「えっ、本当に!」

 私は喜々とした。私の脳裏にはうずたかく積まれたデザートの山が見えたのだ。


「だから、フランツ、お前も頑張るのだ」

「実力が違いすぎますよ」

「何をたるんだことを言っているんだ!」

 お兄様が私の下で怒り出したんだけど、揺れたらサンドウィッチが食べにくいから止めてほしい!


「もし、途中棄権したら屋敷の中を10周だからな」

 フランツお兄様が黙りこくったんだけど、フランツお兄様はデザート1年分と屋敷の周り10周なら10周を取りそうな気がするんだけど……気のせいだろうか?


 私は取りあえず、フランツお兄様とエックお兄様に勝つことを目標にしようと思ったのだ。


リーゼ「ねえねえ、これって『一生涯デザートに不自由はさせないから俺の嫁になれ?』ってこと」

エック「ユリアは何も考えていないけれど、兄上はそうじゃ無いか」

……

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続きは今夜です。

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― 新着の感想 ―
お兄、さり気なく甘いセリフ入れてくるのに、当事者の妹に、受信アンテナが設置されてないみたい(汗) お兄、受信されるまで頑張れ!
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