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伯爵当主の独り言 傲慢なホフマン公爵に仕返しをすることにしました

 俺は歴史あるボーケナ伯爵家の当主だ。


 国境の地にある伯爵家だが、今まではそれといった産業もなかった。しかし、隣国が宗主国である帝国の属国になったというのもあり最近は隣国との貿易が盛んになり出したのだ。

 領地も潤いだしたが、それ以上に我が家も商会をもっていたが、その商会も潤いだした。

 その勢いを買って、自らの商会を王都に進出させたのだ。

 商会自体は数代前からあったが、ここ10年で隣国との取引から急激に拡大してきた。

 ただ、王都には多くの商会があって、中々伯爵家の力をもってしても食い込むのは大変だ。

 そんな中で、近くのフルート子爵の令嬢が配っている化粧水なるものを家内が持って来たのだ。

「あなた。この化粧水は売れるわよ」

 家内はやり手だった。良い化粧水があると近くの子爵家のご婦人からもらい受けて、早速使ってみたそうだ。今までの化粧水とは比べものにならないほど肌がすべすべになったというのだ。


 俺は早速フルート子爵に会いに行ったが、権利の譲渡を願ったのだが、あっさりと拒否されてしまった。息子との婚約話しも出してみたのだが、それも拒否されてしまったのだ。


 俺は丁度その頃、教会につてが出来て、聖女様と拝謁できたのだ。

 我が家は伯爵家だ。教会としても付き合って損はないはずだ。

 しかし、教会も聖女が出現したとのことで、今はいろんな貴族達が教会と繋がりを持ちたいと望んでいるらしい。更に強力なつてを得るためには、フルート家の化粧水が欲しかった。

 そこで、息子と同じ学園に通い出したその娘と親しくなるようにアダムに言い聞かせたのだ。

 最悪、お前の婚約者とすれば良いと。

 そこまですればフルート子爵も権利を手放すだろう。

 なあに、権利さえ手に入れれば後は娘など捨てれば良いのだ。高位貴族の娘も沢山いるのだ。最近景気の良くなった我が伯爵家の嫁ならば来てには困らないだろう。


「アダム、お前は何をしているのだ。何故、いまだに、フルート子爵の小娘を口説けないのだ」

 俺は息子を叱っていた。


「しかし、父上、マリアンネにはホフマン公爵家のユリアーナが付いているのです」

「ホフマン公爵家の養女だろう。それがどうしたのだ? フルート子爵家の娘に飽きたのなら、今度はホフマン公爵家の娘にしても良いぞ」

 そう、我が家は高位貴族にとっても娘の嫁ぎ先として優良物件なのだ。長女は王太子妃候補としているし、次女はまだ婚約者もいないと聞いていた。別に嫁にもらってやっても問題ない。武の公爵家の嫁が来れば我が家の箔付けにもなろう。

「平民の娘など我が家の格が落ちるとこの前はおっしゃっていらっしゃったではないですか」

 息子が文句を言ってきたが、

「しかし、養女とは言え、公爵家の娘であろう。公爵家に貸しも出来るし、問題はないぞ」

 俺は鷹揚に言い聞かせたのだ。

「しかし、あそこは一番上のアルトマイアーがいますし、その養女を溺愛しておりましたが」

 息子が言い出した。

「あの剣術馬鹿か。いずれは近衞騎士団長を継ぐという話だが、まあ、良いではないか。貴様がフルート子爵の令嬢と婚約するのに、何の問題があるのだ?」

 公爵家には関係のない話だ。フルート子爵は最近斜陽気味で領地経営も難しくなっていると聞いていた。我が家と婚約を結ぶのに何の問題もなかろう。

 我が家の邪魔をしたところで公爵家の次男や三男の嫁にその娘を迎える訳でもあるまい。

 俺には公爵家が邪魔する意味がわからなかった。



「お館様。大変でございます」

 そこに執事が飛んで来た。

「何事だ?」

 俺が聞くと、執事が言うにはフルート家に交渉に行かせた者達とその公爵家のアルトハイマーとが争いになって、我が家の者達が王都騎士団に捕まったというのだ。


 なんと言うことだ。ホフマン公爵家は何をしてくれるのだ。

 さすがの温厚な俺も頭にきてしまった。




 俺は直ちに王都騎士団長のキンメル侯爵に面会を求めたのだ。


 夜分だったが、執事に渡した鼻薬が効いたのかすぐに面会してくれた。


 そこで此度のことを話すと

「なんと言うことだ。ホフマン公爵家のやりようは酷いものがありますな。そちらからの婚約の申し入れを邪魔して、あまつさえ暴力で排除するなど、さすがの脳筋公爵家の嫡男と言えましょう」

 キンメル侯爵は憤ってくれた。

「さすがに公爵家の嫡男を捕まえることは出来ませんが、私の方からも公爵家には抗議しておきます」

 侯爵はそう言ってくれたのだ。


「そもそもそのように強引な公爵家の娘が未来の王妃というのもどうかと思いますな。伯爵もそうお思いになられませんか?」

 侯爵は私に話しかけてきた。侯爵と教会が最近急接近しているという噂は俺も聞いていた。これは教会の聖女を王太子妃に押す仲間になれといっているのだ。


「さようでございますな。確かに問題かも知れませんな」

 我が家としても問題はなかった。ホフマン公爵家と問題を起こした以上他の傘下に入る必要があった。


「その点、教会で聖なる力を発現された聖女様はお人柄も良いと聞いております」

「確かに聖女様の大半は王家の方と婚約していらっしゃいましたな」

 侯爵の言葉に俺は頷いたのだ。


 こうなったらホフマン公爵家には仕返しをせねば気が済まなかった。あの尊大なホフマン公爵に絶対に目にもの見せてくれるわ!

 俺は心に決めたのだ。



ここまで読んで頂いてありがとうございます。

公爵家に対して教会の反撃が始まりました。

どうなる公爵家、ユリアの運命や如何に?

続きは今夜です。

続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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