表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
229/230

閑話 古代竜のピーちゃんの叫び ガキのペットになってしまいました

 俺は初代皇帝と初代聖女に帝国を建国させてやった黄金の古代竜様だ。

 決して元々ピーちゃんやピー助などという軟弱な名前ではないわ!


 俺様が住んでいるこの世界は元々魔物が支配していた。史上最強の力を誇る俺様もその魔物の仲間と言えばそうなるかもしれない。というか、ちっぽけな人間どもも魔物の一種と言おうと思えば言えた。何しろ奴らも魔力が使えるのだから。俺の認識では魔力が使える者が魔物と言えるのだ。


そんな世界で人間共は小さくなって暮らしており、俺様や力の強い魔物が大きな力で世界を支配していた。


 そんな中で魔物の殴打と名乗る魔王などと言う輩がでかい顔をし出した。

 俺から見るとちっぽけな人間と同じだ。史上最強の俺様の前でもでかい顔をするのが気に入らなかった。


 そんな時に俺様の前に助けを求めてきたのが、初代皇帝と聖女だった。

 二人は俺様の前にひれ伏してなんとか魔王を倒すのに協力してほしいと宣ってきた。

 

 まあ、そこまで頼むのならば致し方ない。俺様は2人が魔王を倒すのに協力してやったのだ。


 魔王を退治してやった後、初代皇帝と初代聖女は俺様に泣いてお礼を言っておったわ。

 まあ、後はこの二人の子孫共に任せて置けば良いだろうと俺様は昼寝と決め込んでいた。



 そんなある時だ。

 俺はいきなり誰かに呼ばれたのだ。

 心の準備も何もなかった。本当に信じられなかった。

 気付いたら洞窟の中にいた。


「ギャオーーーーー!」

 俺様を呼び出すなどというキチガイじみたことをした者は誰だ?

 俺様はとても機嫌が悪かった。

 目の前にあった石ころを蹴飛ばしてやったのだ。


「ギャーーーー」

 ドカーーーーン

 悲鳴とともにそれは洞窟の壁に当たって大きな音を立ててくれた。

 よく見るとそれは人間の子供だった。


 だが、俺様の一撃を食らっても生きているなんて信じられなかった。


 まあ、そこは褒めてやろう。しかし、こんなガキが古代竜の頂点に立つ俺様を呼び出したというのが気に食わなかった。俺はそのガキを許すつもりなどなかった。



 でも、俺様は本当に油断していたのだ。


 こんなガキに何が出来る?

 何しろ俺様は史上最強の黄金の古代竜様なのだ。

 それまで我が物顔で地上をのさばっていた魔王ですら一撃で倒したのだ。


 俺様が負ける訳はなかろう。


 寝起きの俺様は機嫌が悪かった。

 俺様がそのガキを食べてしまおうとした。

 その瞬間だ。


「いやあーーーー!」

 そのガキが魔力を放出してくれたのだ。

 その量は凄まじい量だった。


「ギャオーーーーーーーー」

 ドッカーーーーン

 俺はその魔力の渦の中に巻き込まれたのだ。


「わっはっはっはっはっ」

 俺は魔術師のばあさんのしわがれ声を聞いた気がした。

 この声は獣人のばあさんの声だ。

 あの婆、この洞窟に何か仕掛けをしていやがったな!

 俺がそう気付いた時は遅かった。

 俺はあっという間に渦の中に巻き込まれて気を失っていたのだ。



 気付いた時は俺様は古代竜の雛になっていたのだ。

 信じられなかった。雛ってなんだ? 雛って!

 あの婆、変な仕掛けをしてくれおって!


 俺は

「ピーピー」

 としか鳴けなくなってしまった。

 本当にもう最悪だった。


「ピーちゃん!」

 その上、あのガキが俺様を抱きかかえてくれたのだ。

 今まで史上最強の古代竜の俺様をだ。


 俺はむかついたが、何故か、俺様自体がこのガキから離れられなくなってしまったのだ。

 獣人の婆何をしてくれた?


「ピーちゃんは私のペットね!」

 しかし、俺様が確認する間もなく、このガキは宣言してくれたのだ。


 ちょっと待て!

 俺様は黄金の古代竜で、初代皇帝や聖女ですら「黄金竜様」と様付けだったんだぞ!

 何で貴様のようなガキのペットにならないといけないのだ!


 しかし、俺の心とは別に

「ピーちゃん」

「ピー!」

 このガキから呼ばれると何故か返事してしまうのだ。


「ピーちゃん、このデザート美味しいわよ」

「ピー!」

 俺様はデザートと言うものを初めて食したが、本当に美味しかった。

 ケーキなんてほっぺたが落ちるかと驚いたくらいだった。


 そう、俺は完全にこのガキユリアに食べ物で餌付けさせられてしまったのだ。

 まさか史上最強の黄金竜様である俺様がこんな小さなガキのペットに成り下がる日が来るとは……


「ピーちゃん! このアイスとても美味しいよ」

「ピー!」

 俺は今日もユリアのペットとして美味しいアイスで餌付けされていたのだった。

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

新作

『モブですらない小さい聖女に転生したので、小説の世界を堪能しようとしたら、何故かヒロインになっていました』

https://ncode.syosetu.com/n4848kz/

絶賛更新中です。

この下15センチにリンクもあります。

よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作

『モブですらない小さい聖女に転生したので、小説の世界を堪能しようとしたら、何故かヒロインになっていました』https://ncode.syosetu.com/n4848kz/


私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



最新の短編作品はこちら

『婚約破棄されやけ酒飲んでると軽い男が声かけてきたので張り倒したら、何故か執着されました』https://ncode.syosetu.com/n2191kg/

このお話の前の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/

新作

『恋に破れた転生王女はツアコンを目指します』https://ncode.syosetu.com/n7707kp/


この前の作品はこちら

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ