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皇帝にさせられてしまいました

 魔王は最後はピンク頭の怨念が乗り移ったようで、完全に浄化されてしまった。


 ピンク頭は崩れ去って積もった灰を

「くそ、くそ、くそ、くそ」

 怒りが収まらないみたいで足で踏みまくっていた。


 何でも、魔王が憑依していた皇帝がピンク頭に剣を刺して地面に縫い付けていたとか……

 それはピンク頭も怒るわと私は同情したが、剣に縫い付けられて生きていられたのが凄いと他の皆には敬遠されていた。まあ、確かに、剣を突き刺されたら、普通の人間は生きていけないし、ピンク頭は執念深いから生きられたんだろうか?


「真の聖女は殺されても自己治癒能力で死なないのよ」

 当たり前のようにピンク頭は言ってくれたけれど、それって化け物なんじゃないだろうか?

「化け物って魔王にあそこまでされて生きていたあなたに言われたくないわよ!」

 失礼な! 私は少し体が丈夫なだけよ!



 帝国の皇帝に忠誠を誓っていた大半の騎士は魔王復活のための生け贄として殺された。

 生き残った一部は完全に降伏した。

 というか、皇帝が魔王に憑依されていたと知って唖然としていた。



 そして、私はお兄様と一緒に馬に乗って帝都に向かったのだった。

 ピーちゃんはいつの間にか元の姿にもっどてピーピー鳴いていた。

 当然今も私の腕の中にいた。

 なんか馬の上でもお兄様とよく喧嘩していた。


 私達の軍勢は最初は三万人だったのが、帝都に近づくにつれてどんどん大きくなってきて10万人の大軍になっていた。




 そして、帝都の手前の建国の丘でお父様の軍の10万人と合流した。

 ここは初代皇帝陛下が帝国建国を宣言して皇帝に就いた場所だといわれている。

 丘の頂上にその記念碑が建っていた。

 今そこで私は皆に出迎えられていた。 



「ユリアーナ様」

 私は久々に会ったお父様に抱きつきたかったのに、お父様は私に合うなりいきなり跪いてくれたのだ。

 その後ろにはエックお兄様やメンデルスゾーン辺境伯やハンブルク王国の国王陛下までいるんだけど……

 いや、ちょっと待って、何この仰々しいお迎えは……


「こたびの魔王に憑依されていた逆臣ヴィクトールの征伐、ご成功おめでとうございます」

「「「おめでとうございます!」」」

 お父様の背後の10万人も唱和してくれた。

 ちょっと勘弁してほしい。私は何も聞いていないんですけど……

 私は後を振り向いたら私の後にいたはずの10万人も跪いているんだけど……

 立っているのは私の後に立って私を守ってくれているお兄様だけだった。


「逆臣ヴィクトールが簒奪していた帝位をユリアーナ様は奪還されました」

 メンデルスゾーン辺境伯が何か言い出してくれた。

「是非ともその至尊の地位におつき頂きますようお願い申し上げます」

「えっ?」

 ハンブルク国王陛下が何か言ってくれているんだけど……


 私はお父様とお母様の仇は討ちたかったけれど皇帝位なんて就きたいわけではなかった。

 そんなこと考えてもいなかったのだ。


「いや、そんなのは無理ですし」

 私は慌てて首を振った。

 皇帝になるなんて空恐ろしいことはできなかったしそんなのは想像したことも無かったのだ。

 今回の行軍も皇帝一派を一掃すると聞いていただけで、私が継ぐなんて考えてもいなかったのだ。後はどこかにいる皇位継承者に譲ると思っていたのに……


「そうはおっしゃってもユリアーナ様が適任なのです」

 ハンブルク国王が言いだしてくれた。

「いや、皇帝の息子達がいますよね」

「ヴィクトールが反逆者ですからね。その子供達も当然反逆者になります」

 辺境伯が否定してくれた。

 えっ、そうなの? まあ、あの子らも生意気なだけで適任では無かったような気もするけれど……

 でも、そんなこと言いだしたら誰がいるんだろう?


「前々皇帝陛下のお血筋で残っておられるのはユリアーナ様だけになります」

 平然とエックお兄様が教えてくれた。

「えっ、ということは」

「はい。皇位継承順位第一位はユリアーナ様になります」

「そんな」

 私は呆然とした。


「お兄様!」

 私は困ったときのお兄様頼りでお兄様を見たが、

「諦めろ。こうなったときの事は元々エックが想定して全て対策は取っている」

 エックお兄様を見ると手には古そうな王冠を持っているんだけど……

 元々想定ししてそれ持ってきたってこと?

 そんな、私が皇帝なんてやれる気がしないんだすけど……


「気にするな。後のことは俺たちがきちんとフォローするから」

 お兄様は言ってくれるけれど……

 いや、それはエックお兄様が優秀なのは知っているけれど……私が皇帝をやるのは別だ。

 でも、私が逃げだそうと考えたときには頭の上に金色に光る王冠が乗せられていたのだ。

 私が気付いたときには皇帝位につけられていた。

 ええええ!

 ちょっと待ってよ! 皇帝なんて無理!

 でも、私の心の叫びは無視されたのだ。


「皇帝陛下万歳!」

 お父様の大音声が丘の上で響いた。

「「「皇帝陛下万歳!」」」

「「「万歳!」」」

「「「万歳!」」」

 兵士達の万歳三唱の声がいつまでも丘中に響き渡ったのだった。



 おしまい


ここまで読んで頂いて有難うございます。

最後は皇帝に祭り上げられたユリアでした。

ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


この話の後は閑話を上げています

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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