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皆で協力して魔王を倒しました

 巨体な魔王は復活できてご満悦みたいだった。


 復活した魔王は、今までの憑依の状態ではそこまで感じなかったが、周りに対する威圧感が凄かった。ここにいても私でさえ恐ろしさを感じるほどだ。これだけ存在感が上がるとその力はどれほど強くなったんだろう? 考えたくもなかった。

 このまま戦わずに済むのならそうしたかった。でもそういう訳にもいかない。 


 魔王はぎろりと周りを睥睨してくれた。



「ギャオーーーーー!」

 でも、それがピーちゃんの癇に障ったみたいだ。


 ピーちゃんは魔王を睨み付けた。


「何じゃ、貴様その視線は。爬虫類風情がこの魔王様に喧嘩を売るのか?」

 魔王は不機嫌そうにピーちゃんを睨み返してくれた。


「ギャオーーーー」

 ピーちゃんは羽を広げて魔王を威嚇した。

 そう、大きさならピーちゃんも負けていなかった。

 絶対にピーちゃんの方がデカイ。

 威圧感でも!

 公爵家の試練の間の時よりも威圧感はあった。

 金色に輝くその姿は周りを照らしていた。

 神々しいくらいに!

 黄金竜は神の使いだという言い伝えもあった。

 魔王にも勝てるかもしれない。

 これならいける!


「ピーちゃん、頑張って」

 私はピーちゃんにエールを送った。

「ギャオーーーー!」

 ピーちゃんは私のエールに応えてくれた。

 そして、魔王を再度睨み付ける。


 ピーちゃんは鳴き叫ぶと一気に魔王に襲いかかった。


 嘴で突こうとして、

「ふんっ、洒落臭い」

 バシン

「ギャオーー」

 なんと魔王はそのピーちゃんの顔を殴り倒してくれたのだ。


 ドカーーーーン!

 山肌にピーちゃんが叩きつけられていた。


 古代竜を叩きつけるなんて、本体を取り返した魔王は更に強くなっていた。

 これはまずいかもしれない。

 私は唖然とした。


 でも、倒すしかない。


 その時だ。お兄様が金の剣を掴んだ。


「おのれ魔王、良くも俺の体を乗っ取ってくれたな」

 お兄様が立ち上って剣を抜いた。

 ピンク頭のヒールで傷は完全に治っていた。

 見た目は完璧で最強のお兄様だった。金の剣も持っているしお兄様なら勝てるかもしれない。


「ふんっ、単細胞な貴様は簡単に闇堕ちしてくれて、乗っ取るのはとても楽だったぞ」

 魔王は笑ってくれた。

「あと少しで貴様の妹をその手で殺させてやったのにな。とても惜しかったな」

「おのれ、許さん!」

 お兄様は怒り狂うとあっという間に加速して魔王に斬りかかった。

 私の目にも追い切れないほどの凄まじいスピードだった。


 バシーーーーン!

 しかし、魔王はそんなお兄様を右手で一撃の下、地面に叩きつけていたのだ。


 ここまで強かったか?

 私は唖然とした。


「残りは小娘だけか?」

 魔王は残った私を見下してくれた。


 ここはこちらから攻撃するしかない!


「喰らえ!」

 私はありったけの力を金の杖に込めると雷撃した。


「ふんっ」

 しかし魔王は余裕で片手で弾いてくれた。


 駄目だ。これでは全然勝てない。

 私が絶望に襲われた時だ。


「次はこちらからいくぞ! 死ね!」

 魔王が手を私の方につきだしてくれた。


 魔王の手から真っ黒なおどろおどろしい奔流が私に向かってきた。


 私は間一髪それを避けた。


 ドカーーーーーン!

 しかし、凄まじい爆発が起こって私はその爆発に飲み込まれて吹っ飛ばされてしまった。

 もう、地面に激突する?


 私が目をつぶった時だ。

 私はお兄様に抱き留められていたのだ。


「大丈夫か?」

「うん」

 私はお兄様に頷いた。

 さすが私のお兄様だ。お兄様が戻ってきて私は嬉しかった。



「はっはっはっは! その方等は弱いの!」

 でも、そんな私達を見て魔王が馬鹿にしてくれた。


「ギャオーーーー!」

 ピーちゃんが襲いかかるが、また一撃で張り倒されていた。


「おのれ!」

 お兄様が突っかかるがこれも魔王が右手一閃で地面に叩きつけてくれた。


 私の渾身の雷撃はまた防がれてしまった。


 そのまま反撃されて地面に叩きつけられる。


 これでは全然勝ち目がなかった。


「何をしているのだ。バラバラに攻撃して、その方等は馬鹿か! やるなら何故一斉に攻撃せん!」

 私達の前に立った長が注意してくれた。

 確かにそうかもしれない。



「裏切り者のヘルカか」

 魔王は長を睨み付けた。


「貴様等が幾ら力を合わせても俺様には勝てんよ」

 魔王は余裕の表情で答えてくれた。


「そんな物はやってミンと判らぬ」

 長はそう言うと

「束縛」

 杖から光が発して障壁が魔王の周りに出来る。


「ふん、このような物」

 魔王がバリンとその障壁を割ってくれた。


「今じゃ!」

 私達は長の声に一斉に魔王に飛びかかった。


「ギャオーーーー」

「死ね!」

「喰らえ!」

 魔王が障壁を張るが、それを三方向から突っ込む。

 ピーちゃんは嘴を、お兄様は剣を私は杖を突き刺したのだ。


 パリン!

 魔王の障壁が割れた。

「な、何を!」

 魔王が慌てた。


 そこに私達3人が飛び込んだ。


「ギャーーーーー」

 ピーちゃんは嘴を魔王の胸に突き刺し、お兄様は背中に黄金の剣を突き刺し、私も金の杖を脇腹に突き刺したのだ。


「おのれ!」

 魔王は暗黒の攻撃を目の前のピーちゃんに浴びせていた。


 ピーちゃんが弾き飛ばされた。


ドシーーーーン

 地面に叩きつけられる。


「おのれ、貴様等」

 魔王が体を振り回して残った私達を振り払おうとした。

 私は振り飛ばされないように必死に杖を魔王に差し込んでいた。


「魔王、よくも私にやってくれたわね」

 そんな私達の前に銀の杖を持ったピンク頭が現れた。

 魔王にどんな目に合わされたか知らないが、その目は怒り狂っていた。

「地獄に帰れ!」

 そして、ピーちゃんの開けた穴目がけて銀の杖を投げつけたのだ。

 銀の杖はドラキュラに対しての銀の杭のように魔王の心臓に突き刺さっていた。


「ギャーーーーーーーーー」

 魔王の断末魔の声が響いた。


 銀の杖が光ると魔王はそこから崩れるように粉塵とかして瓦解したのだった。


ここまで読んで頂いてありリがとうございます

ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


間もなく完結です。

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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