襲ってきた赤い悪魔と対戦して両親の仇を取りました
「敵二個師団接近中」
伝令が伝えてくる。
「なんか今度のは違うぞ」
お兄様が教えてくれた。私も敵がなみなみならない魔力を持っているのを感じた。それも二つだ。
「了解!」
私は頷くと魔力を杖に込めた。
「行っけーーーーー」
私が雷撃を浴びせた。
しかし、敵は障壁ではじいたみたいだ。
隣の敵にお兄様が斬撃するがこの敵も障壁ではじいた。
今回の敵は強力な魔力の使い手がいるみたいだ。
私は俄然、やる気になった。
「喰らえ!」
雷撃を雨嵐のごとく降り注がせた。
しかし、敵はそれを悉くはじいてくれた。
こうでなくては!
「敵、川を渡ってきます」
「総員、戦闘用意」
ハンスが剣を掲げてくれた。
私の前面にはホフマンの2500が整列してくれた。
敵は騎兵が1000を戦闘に歩兵9000がその後に続いた。
敵の中央部から衝撃波が中央のハンスに向かう。
私は金の杖を掲げてそれを防いだ。
戦いはここからだ。
でも、その瞬間、私はその集団の中央から飛び出して駆けてくる騎乗の男を見た。
その男は赤い髪をたなびかせて駆けてきたのだ。
「ユリア、逃げて!」
私はその瞬間母の叫び声を聞いた気がした。
私の両親を殺した赤い悪魔だ。
この前は何も知らなかったから逃がしたけれど今回は絶対に許さない。
「ユリアーナ!」
男は叫びながら急激に迫ってきた。
私の前にいた前衛を踏み倒して、急速に接近してきた。
そして、上段から剣を振り下ろしてくれた。
私が金の杖でその剣をはじく。
ガキン!
私の腕に衝撃が来た。
ピカッ
次の瞬間、私のお守りがはじけて雷撃が赤い悪魔に襲いかかる。
「おっと」
しかし、赤い悪魔が障壁で受けてくれた。
雷撃をもろに受けた金色の魔女とは違うみたいだ。
四天王のうちでも2強の赤い悪魔は違うみたいだ。
少し横を見るとお兄様は黒い死に神と戦っていた。
少し下がると赤い悪魔が馬から飛び降りて私目がけて駆けてきた。
私はその剣を杖で受けた。
ガキン!
「ほう、少しは強くなったのか?」
赤い悪魔は笑ってくれた。
「良くもあの時はお兄様を切り裂いてくれたわね。きょうは絶対に許さない」
私が言うと、
「ほう、言うようになったな。あの時は泣いていただけなのに」
赤い悪魔は離れると爆裂魔術を私に放ってくれた。
私はそれをミラーで弾く。
それは赤い悪魔に反射したが、赤い悪魔も障壁で防いでいた。
「可愛い顔をして中々やるな。そんなお前もこれまでだ」
赤い悪魔が目を爛々と輝かせてきた。
黒い目が赤い光を発した。
「喰らえ!」
何か来る!
私が構えた時だ。
上段から凄まじい一撃が来た。
ガキン!
私は杖で受けたが、受けきれずにその衝撃で吹っ飛ばれていた。
ドカーーーーン!
私は壁に体を打ち付けていた。
凄まじい衝撃が鎧を着た私にも襲いかかってきた。
頭を振ってなんとか立ち上がる。
「ユリア! 頑張れ!」
お兄様が叫んでくれた。
「お兄様!」
「ふんっ、他人のことよりも自分のことを気をつけろ!」
次の瞬間、私は赤い悪魔の横殴りの剣を杖で受けた。
しかし、受けきれない!
ドカーーーーン
再度壁にめり込んだ。
体に凄まじい衝撃が再度襲いかかる。
気を失いそうになるのを必死に耐えた。
その横にお兄様もめり込んでいた。
「お兄様!」
「ユリア!」
私達はアイコンタクトをした。
元々苦戦するのは判っていたことだ。
でも、ここまでは前哨戦だ。
お兄様が金の剣を差し出した。
私は金の杖をそれに触れさせた。
その瞬間、金の剣と金の杖が光る。
私達の体も光ったのだ。
長曰く、相乗効果があるそうだ。
「何をしているのか判らんが」
「そんなことをしても無駄だ」
黒い死に神と赤い悪魔が笑ってくれた。
笑っていられるのは今のうちよ。
「良い様だな。貴様の両親を殺した時もこんな感じだったぞ」
赤い悪魔が言い出したくれた。
「よくも私のお父様とお母様を殺してくれたわね」
私が睨み付けると、
「お前の父も母も弱かったぞ。お前の父は一撃で斬り倒してやったし、お前の母なんかは頼むから娘だけは助けてくれと泣きながら頼んできたがな、俺はその顔を踏みつけてやったのだ」
赤い悪魔が笑ってくれた。
「ここでお前ら一人ずつ切り刻んでやろうか?」
黒い死神が1歩前に出てきた。
「お前の両親みたいに命乞いをしてみるか」
赤い悪魔がヘラヘラ笑ってくれた。
こいつだけは絶対に許さない。
ピキッ
私は完全にぷっつん切れた!
「よくも、両親を! 絶対に許さない」
私は杖を持つと渾身の力を込めて赤い悪魔に飛びかかっていったのだ。
「ウオーーーーー」
「ふんっ、いくらやっても無駄……なっ……ギャーーーーー」
その瞬間だ。
怒り狂った私の金の杖から今までの何倍もの雷撃が飛び出したのだ。
私はリミッターを完全に外していた。
後先考えずに、雷撃が赤い悪魔に襲いかかった。
最初は弾いていた雷撃だが、次第に赤い悪魔を直撃して、最後は今までの何倍もの強力な雷撃が何回も直撃した。
「ギャーーーーーー」
赤い悪魔は悲鳴を上げて転がるが私は許す気は無かった。
私のお母様とお父様の敵だ。容赦する気は全くなかった。
私が気付いた時には赤い悪魔は黒焦げで転がっていた。
その横にはお兄様の連続攻撃で切り刻まれた黒い死神が転がっていたのだった。
仇を討ったユリアでした。
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残されたのは皇帝です。
皇帝退治を目論むもその前に現れたのが……
明朝更新予定です








