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公爵家次男視点 反撃開始 煩い金髪女に言いたいことだけ言わせて、柄にもなく仇討ちしてしまいました

「あなた、エックハルトっていうんだ、格好良い名前ね」

 俺の頭の中に可愛い女の子の映像が浮かんだ。


 なんだこれは?

 馬鹿女の記憶か?

 違う俺の記憶だ。


 この子は確かアルベルタだ。そうだ。遙か昔王宮で両親に連れて行って行かれた時に会った女の子だ。

 俺はいつも目立ちすぎる兄上に隠れていたから俺自身が褒められたのって初めてだったんだ。

 確か隣国の皇女様だって聞いていた。


「ぎゃはははは」

 今度は場面が変わった。

 どこかの宮殿みたいだった。


 頭の中に金髪の馬鹿女の笑い声が聞こえた。

 これが馬鹿女の記憶か?

「お、お母様。どうしたの?」

 恐怖に震えるアルベルタが映った。

「あなたが、あなたがいるからお父様は死んでしまったのよ」

 その女の子に母と思われる女性がナイフを振り上げるのが見えた。

「キャーー……」

 女の子が悲鳴を上げて、ナイフを突き立てられていた。

 その瞬間女は正気に戻った。

「あ、アルベルタ! アルベルタ!」

 女は慌てて少女を抱きしめたが少女はもう息をしていなかった。


「どう? 自分が愛する者を殺した気分は」

 馬鹿女は笑っていた。

「いやあああああ」

 女の人は半狂乱になっていた。

「ぎゃははははは、本当に馬鹿よね。私の暗示にかかってしまうなんて」

 馬鹿女は笑っていた。

「おのれ!」

 女の人が決死の顔をしてナイフを掴んで馬鹿女に斬りかかった。

「愚かな女よね」

 その剣を避けると女は指を鳴らした。

「ギャッ!」

 しかし、次の瞬間だ。

 女の人はグサッと自分に短剣を突きつけていたのだ。


「ぎゃはははは!」

 女は気に障る甲高い声で高笑いした。

「皇家の血を継いでいるっていうからどれだけのものかと期待したのに、全然じゃない。がっかりよ」

 馬鹿女はそう言うと倒れ込んだ女の人を蹴り飛ばしていた……





「ぎゃはははは! 私から逃げられると思ったの?」

 金色の魔女は馬鹿笑いしてくれた。

 俺ははっと気付いた。


「こんな大勢でそれも街道を全力で走るなんて攻撃してくれって言っているようなものじゃない?

 本当に馬鹿よね。侍女達も可愛そうに全員爆発に巻き込まれて死んじゃったじゃないの? まあ生き残っても娼館に叩き売れって言う皇帝陛下のお言葉だけどね。

 本当に辺境の田舎者の貴族、ホフマンの者は馬鹿よね。

 獣人の奴隷を見つけてそれを助けたユリアーナも馬鹿よ。

 ほっておけば良かったのに……

 獣人奴隷を助けるってことは皇帝陛下に逆らうってことなのよ。

 結局反逆になってしまったわ。


 せっかくここまで皇帝陛下が見逃してくれていたのに、馬鹿よね。

 静かにしていたら逃げられたかもしれないのに。


 今は隠れているみたいだけれど、まあ、じきに捕まるわよ。陛下に逆らったんだから」

 馬鹿女は気に障る甲高い声で叫んでくれていた。


 まだ、ユリアーナ達は皇帝たちには捕まっていないみたいだ。

 なんとか獣人の老婆に出会ったんだろう。

 もう少しこの女からいろいろ聞きたかったが、俺も我慢の限界に近づいていた。

 下品な声はこの辺で良いだろう

「黙れ、馬鹿女」

俺は呟いた。


「えっ、何か言いたいの?」

 馬鹿女は聞こえなかったみたいだ。

 まあ、聞こえても等伝も困るが……

 俺に少し近寄ってきた。もう少し近くに来させないと。

 俺は適当に口パクした。


「なんなのよ?」

 更に金色の魔女が俺に迫ってきた。

「馬鹿め」

 俺は馬鹿女を見上げてその通りのことをぼそりと言ってやったのだ。

「な、何です……グゥォッ」

 馬鹿女が怒りの形相になった瞬間、俺はその胸に摩封じの剣を突き立ててやったのだ。

「ギャーーーー!」

 金色の魔女が胸を押さえて叫んでいた。


「き、貴様、金色の魔女様に何をした」

 横の騎士達が叫ぶが


「グゥォッ」

 その騎士に弓矢が突き刺さったのだ。

「な、何だ」

「ウォーーーーー」

 周りに潜んでいた騎士達が一斉に立ち上がったのだ。

「ふんっ、戦慣れしていないのは貴様等であろうが」

 俺は呆れて言うと手に剣を握って一閃した。


「ギャーーーー」

 騎士達が胸から切り裂かれて倒れていく。


 馬車から飛び出した騎士達によって帝国の騎士が次々に倒されていく。


 我がホフマン家は基本的に武の一族だ。侍女や侍従も護身術には長けていたし、そもそも今回の帝国の館の勤務はほとんど全員が騎士だった。

 最近ほとんど戦闘を経験していない帝国の騎士など、我が家の兄の死の特訓に付き合わされている従業員達に勝てるわけは無いのだ。


「お兄様。金色の魔女は生きたまま捕まえるんじゃ無かったの?」

倒れている馬鹿女を見て、リーゼが文句を言って来た。

「くずは生かしておく価値も無い」

俺は馬鹿女がしていたように、馬鹿女を蹴り倒していた。

皇太子一家を虐殺した馬鹿女を許すことは俺にはできなかったのだ。

「本当にもう、自分勝手なんだから。お兄様にしてもユリアにしてもそうだけど、エックお兄様までそうだなんて!」

「いや、待て、リーゼ、彼の二人と俺を一緒にするな!」

いくら何でもそれは酷すぎるだろう!


「どうするのよの? 金髪の魔女は処分したからフランツお兄様を助けに戻るの?」

「いや、あいつにはピーちゃんをつけているからな。なんとかなるだろう」

俺は心配はしていなかった。

「本当に? ピーちゃんが役に立つなんて思えないけれど」

疑い深そうにリーゼは俺を見てきたが、俺は無視した。


「よし、騎士達を全員処分しろ。終わり次第、国境に向かって父上等と合流する」

 俺は配下の騎士達に命じていた。

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

ここか乱撃開始です。

ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

次は危機に陥ったフランツの続きです。

今夜更新予定。

お楽しみに

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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