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金色の魔女が私に精神攻撃を仕掛けてきたらお兄様のお守りが発動して黒焦げにしてしまいました

「では皆さん。グレーテル先生の事をよくきいてきちんと教えて頂くのですよ」

マイヤー先生は全員を見渡すと特に私に目をとめて注意してくれた。

「では、グレーテル先生、よろしくお願いします」

マイヤー先生はそう頼むと教室を出て行った。

私が珍しく心の中で待ってほしいとマイヤー先生にお願いしたのに!

「お任せ下さい」

グレーテル先生は胸に手をやると私達の方をにこやかに微笑んでくれた。

笑顔は絶対に嘘だ!

表情筋が死んでいるし……

私を見る目が怖い!


しかし、私はいきなり教師として現れた帝国四天王の一人、金色の魔女の対策をする暇もなかった。


「では皆さん、授業を始めましょうか」

いきなりグレーテルは宣言してくれた。

「えっ、先生、着替えて訓練室でやるのではないのですか?」

コローナが聞いてくれた。

そうだ、そうやって少しでも時間を稼がないと……


「大丈夫です。私の魔術はあなた方を火の玉や爆裂魔術のように直接攻撃したりはしません」

グレーテルはそう言うと、皆を見回した。

「私の魔術はあなた方の心に直接働きかけるのです」

そう言うとグレーテルは不気味な笑みを浮かべてくれた。

その笑顔を見て皆ぎくりとした。


「例えばそうね。そこのあなた」

グレーテルはエアハルトを指さした。

「俺ですか?」

エアハルトは自分を指さして心底不本意そうな顔をしていた。

「そう前に来て」

先生に指示されてエアハルトは出てきた。


「はい!」

グレーテルがエアハルトに手をかざした瞬間だ。


「「「えっ?」」」

私達は目を見張った!

いきなりエアハルトが四つん這いになったのだ。

「わんわん!」

そして、吠えだした。


全員唖然としてそれを見ていた。


「お手!」

「わん!」

エアハルトはそう言うとグレーテルに右手を差し出したのだ。


「はい!」

もう一度グレゴールが手をエアハルトにかざすと、四つん這いになっていたエアハルトがきょとんとしていた。


「はい、あなた、戻っていいわよ」

「は、はい?」

なんとも言えない感じでエアハルトは戻って行った。自分が何をしていたかよく理解していないみたいだった。


「これが精神干渉です」

私達は信じられないものを見せられた。

こうしてお兄様はグレーテルに繰られていたのか?

こんなのに対抗する手段があるの?

見た通り全くエアハルトは抵抗出来ていなかった。というか、犬にされた記憶も無いみたいだった。


「じゃあ、次はそこのあなた」

「えっ、俺ですか? 俺は犬にはなりたくはありません」

必死にフィリベルトが抵抗するが、

「大丈夫よ。犬にはしないから」

「本当ですか?」

及び腰でフィリベルトが出てくると、

「はい!」

グレーテルはニタリと笑ってくれたのだ。

「ギャオーーーーー」

いきなりフィリベルトは雄叫びを上げてくれた。

そして、両手で胸を叩く。

どうやらゴリラみたいだった。

そして、前のエアハルトに対抗しているみたいだった。

「な、何をしているんだ?」

先程の自分の姿を見ていなかったエアハルトは目を見開いて、フィリベルトを見つめていた。

「はい!」

グレーテルが手をかざすとそこで固まったフィリベルトとエアハルトが睨み合う形になっていたのだ。

「「えっ?」」

二人は驚いてお互いをみていた。


「精神干渉出来る魔術師にかかるとこんな事は簡単にできるのよ」

笑ってグレーテルは皆を見渡した。


「次にそこのあなた」

グレーテルはコローナを指さしたのだ。

「そんな、先生。私まだ、婚約者もいないんです。ゴリラとか犬とかにならされたら、婚約も出来ないではないですか」

「大丈夫よ。あなたには動物はさせないから」

グレーテルは笑って言ってくれるが、判ったものではなかった。

「でも、先生」

「良いからいらっしゃい」

半泣き状態のコローナは強引に前に連れてこられた。

「あなた。ハンブルクからの留学生のユリアーナさんをどう思っているの?」

グレーテルはいきなり私について聞いてきた。

「どうって、ユリアーナ様は帝国でも侯爵家の方で親切な面倒見の良い方です」

「えっ」

私はもっとめちゃくちゃに言われると思っていたので、コローナの私に対する思いに驚いた。

「へえ、口ではなんとでも言えるわね。では本心を見せてあげるわ」

そう言うとグレーテルはコローナに手をかざした。


その途端だ。コローナは目を怒らせて私に向かって叫び出した。


「ちょっと、そこのユリアーナ、いい加減にしなさいよ! 辺境の属国の令嬢風情が偉そうな顔をしているんじゃないわよ。本来帝国貴族の私の方が偉いのよ。何故偉い私があんたなんかに頭を下げないといけないのよ。本当にちょっと顔がいいからって実の兄といちゃいちゃしているんじゃないわよ」

コローナは私に対して啖呵を切ってくれた。


「これがあなたの本心よ。建前と本音は違うという事ね」

グレーテルは笑ってくれた。

「えっ、私、どうしたの?」

「ユリアーナ様の事をめちゃくちゃ貶していたわ」

となやりの女の子に指摘されてコローナは真っ青になっていた。

「ユリアーナ様。嘘です。私の本心じゃありません。先生に無理矢理言わされたんです」

コローナは必死に言い訳してくれた。

「何言っているのよ。私は少しあなたの心を煽ったかもしれないけれど、あなたの言葉はあなたの本心そのままのはずよ」

グレーテルは面白そうに説明してくれた。

最低な先生だった。

生徒達をいがみ合わせたいらしい。


「そんな、そんなことありませんわ!」

コローナは今にも泣きそうだ。

「コローナさん。そんなに気にしなくても良いわ。誰でも人間心に闇はあるのよ。私もあなたの胸にはコンプレックスがあるしお互い様よ」

私はコローナにそう優しく言うとグレーテルを睨み付けたのだ。


「先生。今のはあまりにも酷いのではありませんか? 人間誰しも心にやましいものは持っているはずです。それをさらけ出させるなど教師として最低です」

私はグレーテルを睨み付けた。


「ふんっ、ユリアーナ。あなた何を良い子ちゃんぶっているのよ。あなたの心の中はもっと醜いわよ。今ここでさらけ出してあげるわ」

グレーテルはニタリと笑ってくれた。


やばい!

やり過ぎた。

私は青くなった。


単細胞な私がグレーテルに抵抗できる訳はなかった。


「本心をさらけ出しなさい」

グレーテルが私に手をかざしてくれた。

おどろおどろしいものが私に迫ってくる。

やばい!

私はしゃがもうとした。


その瞬間だ。


ピカ!


ドカーン!


私のお守りが光って雷撃がグレーティアを直撃したのだ。


「ギャーーーーー」

グレーテルの悲鳴が学内に響いた。


グレーテルは真っ黒焦げになってピクピク震えていたのだった。










ここまで読んで頂いてありがとうございます。

お兄様のお守りが発動しました。


でも、四天王を黒焦げにしたユリアーナは許されるのか?

続きは明日です。

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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