表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
180/230

金色の魔女視点 想い人にキスされた単細胞男の歓喜の爆発で私の精神はズタズタに引き裂かれてしまいました

 私は金色の魔女、グレーテル・ロンバート伯爵よ。


 私は元々平民で、それも孤児だった。

 孤児院は弱肉強食の世界で、体力の無い私は食べ物もなかなか食べられなかった。

 いつも力の強い男の子達に取られていたわ。


 その日も男の子が私のパンを取ろうとして手を伸ばしてきたの。

 私は抵抗したわ。


「いやあああああ!」

 と叫んでいたのよ。


 その瞬間だった。

 何かカチリと私の中で音がした。

 そして、男の子は吹っ飛んでいたのだ。

 壁に叩きつけられた男の子はピクリとも動かなかった。


「「「キャーーーー」」」

 周りは阿鼻叫喚の光景になったわ。

 私はその後すぐに魔塔に引き取られたのよ。



 そこで私は魔術の訓練を受けることになったの。

 私の得意な魔術は精神干渉魔術だったの。

 人の精神に干渉して人を繰るのよ。

 単純な人間ほど面白いほど繰れたわ。

 私は人を繰るのに熱中したわ。


 そんな私に目をつけてくれたのが、ヴィクトールだった。

 彼は私の為に色々尽力してくれた。

 私はそのお礼に彼のために働いたのよ。


 私はヴィクトールに言われて皇太子宮に侍女として入り込んだの。

 皇太子宮の情報をヴィクトールに流したわ。

 私は相対した相手が何を考えているかも少しは判ったから諜報員としては有用なのよ。

 そんな中、私はヴィクトールから皇太子の暗殺を指示されたわ。

 皇太子の暗殺は思った以上に簡単だった。

 その頃皇太子妃は皇太子の浮気を疑っていたの。

 そんな皇太子妃を繰るのは簡単だったわ。

 皇太子を毒殺すれば永遠に自分のものになると信じさせたのよ。

 皇太子妃は喜々として皇太子を毒殺して自分も服毒して死んでくれたわ。

 内々に処理されたけれど、これが皇太子毒殺事件の真相よ。


 それからヴィクトールの皇帝就任まで、何人の男女を迷わせて殺したこたか?

 単純な男ほど引っかかりやすかったわ。

 そんな中で私はヴィクトールに抱かれもした。

 愛人の一人になったのよ。

 ヴィクトールは何人もの愛人を囲っていたけれど、大半は元政敵の妻とか恋人を脅して無理矢理ものにしていたわ。趣味の悪いことこの上なかった。まあ、私としてはどうでも良かったけれど。


 そんな中で、ヴィクトールは今度は元皇女の一人娘を帝国に召喚したのよ。

 何でも、アーベルが処分に失敗した女の子という話しだった。

 本当にアーベルももう年ね。失敗するなんて。

 でも、何故私まで帝国の学園なんて、ガキの遊び場に行かなければいけないのよ。



 でも、その女の子は見た目は悔しいことに、私が見ても将来絶世の美女になるのは確実だと思えた。

 今までは処分の対象としてしか見ていなかったヴィクトールの雰囲気が変わったのよ。昔その子の母親に懸想して振られて、出奔されたのを根に持っているみたいだし……


 皇后がアーベルにその母親だけは何としても処分してきてと頼んでいたのを知っていた私は、皇后が何故そこまで処分を依頼したのかよく判った。


 ヴィクトールの目はその子に釘付けだったのだ。

 こんな小娘相手に天下の皇帝が何をしているのよ。

 私は少し面白くなかった。


 だから私は小娘の処分を進言したのよ。残って、皇帝がロリコンになっても困るしね。

 皇帝が小娘に狂ってしまって、秩序が崩壊するのも嫌だった。と言うか、あの冷血なヴィクトールが一人に執着するのを見るのは気にいらなかったのよ。


 私は小娘の国の王太子が小娘に懸想しているのを利用して焚きつけたのよ。

 「その小娘を倒しなさい。そうすれば小娘はあなたのものになるわ」と

 単細胞なその王太子は欲望むき出しにして小娘に襲いかかってくれたわ。

 あと少しのところで失敗したけれど。

 面白かったわ。

 

 そして、今度はその小娘の義兄弟同士の戦いだった。

 若い方は私が繰ろうとしても全然出来なかったけれど、年上の方は超単細胞みたいだった。

 弟がその小娘を狙っていると思い込ませた後は単純だったわ。

 怒り狂った男は弟を本気で殺しにいったのよ。

 殺してくれたら、面白かったのに!

 うまくはいかなかったわ。


 でも、大丈夫よ。

「今度はあなたを思っているお兄様にあなたを殺させてあげる」

 私はにやりと笑ったわ。

 自分の想い人を殺した後の義兄がどう狂うかとても興味があったのよ。


 でも、そんな私のもくろみは小娘が破廉恥な行動に出てくれたお陰で吹っ飛んだわ。


 何と小娘は公衆の面前でその義兄にキスしてくれたのよ。


 キスよ、キス!


 高々キスなんだけど、単細胞な兄には刺激が強すぎたみたいだ。


 その一瞬だった。それまでは「その小娘はあなたの小娘の敵よ」と暗示をかけていたのに

 両手で顔を挟まれた瞬間、男の感情が飛んでしまったのよ。


 小娘に見つめられて大の男が真っ赤になってしまったのよ。

 私の精神干渉がその瞬間吹っ飛んでしまったわ。


 更にキスされた喜びでその男の全ての感情が振り切れてしまったのよ!

 精神干渉していた私を単細胞男の歓喜の爆発が襲ったのよ。

 私には到底耐えられなかったわ。


「ギャーーーーー」

 私は悲鳴を上げて生まれて初めて気絶したのよ。


 頭の中は思い出したくもない青春時代の甘酸っぱい想いで満たされたのよ。

 本当にもう最悪だった。


 この子娘だけはどんなことがあっても処分すると私は決めたのよ。


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

金色の魔女の次の手は?

続きは今夜です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作

『モブですらない小さい聖女に転生したので、小説の世界を堪能しようとしたら、何故かヒロインになっていました』https://ncode.syosetu.com/n4848kz/


私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



最新の短編作品はこちら

『婚約破棄されやけ酒飲んでると軽い男が声かけてきたので張り倒したら、何故か執着されました』https://ncode.syosetu.com/n2191kg/

このお話の前の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/

新作

『恋に破れた転生王女はツアコンを目指します』https://ncode.syosetu.com/n7707kp/


この前の作品はこちら

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ