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私が破落戸に襲われそうになったらお兄様のくれた髪飾りが反応してお兄様が転移してきました

 私は馬車の中でマリアに向けて投げ出されたが、痛くはなかった。

 マリアの大きな胸で受け止められたから……

 ピンク頭といい、マリアといいこの世界は胸が大きいのが標準なの?

 自分の胸と違って、転生者は胸が小さい、いや、違う。マリアは大きいし、悪役令嬢とかヒロインとか叫んでいたからピンク頭もきっと転生者だ。転生者の二人はまだ12歳なのに既に胸があるんだけど、絶対におかしいと思うのは私だけ?


「どうしたんだろう。もうそろそろ家に着くはずなのに」

 そう呟いてマリアがカーテンの隙間から外を覗いた。

「何があったの?」

 私が聞こうとした時だ。私にも見えた。


 屋敷の前で大勢の男達が執事とおぼしき者と何か揉めている様だった。

「えっ、ボーケナの連中、また来ているわ!」

 マリアが嫌そうな顔をした。

「えっ、ボーケナって昼間の伯爵家の? お兄様があれだけ脅したのに?」

 私は信じられなかった。普通は公爵家の嫡男のお兄様に脅されたら、菓子折の二つか三つ持って当主が謝りに来るのが普通なのだ。高々伯爵家風情が我がホフマン公爵家に逆らうなんて取り潰してくれといっているようなものだ。

お父様は近衞騎士団長だし、国王陛下の護衛で陛下ともよく一緒にいるのだ。お兄様の激怒を買うと言うことは余程のことがない限りそのままお父様の怒りを呼んで、陛下に告げ口して伯爵家は終わってしまうんだけど……

ボーケナ伯爵家は田舎者過ぎてそれが判っていないんだろうか?

そうか我が家より強い後ろ盾を持っているかだけど、この国で我が家に逆らえる家ってほとんどないんだけど……



「だから伯爵様が当主のフルート子爵と面会したいとおっしゃっていると言っているだろう」

「何度来られましても子爵様はその件では会わないとおっしゃっていらっしゃいます」

「何だと、貴様の主の子爵はボーケナ伯爵様を虚仮にするのか」

 私はその声に本当に驚いた。昼間お兄様が二度と関わるなと釘を刺したはずなのに、まだやっているなんて信じられない。


「ボーケナ伯爵家は今教会に食い込んでいるそうなのよ。教会に聖女が現れて、それであれだけ強気なんだと思うわ」

 マリアが教えてくれたけれど、私には何を言っているか全然判らなかった。お兄様にかかったら聖女も教会も全然関係無いんだけど……


「そうは言われましても」

「おじいちゃん。俺達もガキの使いじゃないんだ。伯爵様は子爵を連れてこいって言っているんだよ。いい加減に出せよ」

 商会の使いがいつの間にか脅しになっていて、執事のおじいちゃんを突き飛ばしたのだ。


「ちょっとあんた達、何をやっているのよ」

「えっ、ユリア! 危ないわよ!」

 私は止めようとしたマリアを振り払うと慌てて馬車を飛び降りるとおじいちゃんに駆け寄ったのだ。


「ほう、これはこれはお嬢ちゃん。なにしに出てきたんだ。怪我したくなかったら引っ込んでいな」

「煩いわね。本当にボケナス伯爵が暴力振るって良いって言ったのね」

 私が確かめた。

「誰がボケナス伯爵だ。我が主はボーケナ伯爵様だぞ。どこの貴族の馬の骨か知らないが言葉には気をつけろ」

「貴方たち、止めなさい。この方はホフマン公爵家の方なのよ」

 マリアが慌てて私を追ってきてくれたのだ。

「ふんっ、それがどうした。こちらは聖女様が付いているんだ。アグネス様が王太子の婚約者に成り代わるんだよ。そうなったらホフマン公爵なんて全く怖くないぜ。何しろこちらは未来の王妃様なんだからな」

 私は開いた口が塞がらなかった。

 こいつらこの国最強の武のホフマン公爵家を敵に回すつもりらしい。王家ですら遠慮する我が公爵家に……我が公爵家はこのハンブルク王国最強の公爵家で、お兄様一人で教会の聖騎士団を壊滅できると言われているのだ。

やっても良いわよね!

私はやる気満々になった。

いざとなったら大聖堂諸共教会を反逆罪でぶっ壊せば良いだろう。



「だから素直に、引っ込んでいな」

 そう言って男は私を突き飛ばそうとした。


 私はそれをあっさりと躱して殴りつけようとしたのだ。


 しかしだ。

 男を躱した途端に、お兄様の髪飾りが光って雷撃を男に浴びせていたのだ。


「ギャーーーー」

 男は黒焦げになって倒れていた。

「えっ?」

 私の方が驚いた。そういえばお兄様が髪飾りにはお守りをつけるとかなんとか言っていたような気がした。


 そして、次の瞬間、お兄様が私の真ん前に転移してきたのだ。


「お、お兄様!」

 私はまさかお兄様が転移してくるなんて思ってもいなかった。

転移魔術は使えるものがほとんどいなくて私ですらまだ出来ないのだ。それをお兄様は楽々と転移してくれるのだ。


「ユリア、大丈夫か?」

 お兄様が聞いてくれた。

「私は全然大丈夫だけど」

そう、私は折角男を殴りつけようとしたところだったのだ。




「や、やばい」

「動くな! 動けば斬る」

 お兄様は破落戸どもが逃げようとした瞬間に叫んでいた。

 威圧だ。その威力は絶大で、次の瞬間破落戸の大半は泡を吹いて倒れていたのだ。

大魔王様が転移で登場してきました。

ユリアにとって鬼に金棒です。

ボケナス?伯爵家の運命や如何に?

ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾




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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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