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聖女対決はピンク頭が圧勝しました

「「「クラウス様!」」」

 三年E組の女の面々とお姉様とピンク頭がフェンスに激突したクラウスに群がっていた。


「ちょっと貴方たち退きなさいよ。私がクラウス様の婚約者なんだから!」

 正気のクラウスがいなかったらお姉様は無敵だ。周りの女達をあっという間にかき分けて、あるいははじき飛ばしてクラウスの元にたどり着いた。


「あなたこそ、退きなさいよ。私がクラウス様を癒やすんだから」

「えっ、そんな!」

 しかし、そのお姉様の肩を掴むと、ピンク頭が抵抗しようとするお姉様を脇に退けた。


「クラウス様!」

 ピンク頭は何故か気絶しているクラウスに抱きついているんだけど……


「ちょっと、余計な事していないでさっさと癒やし魔術かけなさいよ」

 退けられたお姉様が怒り出した。


「煩いわね。癒やしをするには私も癒やされないといけないのよ」

「何を偽聖女みたいな事を言っているのよ」

「ちょっと、偽聖女と一緒にしないでよね」

 むっとしてピンク頭はお姉様を睨み返した。

「あいつは能力無いから時間稼ぎにしているだけでしょ。私もたまにはクラウス様の癒やしを受けても良いじゃない」

「良い訳ないでしょ。クラウス様からさっさと離れなさいよ」

 お姉様が無理矢理ピンク頭をクラウスから引き剥がそうとする。


「貴方たち、何を争っているのです。ここは聖女様にお任せしなさい」

 後ろから教会の司祭が現れた。その後ろには教皇らしき男とやっと復活したらしい緑頭がいた。

 ピンク頭の愚痴によると、せっかく帝国に来てやったのに、帝国は能なし聖女を最高位の聖女として崇めてピンク頭はその緑頭の引き立て役なんだとか。

「普通、信じられる? 能力が十倍以上も高い真の聖女様である私が役立たず聖女の引き立て役をさせられるなんて」

「性格悪いから仕方が無いんじゃないの?」

私がそう言うと、

「何言っているのよ! あの聖女はもっと悪いわよ。私なら私よりも能力高い者がいたらそいつを下働きに使おうなんて思わないわよ。なのにあの能なし聖女は私を雑用にしようとしたのよ。許せると思う?」

「まあ大変よね」

私が適当に相槌をうつと

「ちょっと、もっとちゃんと聞きなさいよ」

どっちにしろ、ピンク頭の相手するのも大変だった。


 

「あああら、偽聖女じゃない」

「だ、誰が偽聖女よ」

 緑頭が怒りだした。

「そうだ。辺境の聖女風情が真の聖女様になんて事を言うんだ」

 司祭もピンク頭を睨み付ける。


「あーーら、真の聖女様は私よ。私の方が偽聖女より百倍も能力が高いんですもの。リーゼロッテ様、さあお呼びになって」

 ピンク頭がお姉様を見た。

「何故、私がそんな茶番に付き合わないといけないの? 私は別に役立たず聖女でも良くってよ」

 お姉様が文句を言うと、

「偽聖女はあと一時間くらいヒールが出来ないわよ。あなた、クラウス様を殺したいの?」

「ええええ! 本当に偽聖女は役立たずね」

「ちょっと、そこ黙って聞いていたら何を勝手な事を言ってくれるのよ」

「そうだ。いい加減になさい」

容赦の無いお姉様の声に緑頭と司祭がキレていた。


「真の聖女様、クラウス様をお治しください」

お姉様が仕方なさそうにピンク頭に頭を下げた。


「な、何をしているのよ。真の聖女は私よ」

「そうだいい加減にしなさい」

「まだまだ声が足りないわ」

ピンク頭は、緑頭と司祭の声を無視すると三年E組の面々を見渡した。

「ちょっと、貴方たちも早くしなさいよ」

お姉様がキレ出す。

「「「真の聖女様」」」

「よろしくお願いします」

「何卒クラウス様を治してください」

お姉様の圧に屈したのか三年E組の皆が口々に叫び出した。


「ちょっと貴方たち、何しているのよ」

「真の聖女様を前にして、田舎者の聖女に頭を下げるなんてどういう事ですか!」

緑頭と司祭が騒いでいるが、


「自分が真の聖女だというのならばさっさと治しなさいよ」

「何ですって!」

ピンク頭の言葉に緑頭は睨み付けた。


「ちょっと、あなた早くしなさいよ。クラウス様の息が上ってきたわよ」

「仕方が無いわね。ヒール」

面倒くさそうにピンク頭が片手間に詠唱すると金の光がクラウスを包んだ。


「なっ」

緑頭は絶句していた。自分とピンク頭の能力の違いを初めて知ったのかもしれない。


「凄い」

「一瞬だったぞ」

「いつも聖女様に頼む時は散々焦らされるのに!」

「真の聖女様、私も治してください」

「俺も」

「俺もです」

ピンク頭の前に怪我をした男達か群がったのだ。


「もう、面倒くさいわね。皆良いの?」

「「「はい、真の聖女様」」」

皆お地蔵様宜しくピンク頭を拝んでいた。


「ヒール!」

ピンク頭が叫ぶと並んでいた男達に癒やしの光が当たってあっという間に治してしまった。

ピンク頭は性格は最悪だったが、能力は超一流だった。


その能力の前に恐れをなしたのか、緑頭と司祭達はすごすごと去って行った。

緑頭は射殺しそうな視線でピンク頭を睨み付けていたが、ピンク頭はその視線を受けても平然と流していたのだった。

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

能力で圧倒したピンク頭でしいた


さて、命の危機が迫ったユリアーナですが、まだ理解していません。

話は佳境です。

続きは夜の更新予定です。

お楽しみに

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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