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四天王の女に繰られて戦力アップしていやらしくなった王子を弾き飛ばしました

「「「ウォーーーー」」」

「やった、ユリアーナ様!」

 歓声が沸いた。


 皇帝がいるからか少しおとなしめだったけれど……


 私は皇帝よりもその横の女が気になった。

 なんかものすごく化粧が濃いんだけど、年を誤魔化しているんだろうか?


 まあ、12の私からしたら20も30もおばちゃんなんだけど……

 でも、一度ニーナにそれ言ったら、しばらく怒って私の相手をしてくれなかった……

 それ以来おばちゃんだと思ったら、お姉様と呼ぶことにしている……

 私でも学習するのだ。

 女相手に年はタブーだと。

 例え妖怪変化だと思っても最初から喧嘩を売ってはいけない……



 そして、クラウスが出てきた。


「「クラウス様、頑張って!」」

 お姉様が叫ぶのが聞こえた。お姉様は妹の私より婚約者を応援するのはまだ理解できた。

 でも、その横のピンク頭は何で敵クラスを応援しているのよ!


「おい、アグネス。同じクラスなんだからユリアーナ様を応援しろよ」

「そうだ、アグネス! 何、敵に塩送っているんだよ!」

 エアハルトとフィリベルトがピンク頭を注意してくれた。

 そうそう、もっと注意しろ!


「はああああ! あなた達は何を言っているのよ。あなた達をヒールしてあげたのは私なのよ。あなた達も悪役令嬢のユリアーナじゃなくてクラウス様を応援しなさいよ。じゃないと二度とヒールしてあげないわ」

「「えっ?」」

 二人が固まってくれたんだけど……

 おいおい、そんな事で言い負かされるな!

 私は叫びたかった。


「ユリアーナ。相も変わらず俺を見てくれていないんだな」

 後ろからむっとしてクラウスが言ってくれたけれど、私はそれどころではなかった。

「ちょっとそこ、ちゃんと私の応援をしなさいよ」

 私はピンク頭達を睨み付けたんだけど、

「ああら、ユリアーナが動揺しているわ。貴方たち、クラウス様を応援しなさい」

「いや、アグネス……」

「さすがにそれは……」

 言いよどむエアハルトとフィリベルトの前で

「ユリアーナ様! 頑張って下さい!」

 グレゴールが大声で声援してくれた。

「おい、グレゴール、良いのか、ヒールしてもらえなくて」

「どのみち、これ勝てば決勝だ。決勝で怪我してヒールしてもらえなくても勝敗には関係無い」

「そうか、そうだよな」

「しかし、エアハルト、俺は痛いのが続くのは嫌だ」

 悩むフィリベルトがいた。

「何を言ってるんだ。偽聖女しかいなかったら俺達なんて到底治療してもらえなかったんだぞ」

「それはそうだけど」

「最悪、ユリアーナ様が頼んでくれるさ」

「そ、そうだよな」

 私は悩む男達を気にしていたときだ。


「始め」

 教師がいきなり合図してくれた。


 その瞬間、クラウスが私に斬りかかってきた。

 なんか皇帝の横からまた禍々しいものが飛んでくるが、それは無視だ。

 私はクラウスの剣を受けたのだ。


 ガキン!

「あれ?」

 何かクラウスの剣が強くなっている?

 何故?


「ユリアーナ。俺はいつまでも弱いままではないぞ」

 クラウスの目が爛々と光っているんだけど。


「クラウス様!」

「頑張って!」

 お姉様の声援とピンク頭の応援が響く。


 クラウスの剣がいつもの二倍増しだ。

 それに目が赤く光っている。これは魅了か何かにかかっている?

 そうか、皇帝の横のあの年増の女がやってくれているのか?

 私は女をちらっと見た。


 その瞬間、ガキンとクラウスが打ち込んできた。


「ユリアーナ、また、よそ見したな! 戦う時はせめて俺を見ろ!」

 クラウスが怒っているんだけど……


 なんか打ち込みもお兄様並みだった。

 これはさすがにまずいかも。

 私は焦りだした。


 あの年増女、何してくれるのよ。

 私は身体強化で体の動きを早める。

 でも、クラウスもそれに付いてくるんだけど。

 嘘! あり得ない。


 ガキン!

 ガキン!


 私が打ち込むが、クラウスは受けてくれたのだ。


「はははは。ついに俺もユリアーナと同等になったぞ」

 クラウスが笑ってくれたんだけど……いや、違うって、あの女に繰られているだけだって


「ユリアーナを倒して、俺の物にしてやる!」

 あの女、クラウスの精神にまで干渉して、婚約者のお姉様から私に恋愛の対象まで変えてくれた。

「おのれ!」

 私はぎろりと女を睨んだ。


「えっ?」

 女が少しぐらりとしたのが目に見えた。


 しかし、そこにクラウスが打ち込んでくる。

 少し弱まっている。女を邪魔したらなんとかなるかも。


「ユリアーナ。お前に勝って俺の物にしてやる!」

 なんか欲望の籠もったギラギラした目でクラウスは私を見てくるんだけど……いやらしい!


 私は完全にぷっつんキレていた。


「いい加減にして!」

 私は罵声をクラウスに浴びせたのだ。

「えっ?」

 その瞬間クラウスは少しぐらりときたみたいだった。


 なんだか判らないけれど、いやらしい男は最低だ。


 私は剣を一閃させた。


「ギャーーーー」

 その一瞬でクラウスは私の前から吹っ飛んでいった。


 ドシーーーーン!

 そのまま特設会場のフェンス上段にクラウスは激突していた。


 そして、その先にいる女を私は睨み付けていたのだ。


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

周りから見たら皇帝を睨み付けていたように見えるユリア。

果たしてどうなる?

続きは今夜です。


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
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