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クラス対抗剣術大会ベストエイト進出に皆で大いに盛り上がりました

 皇子が吹っ飛ばされた瞬間、皆、口を開けていた。


 まさか帝国の皇子を弾き飛ばす不届き者がいるなんて思ってもいなかったのだろう。

 でも、私は卑怯な奴は許せない。それが例え帝国の皇子であってもだ。

 元々ハンブルクの王子は散々弾き飛ばしているし……

 それに皇子には散々水魔術をかけてた犯人にされていたし、一度は張り倒していたし……


 帝国の皇子とは関わるなってお姉様達からは言われていたから、やりたくなかったけれど、あんな卑怯な手を皇子がするなら、目にもの見せてやらないといけないだろう。

 皇子たるもの臣民の手本とならないといけないのだ。

 あのような屑には思い知らせる必要がある。


 審判も一緒に弾き飛ばしたので、勝利宣言は無かった。


「やったー、ユリアーナ様!」

「凄いです」

「さすがです」

 クラスの騎士見習達は喜んで私に駆け寄ってきたのだ。


「さすが悪役令嬢ユリアーナよね。あの偽聖女を吹っ飛ばすのはさすがだわ」

 ピンク頭が平然と言ってくれたけれど、他の女性との面々はどう反応していいか悩んでいるみたいだった。


 3人まとめて弾き飛ばしたところに、人が集まっていた。

 あれはマイヤー先生だ。

 や、やばい!


 こちらを見ると目を怒らせて、飛んで来た。


 私は蛇に睨まれた蛙だった。

 逃げようにも逃げられなかったのだ。


「アグネスさん!」

 マイヤー先生は私では無くていきなりピンク頭を呼んだのだ。


「えっ、私ですか? 私は何もしていませんよ。酷い事をしたのはユリアーナの独断で……」

「それはどうでも良いのです。すぐにブルクハルト様に癒やし魔術をかけなさい!」

 決死の形相でマイヤー先生はピンク頭に詰め寄ったのだ。


「えっ、それは偽聖女に……」

 ピンク頭は何かを言いかけたが、緑頭諸共私が吹っ飛ばしたので、出来ないのをみて、素直について行った。


 それだけマイヤー先生の形相が必死だったのだ。

 私やクラウスに対する扱いと全然違った。

 私はそれを唖然として見ていた。


 マイヤー先生は行く途中で私を一瞥してくれたが、その表情は怒りに染まっていたんだけど……

 私には一言も無かったのだ。


 うーん、これは見捨てられたと考えても良いのだろうか?


 まあ、別にマイヤー先生に見捨てられても、良いんだけど、私は何か釈然としなかった。



 ピンク頭はすぐに皇子をヒールで治していた。

 マイヤー先生は皇子さえ治せば後はどうでも良かったみたいで、ピンク頭は聖女とブルーム先生は無視して帰ってきたんだけど……良かったんだろうか?

 二人は介護室のベッドに寝かされて放置されたままだった。



 次の一年B組との戦いは我がE組が圧倒した。

 先鋒のオットーが3人抜きして次鋒のエアハルトが残りの二人を倒してくれたのだ。


 我がクラスの男性陣はまれにない盛り上がりだった。



 三回戦はもうベスト8だった。


 残っているのは私達の一年E組、フランツお兄様とクラウスのいる三年E組、エックお兄様の四年E組、お兄様の五年E組、赤い悪魔の息子の五年A組と私が弾き飛ばしたボブのいる五年B組と六年生のA組とE組だった。元々E組は騎士志望の生徒が多いので残る可能性が大きいとか。でも、二年以外の全E組が残るのは珍しいんだとか。

 次はメイングランドに作られた特設会場だ。


 私達はその前に皆で食堂で食事をした。

「ユリアーナ様。ここまで来れば優勝しか無いですね」

 お気楽なエアハルトが言ってくれるけれど、

「それは中々難しいわよ」

 私は首を振った。組み合わせ次第だ。

 お兄様とエックお兄様のクラスと当たるとさすがに厳しい。後は最後の私が負けなければ大丈夫のはずだ。

「まあ、でも、ユリアーナ様は子供の喧嘩に親が出てきたボブさんにも勝っていますし、なんとかなるでしょう」

 フィリベルトがそう言ってくれたが、

「まあ、そこはなんとかなると思うけれど……」

私が口を濁した。2人の兄以外はなんとかなると思った。


「ユリア、あなた何を皇子に喧嘩を売っているのよ。あれだけ止めなさいって言っておいたじゃない!」

 私は後ろから現れたお姉様に怒られた。

「いや、あれは向こうが悪くて」 

「何が向こうが悪いよ。何か向こうが仕掛けてきても笑って流せば良かったでしょう。あそこまでやる必要はあったの?」

 お姉様が笠に着て言ってくれた。確かにやり過ぎた面もあるとは思う。でも、あの皇子はそれだけのことをやらかしてくれたのだ。


「まあ、そう言うなリーゼ、ユリア良くやったぞ」

お兄様が現れて私を褒めてくれるんだけど、お兄様に褒められてもあまり嬉しくない。

お兄様はいい加減なのだ。こういう時は。

逆に不安が募った。


「そんなこと言ってユリアが皇帝陛下から目をつけられたらどうなるのよ」

「既に十分に目をつけられている。今更だ。更に一つ追加されたところで大したことはない。

肝心なのはそれを俺達でどれだけカバーするかだ」

お姉様の言葉にお兄様は平然と言い返したが、やはりやり過ぎた面はあるみたいだ。


私はとても不安に思いつつ、まあ、なるようになるわよねと思うことにした。


なるようにならなくて後であんなことになるとはこの時は想像だにしていなかった。


ここまで読んで頂いてありがとうございます

剣術大会は佳境です。

だんだん迫る帝国の魔の手か?

続きは明日です。

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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