新聖女視点 生意気な属国の令嬢と聖女を地獄に落としてやると心に決めました
すみません。朝更新できませんでした。
私はパウリーネ、誰がなんと言おうとこの大帝国唯一の聖女様なのよ。
それをあのユリアーナとかいう辺境の属国の貴族令嬢風情が役立たずの聖女などと貶めてくれたわ!
絶対に許せない!
私は聖女と認められるまでは教会の孤児院で育っていたのよ。
私自身は緑色の髪をしていたので周りの子供達から馬鹿にされていたわ。緑髪のお化けだって。
皆に虐められて、私は食事も満足に与えられずに、ひもじい思いをしていたわ。
いつか仕返しをしてやりたいと思っていたけれど、私の力ではどうなる問題では無かった。
いつも皆に小突かれたり、突き倒されたり、食事を奪われたりしていたの。
その日も井戸の水くみをさせられていたわ。
皆はこれはやりたくなくて、いつも嫌われ者の私に回ってきていたのよ。
私はその日は朝から食事も他の子らに取られてほとんど食べられずにふらふらでやっていたら、頭がクラクラして気付いたら上下が反対になっていたのよ。
ドボン!
大きな音がして私は井戸に落ちたわ。
私は泳げなかったけれど、必死にもがいたのよ。
でも、全然自ら上がれなくて、空気が吸えなくてあっという間に息が苦しくなって、泳げない私はもう終わりだと思ったわ。
その時よ。
頭の中で何かがスパークしたの。
閃光が走ったわ。
そう、その瞬間に前世の記憶が一気に私の頭の中に蘇ったのよ。
何が何だかすぐには判らなかったけれど、その中の一つの言葉を思い出したわ。
「ヒール!」と。
私はその言葉を何故か唱えていたのよ。
その瞬間私は金色の光に包まれたの。
そして、気を失っていたのよ。
次に気付いた時は私はベッドの中にいたわ。
たまたま近くを通りかかったシスターが井戸が金色に光っているのを見て、中を覗くと私が金色に光って浮いていたので、慌てて私を引き上げてくれたそうなの。
私は井戸に落ちたのに、金色に光り輝いて助けられた少女、孤児院の奇跡として有名になったのよ。
そして、あれよあれよと言うまに教皇に呼ばれて聖女として認定されたの。
そう、聖女様となったのよ。
私を馬鹿にして虐めていた子供らにそれ見たことかと見下してやったわ。
本来ならば今まで私を緑のお化けと馬鹿にしていた子供達にざまあしたかったけれど、忙しくてそれどころでは無くなったの。
まあ、モブにすらなれない雑魚なんてどうでも良いわ。
私はこの世界が前世の世界で遊んでいた『帝国の銀の妖精』という乙女ゲームだと気付いたのよ。そのゲームは私が何回もやったことのあるゲームだった。
そして、私がヒロインのパウリーネだと気付いた時は歓喜したわ。
ゲームの中では、皆に虐められていた孤児のパウリーネは流行病になったことで聖女の力が発現して、教皇によって聖女認定される事になるのよ。まあ、流行病になるか井戸に落ちてなるかなんて些事よ。
私は12歳になって帝国の学園に入学することになったのよ。
何と私は平民にもかかわらず、一年A組に配属になったわ。A組は普通は高位貴族しか配属されないのに。
私はゲームでは一番人気のブルクハイト殿下と当然の如く仲良くなったのよ。
そして、殿下と仲良くなることによって、その婚約者の悪役令嬢のベティーナ・メンデルスゾーン辺境伯爵令嬢を中心とした取り巻き達に虐められることになるはずだった。
でも、辺境伯令嬢は、最初に
「婚約者のいる男性と仲良くなって負はいけないわ」
と注意してきたが、ブルクハイト様が
「ベティーナ、俺が誰と仲良くなろうが、黙っていてくれないか」
と言うと、それ以来静かになったのよ。私に嫌がらせも、文句を言うこともしなくなったわ。
少し物足りなかったけれど、当然ゲームのヒロインがこの世界では全てなのよ。前期の終わりにはブルクハイト様はベティーナを更に無視するようになって、二人の婚約破棄は時間の問題だと噂されるようになったのよ。
そして、迎えた新学期、私は2人を確実に婚約破棄させようと暗躍しようとやる気に燃えていたのよ。
そこに、現れたのが、辺境の属国から留学してきたユリアーナよ。
あろうことかこいつはベティアーナを擁護して、私と殿下を攻撃しだしたのだ。
私単独ではたまた殿下と2人で、ユリアーナから雷撃や水魔術での攻撃を受けるようになったのよ。
私は信じられなかったのよ。
私は大帝国の支配者の息子の皇子殿下や聖女様に、高々辺境の属国の貴族令嬢に過ぎないユリアーナが魔術攻撃をするなんて信じられなかった。
いわば大企業の社長の頭の上から、いきなり新入社員の女がバケツの水をぶっかけたようなものだ。
普通は即座に懲戒免職処分になるはずだった。
でも、このモブにすらならないユリアーナは平然としているのよ。私には到底信じられなかった。
そして、あろうことか平然と皇子殿下に婚約者がいるのに他の女と仲良くしているとは何事だと説教してくる始末だった。
まずは皇族に魔術攻撃を仕掛けるということは下手したら不敬罪に当たると身をもって知れ! と言いたかった。
それとこの女、あろう事か、聖女様である私に対して役立たず聖女などと宣ってくれたのだ。
信じられなかった。このように口が悪いと周りのひんしゅくを買って、すぐに泣き込んでくるかもしれない。
でも、絶対にこのユリアーナが怪我しても治療はしてやらない!
私意は心に決めたのだ。
案の定ユリアーナは四天王のクレーメンス・ビアホフの顰蹙を買ってボコボコにされていた。
いい気味だと私がほくそ笑んだ。
私は絶対に治してしやるつもりはなかった。せいぜい苦しめば良いのよ!
私はほくそ笑んだ。
でも、その傷だらけのユリアーナを属国の聖女が治してくれたのよ。
まあ、もっとも女はまだ本国の教皇様に認められていない、聖女もどきだったけれど……
本当に余計な事をするわ。高々属国の聖女風情が本国の聖女に逆らうなんて、本当に最低だ。
私はこの生意気なユリアーナと属国の聖女もどきを絶対に地獄に叩き落としてやると心に決めたのよ。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
聖女に睨まれたユリアの運命や如何に?
続きは明朝予定しています








