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黒い死神視点 馬鹿にしていた子供達に苦しめられました

 俺はクレーメンス・ビアホフ伯爵である。

 俺は元々力はあったが、規律とか集団行動とかが大嫌いだから、軍からも爪弾き者にされていた。

 そんな時に俺を広ってくれたのがヴィクトールだった。

 ヴィクトールは俺の好きにさせてくれた。

 俺は命じられた通り、ヴィクトールの邪魔になる奴らを次々に消していった。


 当時ヴィクトールは皇帝殿下の息子だった。確か第二皇子だった。皇弟殿下が侍女か何かに手を出して産ました子供か何かで皇弟の第一皇子に良く虐められていた。ヴィクトールはその第一皇子を毒殺したのだ。俺はそのヴィクトールを探る影や正妃の手のものを抹殺していった。

 それがいつの間にか皇位争いになり、いつの間にかそんなヴィクトールが皇帝になっていた。



 俺と同じような奴が4人いたが、その一人の赤い悪魔のアーベルが元皇帝の血筋の娘を見逃してきたと聞いて、馬鹿なことをしたものだと当時思ったのを覚えている。

 まあ、もっとも小娘一人逃したところでどうなるものでもないとは思ったが……高々辺境の属国の公爵が何が出来るというのだ。


 その属国を完全に帝国に取り込むために送り込んだ、皇弟の娘が謹慎処分になって送り返されたと聞いても俺はそれがどうしたいという感覚だった。

 何だったら獣人王国のように蹂躙すれば良いだけだ。

 でも、今回はヴィクトールはその原因となった小娘を帝国の学園に召喚するというのだ。

 まあ、勝手にすれば良い、俺に関係無ければ。


 しかし、その娘に俺の息子がボコボコにされたと聞いては俺も少しむかついた。


 そんな俺にヴィクトールから、しばらく学園で剣術教師をしてその娘等の力を計って来いと言う命令を受けて、俺はげんなりした。学校なんて騎士学校だけで十分だ。規律も集団行動にもなじめない俺が学校で教えるなどなんていう罰ゲームだと思わないでもなかったが、皇帝曰く、帝国四天王の恐さを身を持って知らせてやれという事だった。


 俺は仕方なしに、学園に向かった。

 最初はアルトマイヤーとかいうそのホフマン家の長兄だ。

 どれだけ強いのかと思ったら大したことはなかった。

 俺は適当に相手して終えようとした。


 少しの油断があったようだ。

 アルトマイヤーの放った一撃が俺の昔の古傷の右膝を直撃したのだ。

 自分の身に剣を当てられるのは四天王とやりあう時以来だった。


 まあ、それだけでその長兄はボコボコにして終わったが……その後まなじりを決したマイヤーとかいうばばあに「やり過ぎは禁物です」と愚痴愚痴言われたが、そういう事はヴィクトールに言ってほしい。俺をこの学園に行けと言ったのはヴィクトールだ。俺が手加減できないのはよく知っているはずだ。

 これでも殺していないのだ。

 良しとしてほしい。


 次のエックハルトとか言う兄も大したことはなかった。何がホフマン4兄弟だ。どれも大したことはないではないか。俺は二三回でエックハルトを地面に倒れ込ませたのだが、此奴も最後に俺の右膝に打ち込んできたのだ。

 さすがに2撃も喰らうと俺の膝も少し悲鳴を上げた。


 3番目の兄は姿形さえ覚えていなかった。それだけ雑魚だった。

 それよりはハンブルクの皇太子の方が剣術は使えた。

 まあ、大したことはなかったが……

 しかし、此奴等も俺の右膝を狙ってきたのだ。そこを思いっきり叩き潰して地面を拝ましてやったが……



 最後はユリアーナというかの小娘だ。

 見た目は俺が見てもとても可愛く育っていた。数年後には絶世の美女になるのは確実だろう。今は胸無しのガキだが……


 こんな小娘に俺の息子が負けたと思うと、俺はとても情けなくなった。

 相手の顔に見惚れて剣を振っているんじゃ無いぞ!

 俺は息子に叫びたかった。


 そうしたらその小娘が「子供の喧嘩に親が出てきた」とぼそりと呟いたくれたのだ。


 いや、ちょっと待て! 

 息子とは何も関係無いぞ!

 あのボケナス息子、こんな小娘に負けるからそう言われるのだ。

 さすがの傲慢無知な俺様でもその言葉は少し堪えた。

 そして、それを周りの小童共も口に出してくれたのだ。

 そう言った小童共は皆ボコボコにしてやったが……


 しかし、見た目と違ってこの小娘は少しは出来た。

 息子も見た目に油断したんだろう。まあ、俺は一撃で地面に這わせてやったが……

 しかし、この小娘も俺の右膝を狙ってくれたのだ。

 三撃目はさすがの俺も堪えた。

 思わず悲鳴を漏らしそうになったくらいだ。

 下手したら骨にヒビが入ったかもしれない。


 しかもその後が最悪だった。その小娘等を保健室送りにしたら今度は婆がまたまなじりを決して俺に食ってかかってきたのだ。

「あなたは皇帝陛下のお子である彼女らを傷つけてなんとも思わないのですか?」

 婆はそう叫ぶと、「これを読みなさい!」文章など最近読んだことも無い俺様に差し出してきたのだ。

 ヴィクトールからはこの女だけは傷つけるなと言われているから適当に読み出したら、なんかあのヴィクトールを延々褒めている文章なのだが……俺は最初はこれは誰に書かれたものか一瞬判らなかった。

 そこにはヴィクトールに対する賞賛が100ページに渡って書かれていた。

 いやいやいやいや、ヴィクトールの奴はこんな良い奴では無いぞ。

 心の底では悪巧みか人をいたぶることしか考えていない最低の皇帝だ。

 その皇帝を褒めるなんてどこの馬鹿だ!


 ちょっと待て! 

 膝は痛いし、婆は煩いし、嘘しか書いていない書面読まされるし、いや、待て、俺について褒めているところもあるぞ……、周りのガキ共に子供の喧嘩に親が出てきたと馬鹿にされるし、息子からは頼むから帰ってくれと泣き込まれるし……俺にとって罰ゲーム以外の何物でも無いんだけど……


 俺は1日目にして早くも帰りたくなった。


 ええい! これも全て小娘を見逃したアーベルの奴のせいだ!

 俺の頭の中はアーベルとこんなところに俺を派遣してくれヴィクトールに対しての恨み辛みで一杯になったのだ。


ボコボコにされたユリアーナ達ですが、やられてもただで済まさないホフマン4兄妹でした。

果たして黒い死神の右膝は保つのか?

続きは今夜の予定です。


この土日月更新少し不定期になるかもです。


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