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皇子と腕を組んだ聖女が絡んできて私が切れたら何故か頭の上から水びたしになり、私のせいにされて怒られました

 私は二時間目からクラスに戻ってきた。


「ああら、あの子、昨日殿下に不敬な事したから担任の先生に怒られていたみたいよ」

「調子に乗って余計な事をするから」

 コローナ達がそれ見たことかと薄ら笑いをしてくれた。


「ごめんね、ユリア、私のせいで」

 ベティが謝ってきたが、

「何言っているのよ。悪いのは全てあの軟弱な卑怯者のせいよ」

 私が言うと

「まあ、あなた、皇子殿下の事を軟弱な卑怯者って言ったのね」

 コローナが揚げ足を取ろうとしてくれたので、

「まあ、コローナさんったら。私は軟弱な卑怯者が殿下だなんて一言も言っていないのに、今、あなたはっきりと第三皇子殿下が軟弱で卑怯者なんだと言ったわね」

「何言ってるのよ。あなたがそれっぽいことを言ったから私はそう受け取っただけよ。全部悪いのはあなたよ!」

「何言っているのよ!」

 私達が言い合いを始めたときだ。

「授業が始まっているのに、何を立ち歩いているのですか?」

 そこに機嫌の悪くなったマイヤー先生が入ってきたのだ。


 えっ、何で?

 たしか次の授業は……

 失敗した!

 二時間目は礼儀作法の授業だった。


 ええええ!

 マイヤー先生自分の授業があるから、間に合うために、私への叱責をさっさと終わらせたんだ! 私は今頃気付いた。

 でも、遅かったのだ。


 私とコローナは二人して、また、延々と怒られたのだ。


 ちょっと待って!

 このままじゃまた、新記録更新してしまうから! まだ、始業式から数日しか経っていないのに既に反省文の数が片手では足りなくなってしまったんだけど……

 私は蒼白になったのだ。


 やっと授業が終わって、私はほっとした。


 三時間目と四時間目は何もなく普通に終わった。


 やっとお昼休みだ。


 今日はマイヤー先生に叱責を受けないように食事をちゃんとしようと心に決めたのだ。


 なのに、なのにだ!

 何故か、向こうから皇子と腕を組んだ緑頭が歩いて来るんだけど……何で?


 決闘の条件は二度と婚約者意外の女と二人で歩かないじゃ、なかったっけ?

 私がボブに勝ったのに、何故軟弱皇子はそれを守っていない?

「そこの転校生、昨日はよくもやってくれたな」

「そうよ。折角殿下が私のために仇を取ろうとしていただけたのに、素直に殿下に成敗されなさいよ」

「はああああ! そもそも、殿下。決闘で私に負けたら、二度と婚約者以外の女と歩かないのではなかったのですか?」

 私が聞くと、

「何を言っているのだ。あんな卑怯な事をしおって、そんなのは無効であろう!」

 私は開いた口が塞がらなかった。


「何を言っているのですか? 決闘は神聖な行いのはずです。それを反古にするというのですか?」

 私は完全に切れかけていた。そんなのが許されるわけはなかろう。

 我が国でそれをやると収監されるはずだ。

 というか、こんな決闘の約束事を守らないのが皇子で良いのか?

 私はつくづく嫌になってきた。ハンブルク王国でこんなことをした日にはお兄様にボコボコにされるのに!

 お兄様でも、帝国だからと抑えている部分もあるのだ。


 まあ、その割に次々と四天王の息子を倒しているけれど……

 お兄様がめぼしい奴ら全員を叩きのめすのも時間の問題かも……


「ふん、貴様が卑怯な行いをしたからだ。悪いのは貴様だ」

「殿下、卑怯、卑怯って私が何をしたんですか? 卑怯なのは私に決闘を申し込んだ本人が戦わずして、他のものを戦わした殿下ご本人でしょう!」

 私が指摘すると、

「何をいうのだ! ボブを弾き飛ばしたついでに貴様は俺様まで巻き込んでくれたではないか! 貴様のせいで俺様はとても恥をかかされたのだ。全て貴様のせいでな」

 皇子の言葉に切れなかった私を褒めてほしい。皆が我慢しろというから私は必死に我慢したのだ。


「はっきり言って、そんなの避けない運動音痴の殿下が悪いんでしょう!」

 私ははっきりと指摘してやったのだ。

「なんだと! 貴様、俺様が運痴だというのか!」

 皇子はまな尻を決して叫んでくれた。

 周りが皇子の声にざわざわする。

「うんちだって」

「さすが、ユリアーナ」

「殿下相手にそんなことをいうなんて」

「天下無敵だな」

男達が騒いでくれた。


「ちょっと、殿下、変なことを言わないで下さい。私が言ったのは運動音痴です」

「略して運痴ではないか」

「略すな!」

 私は叫んでいた。


「と言うか、私に撥ね飛ばされたボブ先輩を避けられなかった殿下が全て悪いのです」

「何を言うのだ! 俺様めがけてボブを吹っ飛ばした貴様が悪いんだろう」

「そうよ、素直にボブに叩きのめされていたら良かったのよ!」

「いい加減にして下さい!」

 私が大声で叫んだ時だ。


 ドバーーーー

 殿下と緑頭の頭上から大量の水が降り注いだのだ。

 あたかも私がしたようなタイミングで。

「「ギャーーーー」」

二人は濡れ鼠になっていた。


「えっ????」

 私は驚いた。私が何もしていないのに!


「ユリアーナさん!」

 そこにマイヤー先生の大声が響き渡ったのだ。


「えっ、先生、私はまだなにもしていませんよ」

「黙りなさい! 先程も注意したところでしたよね!」

 五六時間も授業がなかったマイヤー先生のお陰で、それから延々と怒られたのだった。



ここまで読んで頂いてありがとうございます。

散々な目にあったユリアーナ。

続きは今夜の予定です。


今は信州に来てまして、始発に乗って、いざ山へ

と言うことで電波状況の悪化のため更新は不定期になる予定です。ご迷惑お掛けしますが、宜しくお願いします

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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