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聖女が突っかかってきたので言い返したら、キレて私に向かってきたので、お守りが発動して雷撃を浴びせました

 私は剣術教師のドレーゼを弾き飛ばしていた。


 その後、ドレーゼもびくともしなかった。

 私に対してペチャパイなんて言うからだ。


 しかし、教師のくせに全然強くない。

 帝国の騎士は強いと思っていたのに、肩透かしされた感じだ。


 この後どうしようと考えている時に男子生徒に連れられてやってきた、マイヤー先生に見つかって、また、延々と怒られたのだ。ドレーゼ先生が全力でやるように命令されたのだと私が幾ら主張しても、

「ユリアーナさん、あなたが全力を出せばどうなるかなんて判っていましたよね」

 怖い笑顔で迫られたんだけど……

「でも、ドレーゼ先生が全責任は先生が取るっておっしゃいました」

 私は言い切ったのに、

「どうなるか判っていたユリアーナさんが手加減すべきでしょう」

 マイヤー先生は許してくれなかった。

「私これでも手加減したんですけど」

「もっと手加減しなさい!」

 言い訳した私にマイヤー先生は容赦が無かった。


 本当にもう最悪だった。


「本当に信じられないわ。私はあれだけドレーゼ先生に確認したのに! クラスの皆にも確認したじゃ無い!」

 でも、誰も口添えしてくれなかったのだ。まあ、キレているマイヤー先生の前で私を庇うのはもし私が彼らだったらやりたくはなかったけれど、少しくらい助けてくれても良いのでは無いか……

 私は腹をたてていた。


 がみがみミマイヤー先生には怒られるし……怒られるのはお昼前に終わって今日はまだ良かったけれど、もううんざりだ。


 私は一人ブツブツ言っていたら前を一人で歩いているベティを見つけたのだ。


「ベティ!」

 私が声をかけると、

「ああ、ユリア」

 何故かベティは表情が暗かった。

「どうしたの、ベティ? 顔色が悪いわよ」

「うん、大丈夫よ」

 と言う割に元気がなかった。

「また、コローナ達が何か言ったの? 私が釘を刺そうか?」

 私が提案すると、

「ううん、大丈夫よ。それより何が最悪なの?」

 ベティが聞いてきたので、私はドレーゼ先生が全責任を取るって言ったので少し本気でやってドレーゼ先生を弾き飛ばしたら、マイヤー先生に本気を出すとは何事だと怒られたと文句を言いながら説明したのだ。

「あなた、ドレーゼ先生に勝ったの?」

 ベティが目を見開いて私を見た。

「どれだけ強いのか期待したのに、一撃だったわ」

 私は残念そうに言った。あそこまで弱いとは思わなかったのだ。

 そうだ。元々ドレーゼ先生が弱いのが悪いのだ。


「って、ユリア、ドレーゼ先生は先の政変で皇太子殿下の下で一個大隊を率いて活躍したのよ。そんなに弱い訳はないわよ」

 ベティはそう言ってくれるけれど、私に一撃でやられた段階で、大したことはない。

 やはり四天王が飛び抜けているだけで、他の騎士は大したことがないのかもしれない。

 私は帝国に来たらもっと強い騎士達と訓練できるのでは無いかと少し期待していたので、期待外れだった。


「まあ、そちらにいらっしゃるのは一人では何も出来ない辺境伯令嬢では無いですか?」

「なんでも、自分じゃ何も出来ないから属国の鬼教師に言いつけて聖女様を叱責させたのですって?」

「まあ、自分が殿下に嫌われているからって、殿下と聖女様の真実の愛を邪魔するなんて最低ね」

 女達が好きなことを言ってくれるんだけど。

「誰、この子等」

 私がベティに聞いた。

「ちょっとそこのあなた。幾らあなたが田舎者でもコルドゥラ様を知らないの? ブッシュ侯爵家のご令嬢の」

「知らないわよ。転校してきたところだから知る訳ないでしょ」

「なんて事でしょう」

「高々属国の貴族令嬢が帝国の侯爵令嬢のコルネーリア様に逆らってただで住むと思うの?」

「そうよ。そうよ。属国の貴族風情が偉い顔しているんじゃないわよ」

「本当に!」

 女達が好きに言ってくれるけれど、我がホフマン公爵家は属国の公爵家と言っても別物なのだ。

「ちょっと、貴方たち」

 ベティが言おうとしたところを私は手を上げて押えた。

「何を言っているのやら、無知なのは貴方たちよ。我がホフマン家はハンブルク王国の公爵家であるだけでなくて帝国ではホフマン侯爵家なのよ。だからあなたと同格なのよ」

 私はコルドゥラを見て言ってやったのだ。

「えっ」

「そんな、嘘よ」

「私聞いていないわ」

 女達は慌てた。

「ふんっ、信じられないのならば帝国の貴族年鑑をきちんと読む事ね」

 私は胸を張って言ってやったのだ。

 コルドゥラ以外の女達は青くなった。


「どうしたの?」

 そこに緑頭がやってきた。

「あっ、聖女様」

「この無礼な転校生が難癖をつけてくるんです」

「私は侯爵家令嬢だからもっと敬えって言うんですよ」

 女達がぶりっ子して聖女に訴えてくれるんだけど、

「何言っているのよ。それ言ってきたのあなた達でしょう」

「まあ、さすが属国の人間は威張りたがりなのね。そもそもあなたはその公爵家の養女じゃ無い。元は平民出身と聞いたわ」

 私の声は無視して緑頭は大きな声で言ってくれたのだ。


「えっ、養女なの」

「何だ、平民なんだ」

「その平民風情が偉そうにしてくれたの」

 皆驚いて私を見た。言われた令嬢達は私を睨んでくるんだけど、養女でも侯爵令嬢は侯爵令嬢なのだ。それにそう言われることには慣れていた。


「何を言っているのよ。平民って煩いけれど、元々孤児院出身のあなたこそ平民じゃない」

 私は馬鹿にしきったように緑頭と周りの神聖視している者達に教えてやったのだ。

「何言っているのよ。私は神の落とし子よ」

「そうよ、そうよ」

「聖女様を馬鹿にするな」

 周りの貴族達が援護したけれど、

「何が神の落とし子なのよ。ハンブルクに聖女が現れたから、慌てて帝国の司祭達が作り上げた偽聖女だってハンブルクでは有名よ」

「な、何ですって」

 私の言葉にそれまで悠然としていた緑頭が表情を変えた。

「その偽、聖女様の能力はハンブルクの聖女の半分以下しか癒やし魔術が使えないそうじゃない。教会関係者には影では出来損ない聖女って呼ばれているそうよ」

 私が平然と指摘すると、

「だ、誰が出来損ないですって!」

 私の言葉に聖女は完全にキレたみたいだった。

 血相変えて、緑頭は私に掴みかかってこようとしたのだ。


 バリン!

 その瞬間だ。

 お兄様のお守りが発動して雷撃が緑頭に命中したのだ。


「ギャーーーー!」

 緑頭は悲鳴を上げるとその場に倒れ込んだのだった。

 ブスブスと緑の髪が少し焦げていた……


「えっ?」

 私が唖然とした時だ。


「ユリアーナさん!」

 地獄の閻魔様の声のような低いマイヤー先生の叱責の声が後ろから響いたのだった。

次々と問題を起こすユリア。

このまま行くと新記録達成?

続きは今夜です

お楽しみに

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しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
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― 新着の感想 ―
早くマイヤーのざまぁを~ 一部でもイライラさせられたのにまだぴんぴんしてるってなんてこったい!
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