表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
130/230

私達の馬車を襲ってきた山賊達を退治しました。

 襲撃って、帝国に入ってすぐに襲撃されるってどういう事?

 帝国から情報が漏れた? 

 と思わないでもなかったけれど……


「エックハルト、行くぞ!」

 お兄様が叫んであっという間に飛び出していった。

「お前らはここにいろ」

 エックお兄様もそう言うと続く。


 二人は身体強化すると後ろに向けて駆けていった。


 どうやら、後ろから敵は襲いかかってきたらしい。


 窓から後ろを見ると騎馬の群れが見えた。山賊みたいだ。服はバラバラだし、騎乗の仕方もまちまちだ。


 そう言えば一番後ろの荷馬車に襲いかかったみたいだけど、後ろは私の専属侍女のニーナが荷物と一緒に乗っていたはずだ。

「えっ、ニーナ」

 私は驚いた。短剣を構えて馬車の上でニーナが戦いだしたのが見えたのだ。


「ニーナはほっておいても大丈夫だよ」

「何言っているのよ。ニーナは私の侍女よ」

 私が他人ごとのフランツお兄様にむっとした。

 それはホフマン公爵家の騎士が強いのは知っているけれど、侍女は騎士とは違うのだ。


「ニーナに任せておけば大丈夫だって」

「そんな訳ないでしょ」

 そう言う私の見るところで、ニーナに襲いかかった男がニーナに一刀で斬り捨てられていた。

 まあ、ニーナの剣技もまあまあだけど……もう一人斬られるのが見えた。


 その時、横に来たお兄様が爆裂魔術を放つ。その後ろにいた10騎ほどの騎馬が吹っ飛んでいた。

 そこに身体強化したエックお兄様が突っ込む。

「ホフマン公爵家の馬車を襲撃するって、馬鹿な山賊よね」

 お姉様も他人ごとのように言ってくれた。

 余裕だった。


 まあ、確かに。ハンブルク王国の中だったらホフマン公爵家の馬車を襲撃するような馬鹿はいない。

 乗っている馭者も半分騎士のような者だし、ホフマン家の騎士は多いのだ。それに、怒り狂ったお兄様達に国の果てまで追い詰められるに違いない。もっとも最近は山賊の話もめったに聞いたことはなかったけど……

 存在が知られると喜々としたお兄様が練習台だと言って私達を連れて討伐に向かうのだ。

 怒り狂ったお兄様の前に実験台のように斬り捨てられる山賊達はもうかわいそう以外の何物でもなかった。


 この馬車群も見た目は騎士が護衛していないように見えるが、最終兵器のお兄様が乗っているのだ。帝国の一個騎士団が攻めてきても大丈夫だ。赤い悪魔以外は。

 赤い悪魔並みに強い奴は幾ら帝国でもゴロゴロいないだろう。


 本当にドジな山賊だと思う。ホフマン公爵家のマークを私達の馬車は掲げているのに、見えなかったんだろうか?

 まあ、退治されるのは時間の問題だろう。


 そう私が思った時だ。


 前方でも騒ぎが起こった。

 向くと前の馬車の馭者に矢が刺さっているのが見えた。

 そして、前方から襲いかかる騎馬の群れが……


「ベティーナ!」

 驚いたことにフランツお兄様がそう叫んで飛び出していったのだ。


 いつもは面倒くさいと言って絶対に最後まで馬車に残っているフランツお兄様が、私を行かさずに自分が飛び出して行くなんて……あり得なかった。

 あっという間に一人の騎馬の男を斬り倒していた。

 でも、騎馬が前から前から突っ込んでくる。

 どうやら敵の目的はベティーナみたいだった。


「ピーちゃん。お姉様のことは頼んだわよ」

「ぴーーーー」

 ピーちゃんは少し不満そうに鳴いてくれた。

「ちょっと、ユリア、あなたか弱い私を一人で残すの」

 お姉様の驚いた声が聞こえたが、

「お姉様なら大丈夫だって」

 私はそう言うと馬車を飛び出したのだ。

 いざとなったらお姉様は強いはずだ……おそらく……

 まあ、武の公爵家、幾らお兄様の死の特訓は受けていないと言えども護身術は学んでいるはずだった。


 ベティーナの馬車は山賊の大軍に襲われていた。

 お兄様が左横で戦っているが逆側からも山賊が襲っていた。乗っていた護衛騎士達が戦うが斬られていく。



 私は一気に加速すると馬車に飛び乗ろうとした男を叩き斬っていた。

「ギャー」

 男は落馬した。


 そして、馬車に乗り込んでベティに襲いかかろうとしいてた男を一刀の下切り捨てた。

 私は扉が外れた馬車の中に飛び込んだ。

「ベティーナ、大丈夫?」

 ベティの上に倒れ込んでいた男を地面に捨てる。

「え、ええ!」

 私は震えているベティーナが無事なのを見ると、後ろから斬りかかってこようとした山賊に爆裂魔術を叩き込む。


 ドカーン

「ギャーーーー」

 爆発音とともに馬諸共三人くらいの山賊が吹っ飛んでいた。


「おい、やばい」

「逃げろ!」

 山賊達は慌てて逃げだそうとした。

 そこへ私が爆裂魔術をお見舞いする。

「ギャーーーー」

これくらいで後は任せれば大丈夫だろう。


「フランツお兄様、後はお願い」

「お前な。面倒なことを」

 私をむっとした顔で睨みつつ、フランツお兄様は逃げようとした山賊達を追いかけていったのだ。


「ベティーナ、大丈夫?」

 私は震えているベティーナの傍によると

「ユリアーナ様」

 ベティーナは私に抱きついてきたのだ。

「もう大丈夫だから」

「はい」

 震えるベティーナはとても可愛かった。

 私はそのベティーナを抱きしめてあげたのだった。


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

ハンブルク王国にいる賊に伝わる注意点。

「命が惜しければホフマン家の人間にだけは近付くな。見かけたら一目散に逃げろ」


その逆をした愚かな山賊達の運命でした……


ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作

『モブですらない小さい聖女に転生したので、小説の世界を堪能しようとしたら、何故かヒロインになっていました』https://ncode.syosetu.com/n4848kz/


私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



最新の短編作品はこちら

『婚約破棄されやけ酒飲んでると軽い男が声かけてきたので張り倒したら、何故か執着されました』https://ncode.syosetu.com/n2191kg/

このお話の前の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/

新作

『恋に破れた転生王女はツアコンを目指します』https://ncode.syosetu.com/n7707kp/


この前の作品はこちら

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ