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聖女に大きな胸を押しつけられて喜んでいる王太子に聖女諸共頭から水をかけてやったら、礼儀作法の先生に怒られてしまいました

「王太子殿下の腕に抱きついているあの図々しい女は誰?」

「あれは聖女様じゃない」

「本当だ、聖女様だ」

 女達が噂しているけれど、聖女って何だろう?

 前世では清廉潔白な女性シスターがそう言われていたような気がするし、ラノベの中でも心の清い女の子だった。婚約者のいる男に破廉恥にも抱きつく女なんて聖女失格だと思う。


「ヒロインの登場ね」

 私はぼそりと呟いた女が青髪のマリアンネだと気付いた。

 ええええ! ゲームのヒロインってあんなに図々しい恥知らずの女な訳?

 絶対におかしいし……

 まあ、後で聞いてみればいいだろうと思った時には、私は叫んでいたのだ。

「ウォーター!」


 ドボーーーーン


 大量の水が2人の頭の上から2人に襲いかかった。


 付近にいた人にもかかったが、まあ、仕方がないだろう。


「ギャーーーー!」

 ピンク頭が悲鳴を上げたが、ざまあみろだ!


「誰よ! 水をかけたのは?」

 憤怒の表情でこちらを見たピンク頭はさながらピンク髪の山姥みたいだった。


 無視して去ろうかとも思ったけれど、全員がさっとこちらを見たので、このまま逃げる訳にも行かなかった。仕方がない。

 あまり目だったことはしてはいけないとお姉様達には釘を刺されていたんだけど、これはお姉様のためだから良いわよね。

 私は自分に言い訳して、ピンクの頭を見た。


「ああああ、あなた、悪役令嬢のユリアーナ・ホフマンね」

 ピンク頭が私に向かって悪役令嬢だと叫んでくれるんだけど、


「何言っているのよ。婚約者にいる者に破廉恥な胸を押しつけて抱きついているという点だけ取っても、あなたが悪役令嬢でしょう。どう見ても私の方が怖いお姉様と鬼のような礼儀作法の先生に毎日虐められている可哀相なヒロインじゃない」

 私はピンク頭に言ってやったのだ。


「何でヒロインの私が悪役令嬢になるのよ。あなたこそ、義理の姉の婚約者であるクラウス様を奪っておいて、良くそんなことを言えるわね」

「はああああ? 何を言っているの? 私はお姉様から婚約者なんて奪っていないわよ。王太子殿下は私の婚約者じゃなくて、お姉様の婚約者よ」

 私は言い返した。


「えっ? まだ奪っていないの?」

「何ふざけたこと言っているのよ。あなたじゃあるまいし、そんなことする訳ないでしょ。それに、婚約者がいるにもかかわらず、破廉恥なピンク頭に胸押しつけられてにやついている男なんか絶対に婚約者にしたくないし」

 私はクラウスを一瞥して宣言してやった。


「いや、ユリアーナ、これは誤解だ。俺は決して喜んでいた訳では……」

「はああああ? 王太子殿下ともあろう者が、でかい胸押しつけられてにやけていたのに、それ否定するなんてそれでも男ですか? ねえ、殿下はにやけていたわよね」

「えっ、まあ」

 私はマリアンネに同意を求めて、強引に頷かせたのだ。


「ほら、見てごらんなさいよ」

「いや、だからこれは、そもそも聖女様が一人じゃ不安だからと言うから」

「ふうん。不安だったら婚約者がいるにもかかわらず、胸押しつけられて喜んでいるんですか?」

「えっ、いや、だからこれは」

 クラウスは必死に言い訳しようとしてくれたが、私は容赦なかった。


「何事ですか?」

 その時だ。地獄の閻魔もかくやという冷たい声が響き渡ったのだ。

「えっ?」

 私は固まってしまった。

 そこには怒髪天のマイヤー先生が立っていたのだ。


「ユリアーナさん! どういう事ですか?」

 私は逃げようとして逃げられなかった。


「いや、マイヤー、これには」

「王太子殿下。何でずぶ濡れ何ですか? 誰にされたんです?」

「いや、それはだな」

「マイヤー、先生。私達何も悪くないのに、いきなりその銀髪の令嬢に水をぶっかけられたんです」

 ピンク頭が自分の行いを棚に上げて言い切ってくれた。


「何言っているのよ。元はと言えばあなたが、お姉様の婚約者である王太子殿下に破廉恥な胸を押しつけて、殿下を喜ばせているからでしょ」

 私はきっちりと反論した。


「ちょっと待った。ユリアーナ。俺は決して胸を押しつけられて喜んでいた訳ではないぞ」

「喜んでいたじゃないですか!」

「ええいもう、3人で言い合うのは止めなさい」

 私達の言い争いにマイヤー先生が更に切れていた。


「でも、先生が説明しろって言われたんじゃないですか?」

「そうです。悪いのは水をかけてきたその女です」

「何言っているのよ。悪いのはあなたでしょ」

「いい加減になさい!」

 一オクターブ高いマイヤー先生の罵声が響いて、私は思わず両耳を押さえていた。


「3人とも今すぐ職員室にいらっしゃい!」

「えっ、先生、私まだ食事を取っていないんですけど」

 私が唖然として言うと、

「食事なんか食べているどころではないでしょ」

「そんな……」

 私は王太子とピンク頭と一緒に食事もなしで職員室に連行されてしまったのだった。



ここまで読んで頂いてありがとうございました

王太子にも聖女にも忖度しないユリアでしたが礼儀作法の先生は……

続きは今夜です。


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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