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[Chapter.6:introduction“Halo”]

【セブンス】

フラウドレス・ラキュエイヌ、サンファイア・ベルロータ、アスタリス・アッシュナイト

【アトリビュート】

トシレイド、アッパーディス、ミュラエ、ウェルニ

【帝都ガウフォン】

レリーゼ、デボッチ、教母様


[Chapter.6:introduction“Halo”]


哀しきかな。

美しきかな。

憂いてるかな。

皆の生存本能は何処にあるかな。

その生存本能というのは人に自慢できる程のものなのか?

人間は争っている。

とても争っている。その戦いの果てはどこなのか。知りたい人が殺されていくのが順当だ。

一体この世界戦争は何処に終着するのか。この戦争の真意とは⋯。様々な境遇を経て来た人類は互いの境界を侵しながらも、自分達の領域を守ろうとする。必死になって守り続けた。だがどうしても勝てない戦が存在する。そうなったら最後、その国の破滅は確定だ。

日本帝国は世界戦争において優位なポジションにつけていた国の一つだと言える。その要因はセブンスの大量保有とみて間違いない。日本はセブンスが確認された最初の国にして最も多く、そして能力値の高いセブンスを軍事転用させている国なのだ。

そんな日本だが、世界戦争に一時退却する事態に発展する。一時的に戦争から退却する事で、より一層の科学兵器の開発と兵士達の休息と安住に時間を注いだのだ。

日本のこの選択は、大きな油断の隙を生むきっかけとなってしまう。結果的に言えば、米国は日本列島に多くの核爆弾で空襲爆撃。日本の大地は一気に焼け野原と化す。

そんな中で、沖縄県も爆撃対象として選定されていたのだが、米国からの攻撃は甚大な被害に相当するものでは無かった。通信網が殆どシャットダウンし、日本列島本土の状況を確認出来ないが、何となく⋯沖縄の被害を見ても、沖縄が難を逃れた可能性が高いと判断した。

そこで沖縄の日本帝国軍メンバーと沖縄の爆撃後生存者で構成された“メイカーズファスタ”が日本列島本土にて爆撃の被害を受けた生存者の救出作戦を実施する企画を立案。

だがその企画は、直ぐに了承されなかった。

沖縄県が折角無事だったのに、どうして危険地帯に出向くの⋯と。自分達が生き残っているのだからいいじゃないか⋯と。

そのような意見が飛び交うのはよく分かる。しかし、今も尚こうしている間、日本列島本土の爆撃を受けた生存者がいる。大怪我を負いながらも、必死に生きようとしている⋯もがいてる者がいる。そんな人達のことを考えていると、安息の地でのんびりとなんてしていられなかった。

だが民衆はそんな意見を受け入れてくれない。だから作戦立案者は、沖縄県で生き残った人々からの“信頼”を得る為に様々な運動を実施した。

その甲斐あって、生存者からの信頼を獲得。作戦にも承諾してくれた。



沖縄発の救世主軍団“メイカーズファスタ”。メイカーズファスタが日本列島本土に上陸する前に行うべき事は、沖縄県に遺された旧在日米軍空軍基地主要五つの箇所から、“電脳蒸気機関兵器 アーマード・ディアテーケー”の回収作業だ。日本帝国軍が秘密裏に開発していた人体能力を飛躍的に向上させ、背部に装備させたアンカーランチャーで敵を攻撃。高速スピードと跳躍力を有した、戦地実戦において目覚しい結果を齎すであろう人類が最後に遺した最高の後背装着式科学兵器だ。

メイカーズファスタはアーマード・ディアテーケーを相当数回収する事に成功。メイカーズファスタは本土に上陸を開始する。

先ず最初に救出作戦“ニネヴェ計画”の第一次として展開されたのは九州地方。

しかし、九州地方に生存者は確認されなかった。上空から観測出来た九州地方の姿は、沖縄県とは全く異なった爆撃の惨劇。

何故、沖縄県とここまでの違いがあるのか。それは在日米軍空軍基地の存在が影響している可能性があった。空軍基地にはアーマード・ディアテーケーが残置されていた。もしかすると爆撃を実行した米軍は、アーマード・ディアテーケーを狙っていた?

空軍基地にて電気が復旧していたのも気になる。その際にアーマード・ディアテーケーと共に回収したロストアーカイブ。

メイカーズファスタは数多くの謎と宿命を携え、日本列島にて助けを求める者たちのために、全力をかけて救出作戦を決行する。



時を同じくして、別の地へと移る。

羽田空港。

フラウドレス、サンファイア、アスタリスの前に現れた“白鯨”、“ニーベルンゲン形而枢機卿船団”。

現実離れした異形の生命体“白鯨”というものを前にした時、畏怖するというよりも違和感に関連した“歪さ”がフツフツと湧き出てきた。

これは白鯨では無く、“白い巨人”である⋯と。

完全に白鯨⋯クジラとは言えない姿だったのだ。だがこれをニーベルンゲン形而枢機卿船団の面々は白鯨と呼称した。

白鯨から発出される、高周波怪音波。フラウドレス達はそれに悩まされる。

苦しかった。

どうしたらいいのか分からなかった。

白鯨とこの白装束の9人。

関係性は深いものと断定した。

フラウドレスの潜在意識が覚醒し、白装束の一人をズタズタに惨殺。憤怒が彼女の意識に呼応した。全ては主君のため。

私は全てを破壊する。

二人との絆を引き裂くものがいるなら、容赦はしない。

二人が私の全てだから。

サンファイアとアスタリス、二人と紡いできた時間。

きっとそれはもう⋯絶対に⋯感じ得ないものだから。

私が私でいれる理由。

私の生存本能は二人にある。

戦いが始まった。

とは言っても、この戦いに私の潜在意識覚醒を要する必要性は無かったと後から感じた。その時はコイツらをただただ殺したい⋯そう思っていたから。わたしの力でコイツらの命が潰えるなら、それでいいと思っていた。

だが、予定外の事象が起きる。

“聖撃”。

苦しい中にも偽りの微笑みを感じる。

光の柱となって、私達に降り注ぐ聖撃の嵐。白鯨は敵だ。

そんなこと、端から分かってた。

争いの始まりは、いつにも増して心情への激核を感じる。私は全てを屠る。

そうする事で、私は私を強く感じる。

そうやって私は⋯ヘリオローザとの契約を結ぶ。

⋯?

今まで契約を結んできたんじゃないのかって?

私が彼女を認めた⋯それに過ぎない事よ。私がどうやって私でいれるのかは彼女が大きく関係している。ヘリオローザだって生きているんだ。私の中で生きている。だからヘリオローザの存在を中心的に考えてもおかしくないと思った。

ヘリオローザが私の制御から入れ替わって、白鯨とニーベルンゲン形而枢機卿船団への攻撃。可能性を捨て去る希望という絶望の方舟。

真逆の事を伝えているようになってしまったが、希望と絶望は私にとって両極端でありながら、表裏一体。薄い薄い壁で隔てられた二つの絶界の覇者。

ラキュエイヌの血盟の海を泳ぎ、私へと結実した。彼女とのコミュニケーションは、ラキュエイヌであるが故の必然的なもの。ヘリオローザは私無くては無い。

それに伴い、私にとってもヘリオローザは大事な存在。

衝突し、それぞれの意見が合致しない日々も多々あるけど、私はヘリオローザを受け入れると誓った。ヘリオローザを⋯強く思いたい。強く⋯想いたい。

沢山の出来事を共有して、ヘリオローザがまだ過去のラキュエイヌで体験した事の無い、事象を起こして見せたい。

だって、セブンスに取り憑いたのは、フラウドレス⋯私が初めてなんだもん。

ヘリオローザがビックリするような出来事を歩む。

フラウドレスとヘリオローザ。

セブンスとしての能力と今までのラキュエイヌの記憶を武器に、私達は無敵の能力を携えた。




そんな私達にも逆らえない事象が起きてしまった。白鯨とニーベルンゲン形而枢機卿船団との戦闘。こちらが完全に優位な立場につき、戦闘が終わりに兆しを見せ始めていた時、白鯨が最後に死の淵を感じたのか⋯最後の追い込みを掛ける。

“追い込みを掛ける”。何ともまるで、『白鯨の方が勝っている』とでも解釈出来そうな表現にはなってしまったが、完全に私達の方が上手な戦況。

白鯨は再び、自身がこの世界に降誕した際に発動させた“光輪”が出現する。その光輪が四方八方、至る所から出現し、私とサンファイアとアスタリスの身体を取り込もうとしてくる。高速と多角的、更には超多数の光輪が3人を“回避行動”へと集中させる。

攻撃を主としていた場において、このような事態に発展すると、3人の戦意が異なった方向へと湾曲。光輪の魔の手は留まることを知らない。白鯨を攻撃して奴の支配から逃れればいい⋯そんな思考に辿り着くのは光輪の支配が始まった直後だ。

出来なかった。

出来ない。

出来ない。

白鯨は私達から自由を奪った。回避に専念するしか無くなった。嘘だろ⋯このままだと⋯この光輪の中に取り込まれてしまう⋯光輪の内部は⋯漆黒。

何があるか分からない⋯異次元への入口。全ての生命体を虚無へと還し、生命としての尊厳と原罪をリターンさせる終局への始まり。

フラウドレスもヘリオローザ。二人の力を持ってしても光輪の中から、元の世界に戻ってくる事は不可能だと推測。負け戦は嫌いだ。一瞬の隙をついて、反撃に出た。ルケニア黒薔薇の荊棘を発動させるタイミングがやって来たのだ。だが

その攻撃も光輪中へと収められてしまう。何処に繋がっているのかも分からない別次元の世界へ、私の攻撃は吸い込まれていく。


そして⋯最悪の展開が私の心を食らう。

サンファイアとアスタリスが、光輪の中へ取り込まれてしまったのだ。私はその一部始終を目撃。私が⋯二人を守れなかった。その際にも訪れる光輪の追い込み。回避を余儀なくされる中で湧き出る怒りと憎しみと嘆きの連鎖。

そして私を責める私自身の心。信条から背いた⋯なんてそんな事を思ってしまう事もあったが、私は認めない。絶対に認めない。

ヘリオローザ⋯⋯ヘリオローザはどう思っているのか。ヘリオローザだってそう思っていたはず。ヘリオローザに任せておけば良かったかな⋯。私じゃ二人を守れなかった。ヘリオローザの考えだけじゃなく、制御そのものを彼女に任せておけば、二人がこんな事態になる事無かった⋯。

私がただただ弱かった。

責める。

冷める。

醒める。

心を蝕む異物の言霊。

口にしていない言葉を魔霊と呼んでいるが、正に今それが起きた。

光輪が私に迫る。

何度も何度も回避を行っていると、白鯨も学習機能を機能させ、周期的な光輪の攻撃が不規則なバラバラの手法を用いる物に変動。それにも私は何度も回避する。

意地でも回避し続けた。それでも止まらない学習のステージアップ。次第に光輪の数が増えていくと共に、新たなパターン行動を発揮。これが最終的な段階なのかは不明だが、前段階よりも遥かに能力を上昇させたシチュエーションを披露。



『最終的な段階なのか分からない』

その言葉の真意とは、私が光輪の取り込まれた事を意味する。その先も更にその先も、白鯨は進化していく事だろう。だからこのような表現をした。どんな攻撃も光輪に取り込まれる。私には⋯⋯為す術が無かった⋯。認めたく無かったが⋯、、私の負けに終わった⋯。


光輪の中⋯次元の狭間を彷徨っているような感覚に陥る。暗黒の世界で構築された虚数空間。私は何処に連れて行かれるのだろう。感覚⋯うーん⋯分からない⋯⋯今⋯私が瞑っているのかも分からない。これが直視覚映像なのか⋯。

長い間、ここにいた。

何も出来ない時間は退屈だ。

しかし、それは何もしようとしないだけで本来の退屈さとは違う。私が体験したのは“何もさせてもらえない”、奪われた心意の一片。

欠けた自我の再生が終わりを迎えた時、私の失念が新天地へと覚醒。絶望から目を背け、必ずしもまだ、私自身が終わっていない事を信じた。

情け容赦無い、虚数空間の暴走と終焉。


私が次に目を醒ました先は新たな大地。ヘリオローザの記憶にも無い、未知なる世界だ。光輪の行く先はこんな所か⋯。いっときは地獄を予想していたが、一応意識もあるし、“生きてる”って感覚はある。

だが⋯二人の姿が無かった。それに⋯二人の名前を思い出せない。そんな時、ヘリオローザが助け舟を出した。


「サンファイアとアスタリスだろ」


なんで私は二人の存在を忘れようとしていたのか⋯。そんなの⋯大罪だ。友達としてあってはならない事。二人と会いたい。二人を捜すために、二人と合流する為に、私はこの見知らぬ大地を徘徊した。

そして高台から見えた巨大な都市。その都市へ入るためのゲートを確認した。私と同じ光輪に取り込まれたのなら⋯二人があそこを集合地として定めるかもしれない。いや、間違いなくそうするはずだ。私は都市への侵入を図った。

ゲートの近く、⋯と言っても、木々に隠れ、様子を窺う。

警備兵は二人。

うん⋯大丈夫な気がする。

手段を選ばない⋯“最後通告”を致すのならば、それほどの覚悟を決める必要がある。全くの無知で都市の関門を襲撃する事になる。都市がどれだけの軍事力を誇るか不明だが、私に刃向かえようがない。

その心意気が白鯨の光輪を想起される事で、拭われる対象に選定されゆく。


そのゲートに一台のトラックが現れる。そのトラックには奴隷と称された複数人の男女が荷台に積載されていた。ゲートの警備兵はその積載された奴隷を見ると、虐殺を開始。この奴隷は“教皇”と呼ばれる存在に見せるに値しないものだという。そんな、見せるに値しない存在は消すのが常のようだ。何とも人外の心情を持った非道な奴らだ。

ゲートでの絡みを拝見し、当該都市の大体の文化は予測出来た。殺しなんて日常茶飯事なんだ。なんの躊躇いも無しに、人間を殺したからな。

奴隷として積載されていた男女は、恐れ慄いていた。

そのトラックは去り、またどこかから奴隷を積み連れてくるという。


新天地にやってきて最初に判明したのは⋯この街がイカれてるという事だ。

そして再び、トラックがやってくる。2台目のトラックだ。

同じように警備兵二人が荷台を確認し、ドライバーも同行。すると先程とは違う反応の色を示す警備兵。どうやらこの奴隷は“値する”ようだ。

しかし、次の瞬間、ドライバーの女が、警備兵の首を斬撃。頭と首から下を分離させてしまう。同じ虐殺ではあるが、まったく異なった手法だ。それに⋯あの虐殺を実行したドライバーの女。並外れた人間⋯と、判断していい範疇のものなのか⋯。

もしかすると⋯あれは⋯私と同じ⋯?能力者?奴隷が警備兵の目に止まったわけ。謎のドライバー女。私の疑問真相追求心が頂点に達し、私はこのトラックの車体上部に足を下ろす。

難なく都市への侵入に成功した。車体上部に長居するつもりは無い。直ぐに私は車体上部と平行な高さを維持した建物に移動。


建物を降り、高台から眺望していた都市の中心区画へと到達。そこでは“乳蜜祭”が開催されていた。

奴隷を大陸の神“グランドベリート”に捧げる儀式。その奴隷というのは“セカンドステージチルドレン”。この戮世界と呼ばれる世界にも、SSCがいる。その事実が私を困惑させ、動揺の沼へと誘う。

原世界。私がいた世界のことをそう呼称するようだ。原世界と戮世界はシェアワールド現象において、様々な事象の際に二つの世界の均衡と調和を維持する為に、同期させる必要性がある。原世界での世界戦争が発生し、戮世界ではシェアワールド現象の凶兆⋯“汚染物質”が蔓延する。

何年経っても収まることの無い汚染物質問題への打開策はグランドベリートへの生贄を捧げる方法だった。それも、ただの生贄じゃ意味は無い。

超越者“セカンドステージチルドレン”の血盟を使用する事。代償の存在は大きければ大きいほど、効力は上昇する。

商人と客で賑わう広場。私はそこで立ち尽くした。

⋯⋯

あれ、レリーゼさんと会ったのって⋯これが初めてじゃないよね⋯。初見って⋯いつだったっけ⋯。

まぁイイか。


立ち尽くしている所にレリーゼさんが手を差し伸べる。

気づいたら時間は深くなっていた。

レリーゼさんの優しさで私は、家に泊めてもらっていた。

なんか、急に説明口調が淡白になった事は私の記憶が新しいからだ。もう原世界の事はあまり覚えていない。

二人の事は例外だがな。ええっと⋯⋯あの⋯

「サンファイアとアスタリス!」

あーありがとう!ヘリオローザ!

「もお、こんな使い方をするンじゃねぇぞアタシを誰だと思ってるの!?」

あ、あのさァ⋯ちょっとさぁ⋯私ぃ・もう疲れちゃった⋯⋯だからさぁ⋯⋯あのぉ

「は?え、、マジで言ってんの??アタシがここからやるって言うの?」

うん⋯

「はァああああ!?いやほんとにムリ!マジでマッッジでいぃぃいやぁぁあああドゥワア!!」

お願い⋯ちょっとだけでもいいから⋯。

「はァァァ⋯⋯、、、、、ちょっとねちょとチョとね」

おねがいね。


「お姉さんとオッサンに匿われてもらってぇ、朝メシ食わせてもらってぇ、アタシは寝てたから知んねぇけど教徒になれと言われてぇ、あそうだここを居住させてもらう代わりかぁ、んでぇーロングヘアからショートカットにスタイルチェンジしてぇ、服も教徒用にしてぇ、ローバーとかいう見た事もねえ車に乗ってぇ、大聖堂来てぇ、教母の綺麗なお姉ちゃんにレリーゼ姉さんが大叱責食らってぇ、んでぇーーーーーー、バレたんだよな、アッシらがこの世界の人間じゃない事を。スンゲェーなぁこの教母の綺麗なお姉ちゃん!何者なんずワァ?この綺麗なお姉ちゃん!彗星!彗星!マッツェンタ!マッツェンタ!お前、この教母の綺麗なお姉ちゃんの話聞いとけよなー!」


あーもうイイよ⋯。

「ンそ」



都市への侵入に成功した“アトリビュート”の四人。

トシレイド、アッパーディス、ミュラエ、ウェルニ。

仲間であり系譜として崇める対象であるセカンドステージチルドレンの血盟を救出するために“奴隷帝国都市ガウフォン”にやってきたのだが、急遽作戦行動が変更される。

「ちょっと教会寄ってもいい?」

ウェルニが教会に入り、大司祭を含めた教信者を惨殺した。

事情が変わってしまう。そこまでする気は無かった。七唇律聖教の端的な機関だが、攻撃した事には変わりない。アトリビュートは帝都を後にし、一時退却を実施。巡視警戒群により、時間が経てば虐殺の現場も見つかるからだ。


時間も更けてきた。ブラーフィ大陸の北方、港湾都市の近辺まで逃走。そこで見つけたのは一つの山小屋。こんな森奧に山小屋があるとは⋯四人がやることは決まっていた。

議論する必要も無い、総合意見の音速意識合致。

ウェルニが先遣となり山小屋へ。ウェルニは迷い子として偽り、血の舞台が完成した。唯一予測出来なかった事は、山小屋に住む男5人グループが、人身売買を行う非道集団だということ。生者は居ない。死臭が酷かったが、奴らはこの臭いに気づいていない⋯と勝手に解釈したようだ。

ウェルニが中学生の身体をしているからといって、とち狂った男どもは少々舐めているな。

そこからウェルニは男達へ裁きを下した。

飛び散った流血と部位の切断。腕も足も眼球も舌も生殖器も内臓も⋯掃除には一苦労した。そんなこんなで、疲労が溜まったウェルニは爆睡。深い眠りにつき、翌朝になっても起床する事は無かった。


作戦オンタイム。乳蜜祭最終日。作戦を開始するにはラストチャンス。出発定刻にもなって起床しないウェルニ。どうやっても起きる事が無いウェルニを後に、そしてミュラエを残し、男2人・トシレイドとアッパーディスで先行して帝都ガウフォンへと向かう事にした。


ミュラエとウェルニ。

名前が似ている事から、姉妹である説明をするのは必要ないだろう。昨夜、死体を処理する際に確認出来た港湾都市の灯り。あんな真夜中に勤務しているんだもんなぁ。頑張ってんだなぁと素に感心。山小屋の奴らも港湾都市と関係のある人物のようだ。インテリアの引き出しから“ディーゼリンググランドノット”の通行許可証を発見。

普通に勤務しているやつでさえも、あんな非道を起こすんだな。まぁ私らも言えた事じゃないけど。港湾都市に行って、なんかパクって来るか。

そう思った刹那、山中の湿地帯を歩いていると、一人の男を見つける。私は咄嗟に奴の動きに不審なオーラと同一系統のエネルギー波を感知。

それに⋯今、目視している彼の肉体は嘘っぱちの“装具”。欺きの肉体を何故、着飾っているのか。見た目は私と同じ中学生の容姿だが、中身は乳幼児。

信じられない⋯。アレは⋯なんなんだ⋯⋯。

第七章、予定変更でそのまま【フラウドレス編】を書きます。

この調子でガンガン進んでいきます。

とにかく書きます。


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