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Lil'in of raison d'être/リルイン・オブ・レゾンデートル  作者: 沙原吏凜
第一章 夭折の叛逆/Chapter.1“Rebellion”
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ep.17:罪業の遊弋

只今、ツインサイド全域に緊急避難警報が発令されました。都民の皆様には大陸政府が指定した交通網を使用し、秩序を持った避難を開始してください。

[#17-罪業の遊弋]


───────

只今、ツインサイド全域に緊急避難警報が発令されました。都民の皆様には大陸政府が指定した交通網を使用し、秩序を持った避難を開始してください。繰り返し、ツインサイド全民へ緊急避難警報のお知らせです…

───────


次第に落下速度を増していくツァーリ・ハーモニー。


剣戟空軍第3航空師団戦闘機ファイティングファルコンが5機の編隊を構成し、落下爆弾の駆除を開始する。

機銃掃討を敢行するが、エゼルディ乗員の落下爆弾防衛部隊が耐熱耐圧耐核シールドを生成。

機銃掃討は失敗に終わる。


更にファイティングファルコンは、操縦桿の制御を奪われ、意図しない行動を起こす。

フェーダによるサイコパワーだ。

そのまま抗う事ができず、撃墜されてしまう。


落下速度が目に見えない速度にまで達する。


「ツァーリ・ハーモニー、フォルムチェンジ。」

「了解、ツァーリ・ハーモニー大爆発起動形態へ。」

種子型を模してたツァーリ・ハーモニーは、落下したまま姿を変えた。極大化を遂げ、剣戟軍が知らない未知の兵器容姿を模していた。


「おい…何だこの姿は…ツァーリ・ハーモニーにこのような形態変化が備わっていたのか?」

「そんなはずありません…!ただの原子爆弾です。威力が絶大すぎて、企画開発段階のままに置かれていた“未完成品”です。」

「一体なぜそんな物が奴らの手に渡っているのだ!?」

「恐らく、アドバンスドユダフォートで完成品として仕上げる予定だったのでしょう。」

「その通りです。ツァーリ・ハーモニーは、未完成でしたので、アンチSゲノムブッシュ内蔵可能な特殊兵器として再開発の途中でした。それがフェーダに盗られてしまったようです。」


この短時間で完成品にまで落とし込み、変貌まで可能にさせたフェーダの科学力。

単なる“科学力”という言葉で片付けていいものなのか…。

人智を超える超次元的な文明を齎されているのか…。

防衛プログラム搭載のツインサイド管理人工知能AIは“alert”の避難指示を提案。

これは民間人に対しての回答であって、米軍やツインサイドを守る者からしてみれば、これは戦闘配置時に表示される危険信号だ。戦争の始まりを表すこの回答に、剣戟軍は今集められるだけの隊員を全てツインサイドに出動させた。

ツァーリ・ハーモニーが再び新たなる変化形態へ。


「あの“蝶”のような姿…恐ろしいな…。早く!撃ち落とすんだ!」

「ダメです!落下爆弾自らが発生している、重力波動が外敵からの攻撃を防いでいます。」

「なんてことだ…、、まずいぞ、、」

「まもなく!落下爆弾がバリアに直撃!衝撃に備えてください!」


そして、ツァーリ・ハーモニーがレッドテラフォーミングに直撃。尋常では無い熱核エネルギーがツインサイド全域とその周辺領域を襲う。


大規模な熱焔が所構わず吹き飛び、居住地域にも甚大な被害を発生させた。一瞬にしてツインサイドが光と煙に包まれる。視界を邪魔する粉塵が消え、エゼルディから捕捉された直下映像をサリューラスが肉眼で確認する。


「そうか…やっぱ、アンチエネルギーは凄いね…関係ないんだ…。」


ツインサイド空域を抱擁していたアンチSゲノムブッシュ内蔵のレッドテラフォーミングは、ツァーリ・ハーモニーの熱核エネルギーを可能な限り防御。

一時的に落下運動が停止した所を、地上に46基配置されていた《指向性エネルギーレーザー兵器》が落下爆弾を一極集中斉射。


欠片として街に吹き飛んだ《中性子》も出来うる限りは、応援として駆けつけた航空部隊と地上狙撃分隊ディードが長距離射撃。

「アルファタイガー、報告せよ」

「こちらアルファタイガー、中性子と思われる目標物からの熱焔照射物は最低レベルまで撃滅」

暗視スコープを使用した炸裂弾を食らわせてやった。間一髪で、ツァーリ・ハーモニーの爆撃は都市にまでは及ばなかった。

だがこれは、サリューラスの範疇。


「ここからだよ、ようやく、邪魔なものが消えた。これで僕達が下に行けるね。」


あの二人をこの任務に出撃させるのは止めた方がいい。

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