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“俗世”ד異世界”双界シェアワールド往還血涙物語『リルイン・オブ・レゾンデートル』  作者: 虧沙吏歓楼
第拾四章 ギンヌンガガプの使徒/Chapter.14“Finale:MilkyHoneyFestival”
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[#118-裂け目より来たりし【1】]

[#118-裂け目より来たりし]


───Side:ウェルニ・セラヌーン。


光柱は攻撃性を帯びたエネルギーへと、いつしか変化。

それに即座に気づく事が出来たノアトゥーン院長は、ウプサラソルシエール幼生体を防御陣営にて展開。すり抜けの光柱から、恐ろしい殺戮兵器へと切り替わる瞬間は、もうすぐそこまで来ていた。


ベルヴィー、ナリギュ、フレギン、マディルス、パレサイア。

以上の六名はノアトゥーン院長の呼ぶ場所まで辿り着く事が出来た。辿り着けた理由、というのは単にまだノアトゥーン院長の元へ辿り着けていない修道士、ネラッドとギイシャスの二人が発現させたロビィナ等級が既にウェルニ兼レピドゥスへ、臨戦態勢だったためだ。

一歩遅れた形での白鯨を終息させる作業となった事で、二人は他の修道士よりも足が遅れてしまう。二人は余裕余裕⋯といったような表情を浮かべながら、ノアトゥーン院長の元へと進む。


しかし、そんな二人の頭上に光柱が降り注ぐ。二人は光柱が降り注ぐ光景に、一切ビビり散らかしていない。それはここにいる乳蜜学徒隊カナン・ヴェロニカの修道士みんながそうなのだが、二人以外に直撃している光柱は“中身”がすっからかんの透明性を十分に帯びたものであった。

よって、ギィシャスとネラッド以外の修道士は、光柱からの攻撃的な事象を受けていない。


⋯というか受けようはずが無いものだ。視覚面においては“攻撃性”と解釈してもいいのかもしれないが、痛みを伴っていないのでこの段階ではそのような捉え方をしていない。


だが⋯事は突然な変異を齎していく。


光柱が直撃。攻撃性を帯びた存在へとモデルチェンジを果たし、一気に“逃げ遅れた”ギィシャスとネラッドの元へと降り注ぐ。

「ギイシャス!!」

「ネラッド!!」


ベルヴィーとナリギュの二人を代表例として上記の台詞紛いな言葉を列挙したが、当然、他の修道士仲間も二人の名前を必死になって叫んでいる。

ノアトゥーン院長は、自身が生み出すウプサラソルシエール幼生体の力を最大限に引き上げ、二人の保護を最優先にしていく。乳蜜学徒隊カナン・ヴェロニカの修道士全員を満遍なく上空保護の任に就いていたウプサラソルシエール幼生体は、二人を全面カバーに力を注ぐため、最大戦速にてディフェンス。


しかし、大陸に対し無差別に降下運動を放ち続ける光柱をフルブロックする事なんて高難易度な動きに身体が追いつくはずが無く⋯光柱による攻撃をまんまとその身に受けてしまう。

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