[#117-虚飾光柱【6】]
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ウェルニへのキャプチャー作業が行われかけたその瞬間、エリア周辺に光柱が注がれる。
それは一瞬にて辺りを眩い光で覆い尽くす。大陸へと注がれていった光柱は、上から下への降下運動を終わらせると、そのまま地中へと差し込まれていく。地中への侵食が行われる際、周辺に誘発される障害は一切無い。
地面に対しての掘削だったり、悪影響的な事象が発生するなど、害悪的要因を思わせるシーンすらも感じられなかった。
上空から降り注ぐ光柱はただただ乳蜜学徒隊とウェルニから、視点映像に光明さを灯したに過ぎない。そうなってくると生じるのは、人間をターゲットに指定した“障害”が発生していくことになる。
「なんだ⋯!?この光は⋯⋯」
「柱か⋯⋯⋯柱か次々と⋯地面に突き刺さっていく⋯」
「ナリギュ⋯違うよ⋯⋯!!柱は、地面にめり込んでい⋯⋯」
「乳蜜学徒隊退散!」
「ノアトゥーン院長⋯」
ベルヴィーが最初にノアトゥーン院長の接近に気付くと、乳蜜学徒隊の修道士たちが、その声を聞いてベルヴィーの元へとその身を急がせる。
視覚機能が激減、各々の視力に75%カットが施され、通常時よりも圧倒的な“見づらさ”のまま、修道士たちは生き苦しむ。光柱の降下運動が止まらぬ中、地面にめり込んでいく動作に何らかの異常現象が発生していくことに気付いたノアトゥーン院長は、乳蜜学徒隊の修道士たちが、自身の元へやってくるまでの道程に、ウプサラソルシエール幼生体が防除陣営を展開。光柱の降下運動は、今までが地面と乳蜜学徒隊の修道士を“すり抜ける”ように作用していた。
しかし⋯⋯⋯
一万エピソードなんて、希望者ゼロ?




