[#101-情欲に溺れぬ女]
嫘姐は女の子。
[#101-情欲に溺れぬ女]
───Side:ヘリオローザ
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フラウドレスがロリステイラーの中で、生命誕生の兆候をサインする。先述したように受精卵が完成した頃、後にフラウドレスを“セブンス化”させる、ロストライフウイルスが抱擁。この光景を見たヘリオローザは直ぐにその場から退去。遠目からの観測を開始した。この時、アタシ、ヘリオローザは自分の選択に誤りが無かった⋯と本当に、本当に誇りに思っている。もしあの時、フラウドレスとの契約締結をしていれば、ロストライフウイルスがアタシにも感染し、奇病が発生した赤ちゃん⋯として、ロリステイラーのお腹から産まれていただろう。奇病だけでは収まっていれば、なお良かったこと⋯。ロリステイラーの身体を破壊するカオスな化学反応も考えられた事象だ。本当に良かった。あそこで分かったのが、『あ、別に⋯契約締結は、産まれた後からで良いんだな⋯』と思った事だ。ロストライフウイルスは、フラウドレスが“胎児”へと成長した時には、外部からは消失していた。ここでロストライフウイルスは完全に、ロリステイラーの身体から、フラウドレスの体内へ“移植”した事になるんだ。
“移植”って⋯まるでアタシと一緒じゃないか。やってる事もほぼ同じ⋯なんだか先に席を取られたような感じだ。だが、ここで引き下がる訳にはいかない。アタシだってもう1000年以上は移植を繰り返してるんだ。何を、最近ラキュエイヌに感染し始めた若造に、新席を取られたからってムキになってんのよ。ロストライフウイルスとは、最終的には接触する事になる。これに関しては⋯アタシのギャンブル魂が光った場面。過去のラキュエイヌにそんな奴がいた。
“サバルビーム・ラキュエイヌ”。
サバルビームの特色は今でも、アタシに引き継がれてる。あんまし利用した事は無いけど、特に限界量とかも無いから、一応今まで捨てずに持っておいた。“捨てる”の概念合ってるのか知らんけど。
アタシが初めてフラウドレスを真ん前で見た時は震え上がったなあ。なんか今までと放ってるオーラが違ったんだもん。まぁそれはロストライフウイルスっていうドーピングも大きく影響はしてると思うんだけど、元々⋯素の状態でも多分だけどフラウドレスは特別な力を持ったまま産まれた存在になっていたと思う。それをこんな、わぁけの分からんウイルスが侵入しちゃったから、今のフラウドレスが完成しちゃって⋯。まぁそれに関してはアタシも言えた事では無いんだが⋯。
でも!アタシに関してはしょうがないじゃん!アタシはこうやってラキュエイヌの身体を移植し続けないと生きていけないんだから。一応、自分の身体は形に出来ていたよ。現実に。なんだけど⋯欲しいじゃん?“家”って。後先知らずにアタシが母体ラキュエイヌと同じ、人間の身体を作ってしまったら⋯家から追い出されたり⋯なんと言うか⋯面倒な展開が待ってると思わない?単純に迷惑掛けちゃうんだよね。
『じゃあなんで戮世界の住人は、薔薇の暴悪を伝説視してるの?』
⋯⋯って、なるよね。
うん、、、アタシ、過去に色々と問題解決に力を貸してた時期があって⋯まぁ自警団的な?
⋯⋯⋯⋯まぁ、それはまたいつか、ね?話すよ。今は、きゃわいかったフラウドレスの赤ん坊パートを語らせてよ。
フラウドレスが胎児に近しい姿に成長した頃。12週目ぐらいだったかな。アタシはとうとう、フラウドレスに接触する事が出来たんだ。厄介なロストライフウイルスは彼女の中に入っていた。⋯⋯もう仕方無い⋯と思って勢いよくダイブしたんだ。いつもと感じ的には同じ。ロストライフウイルスがフラウドレスに感染してるから⋯と言って、特段いつもと比較して変わった移植作業は無く⋯通常と何ら変わりなく過程を終わらせた。それにしてもフラウドレスは可愛かった⋯。うん、もんのすごく可愛かった。
まぁ、これはいつもと同じ。同じ感想を抱くんだけど、なんだかとんでもなく可愛く思えたんだよなぁ。フラウドレスの両親はイケメン&美女だったし、その遺伝子を合体させればまぁ、現実的な美形なんだけど、それにしても⋯と思った。
なぁんでかなぁって、思ったら⋯⋯
『あ、アタシ、ラキュエイヌの胎児の姿、案外見たの初めてじゃね??』って事に気づいた。
そうなの。アタシ、受精卵の時に、新たな次のラキュエイヌに移植するから、母の中にいる時のラキュエイヌの“外見”を知らないんだよね。
すっごいややこしいでしょ。アタシも話しててそう思うもん。
或る意味、ロストライフウイルスのおかげで初めて、お腹から出る前のラキュエイヌを視認出来た。まだ腕と脚が、どっかの昆虫みたいな感じでニョロニョロ〜としてる。顔の形状も整ってない。だけどなんか、これから生きるんだぞ〜っていう気合いを強く感じた。フラウドレスにはその覇気が強くあったんだ。⋯⋯⋯⋯元々の素質だと思いたいよ。思いたいけど⋯ロストライフウイルスの影響が強く働いてると思われる。まったく、フラウドレスの個性をぶち壊しにしやがって。このバカ!バカバカ!バカバカもんだよ!バカバカ!バカバカったら、バカバカ!!アタシにこんな馬鹿が使う言葉、使わせないでよね。
⋯と、とにかく!可愛かったの!12週目のフラウドレスを初めて見た時が!そこからムクムク成長していって、フラウドレスにはまったく意識も無いから、コミュニケーションも取れないし、つまらん時間が無情に流れてた。
火曜日の小学校で友達と『日曜日遊園地行こう!』とか約束していたのに、雨天で中止になったあの感じ。雨天中止になったからって、近くの公園とかで集まりもしないんだよ?遊園地に行く予定でパンパンだった日曜日は全ての時間がフリーに。でも、結局遊園地に行きたかっただけだから、何か予定を立てようにも『遊園地行きたかったー』ってなって、テンション高高度落下。
アタシにはそんな“虚無な日曜日”がずっと続いていた。ロストライフウイルスはアタシみたいに言語器官を搭載していない。それにフラウドレスの体内を這いずり回っても、ロストライフウイルスの影すら見えない。きっともう完全に溶け込んだのだろう。
⋯⋯早すぎだろ。引っ越してきたら先ずは、隣人にご挨拶でしょうが。非常識なウイルスだなー。
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たまに訪れる両親の声と、手のお腹サワサワが心地よかった。これは何度でも経験したいやつだ。気持ちいい。父・デュピローと母・ロリステイラー。2人それぞれの声の掛け方と手のポンポンサワサワには異なったリズム感覚と手触りがあった。
デュピローは結構大胆。ポンポンじゃなくて“ボンボン”みたいな、“THE・オトコ”の大雑把さ。まぁ別に嫌とかキライ!とか⋯マイナス評価をする訳じゃぁ無いんだけど⋯なんと言っても母・ロリステイラー、通称・ラキュエイヌの女神⋯とアタシは勝手に謳っている御方なんですけど⋯。その女神様の手触りというのがほんとうに素晴らしすぎるんです!もうね、気持ち良すぎるんよ⋯。さぁいこう!!って気分が高まっちゃうんだよね。これをもっと前から体験したかったなぁ⋯って思っています⋯⋯⋯⋯⋯。だからこのアホバカクソウイルスにはかなぁりの怒りを覚えている。今でこそ、フラウドレスの力を限界突破させるほどの強大な力を付与してくれているから、何も言う事は無いだけど⋯。それにアタシみたいにベラベラと喋る意志は無いしね。
デュピローとロリステイラー。デュピローがラキュエイヌ血統じゃないから⋯っていう理由もあるかも知れないけど、ここまで父親と母親の“手つき”に違いが現れたのは初めてだ。⋯⋯違和感を感じるぐらいの出来事として受け取ってもいい気がするけど、その時は特段注目はしていなかった。と言うか、今も深く考えようとはしていない。
時代背景もあまり変わってない。原世界では世界戦争が起きている時期に、アタシは多くのラキュエイヌに移植した。こんな事が同じ国で起きていようとも、人間というのは愛を育む。それしかすることが無いから⋯という事でも無く、ちゃんと愛し合った上での結果。そんな人間のひたむきな愛の重ね合わせに感動している。男と女が行為に至らないと、アタシはそのまま死滅してしまうからな。
だって想像してみて?年老いたラキュエイヌがもしいるとするじゃん?アタシそのラキュエイヌに生殖していて、そのまま誰ともセックスしなければ、このおっさんorおばさんと一緒に死んじゃうんだよ!?ヤバいでしょ?エグくないか?だからラキュエイヌには絶対エッチしてほしいのよ。もちろん赤ちゃんが産まれる方向性のヤツね。そうじゃなきゃアタシ何処にも行けないし、来るやつと触れ合えないから。ラキュエイヌ血統は、何の因果か分からないけど、プレイボーイプレイガールが比較的多かったから、30代以上までラキュエイヌを経験した事は無い。⋯⋯⋯ふつう、、、なのかな?30代までにエッチするって。
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それに比べて⋯フラウドレスは性に関して、一切の興味を示していない。『まだ、3歳だからそりゃあそうでしょ』って思うじゃん?違うのよ。人間なんて別に、性欲の解放が表面化されるのが、少年少女期以降を過ぎてからで内面的にはもう来ててもおかしく無いのよ。実際にほとんどのラキュエイヌが性欲を覚えるタイミングが、ハイハイを卒業して以降。1歳になったぐらいかな?そっから2ヶ月とか3ヶ月。“歩行”というのは赤ちゃんにとっても、一つの技術的特異点。歩行が可能となると出来ることへの尺度は大幅に拡大。その中には“欲求”も含まれており、人間が生きる上で必ず覚えていく事になる、欲を、この時点で覚える事になるのだ。性欲に関して表面化されるのは先述した通り、少年少女期以降の話。
でも不思議なんだよね。フラウドレスにはその兆候がまったく無いんだ。ゼロ。まったくのゼロ。マーチチャイルドに送還されてしまったから⋯そういった過去のラキュエイヌ血統には無かったイレギュラーな要素が含まれてしまったが⋯。それを差し引いても尚、やっぱりフラウドレスの生態には疑問を抱く点が多い。マーチチャイルドでは隔絶された空間を生きる事になったが、だとしても性欲を覚えられない空間⋯という事でも無い。何せ、サンファイアとアスタリス、2人の男の子といつもマインドスペースを通じてコミュニケーションを取っていた。男と意志交換する時間なんて沢山あったのに、フラウドレスは一切それを覚えなかったんだよな。
当該事象も、流れ的にはロストライフウイルスが一因にある⋯とにらんでいる。と言うか、まぁそうだろ。絶対。
⋯って考える、だよ?ロストライフウイルスに感染している同じセブンス化した、サンファイアとアスタリスもそうなのか⋯?と思っていた。
結果的に言うと⋯分からん。サンファイアとアスタリスは、フラウドレスに対して恋心以上の感情を抱いている。最早それは、言葉で表現出来ない“愛の最大価値”。近しい言葉で言うなら“寵愛”とも表せるかもしれないが、2人の感情はそんなものでは無い。とにかく2人はフラウドレスが大好き過ぎて、性欲の対象にも出来ないぐらいの想い。アタシがこうやってサンファイアとアスタリスの想いを、どうにかして勝手に表現しようとしているのが、馬鹿馬鹿しくなる。サンファイアとアスタリスは、フラウドレス以外の女とコンタクトを取った事が無かった。
そう、セラヌーン姉妹と出会うまでは。
ニーベルンゲン形而枢機卿船団の中、一番最初にあの海中トンネルで出会ったアルヴィトルは、完全な警戒対象としてマンマークしていたから、雑念感情は無い。セラヌーン姉妹が、本格的な女とのコンタクトとなった。
セラヌーン姉妹とのコンタクト。2人とセラヌーン姉妹の関係性。あの時、一瞬しか味わえなかったが、まぁ険悪な空気感では無かった。それは確か。それに⋯この、ミュラエ。だったよな、このイカレ女ラージウェルの魔女と戦っているのは。彼女が口に零していた、『サンファイア』の言葉。これが一方的な愛なのか、相思相愛なのか⋯。2人の関係性を知らないので特定は出来ない。ロストライフウイルスが齎す効果は、全員が全員同一の内容だとしたらサンファイアからミュラエへの愛は無いに等しい。サンファイアが今、“向こう側”で誰を思い、誰と会うために戦っているのかが分かれば、それは直ぐに判明するだろう。
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ラージウェルの過去。歴代ラキュエイヌ血統のおかげもあって、ヘリオローザは多くの繋がりを目にする。
「あー、カーライルね。なんかそう言ってたような、そう言って無かったようなー⋯」
「⋯⋯⋯⋯⋯」
反論したくても反論出来ないラージウェル。先程までの余裕が嘘のように呆気なく、この身を崩す。ヘリオローザに平伏した。
「⋯⋯発言許可のモーションバリケードプロトコル、解除」
ニュートリノ・レイソ『イヴァンリッピ』に指示を与えるヘリオローザ。ヘリオローザの背後に位置していたイヴァンリッピは、現在光学迷彩能力を有効化し、他者からの視認は不可能な状態にあった。そんなイヴァンリッピが光学迷彩を解除し、ヘリオローザの言葉に反応する。
「ん?何その態度イヴァンリッピ。アタシの言葉が分からないー⋯なんて言うんじゃないでしょうよね?」
イヴァンリッピは宿主ヘリオローザの指示が理解出来なかった。ラージウェルに対しての対応が甘い⋯と思っているのだ。
「発言を許可してあげるだけだよ?イヴァンリッピ。ちょっとくらいはさ、ほら⋯そうしなきゃラージウェルの言葉も聞けないからつまんないのよ。アタシがバァ〜っと一方的に話してても物語の進行的には“弱いの”。そりゃあアタシがめっちゃ強者的な描き方になると思うから、アタシ的にはいいんだけどね?⋯でも、、まぁほら、色んな各所方面の問題もあって、薔薇の暴悪が目立つのは今後のスケジュールにも悪い影響が出ちゃうと思うのよ。だから⋯ね?」
ニュートリノ・レイソ『イヴァンリッピ』は改心したのか、一部身体パーツに実行されていた瘴気濃霧のレベルを下げた。これによってラージウェルは発言が可能となる。今まで口を閉ざされていたラージウェルは、瘴気濃霧の効果が無くなった事によって、発声器官に緩みが生じる。一気に肺への呼吸が、開口した瞬間に開始され、咳き込んでしまう。ちゃんと言葉を話すまでには少々の時間を要する事になった。
◈
「きをつけて。急な空気の吸入は、人間にとっては危ないらしいから。“人間にとっては”」
ヘリオローザがラージウェルを心配する。なんなら膝を着き、呼吸に一時的な障害が発生しているラージウェルに寄り添っていた。だが実際は、ラージウェルを嘲笑いに来ただけ。
『人間は愚かな生き物だ。こんぐらいの時間、声を出す事が許されない悪性ウイルスを垂れ流しただけで、こんなにもの落ちこぼれたリアクションを見せてしまうんだから。それも解放してあげたのに⋯。ラージウェルが望んだ事をせっかく叶えてあげたってえーのにさ⋯。カワイソーカワイソーあーカワイソーカワイソー』
「ほんとうに、、、だいじょうぶ⋯」
「触んな!!」
ラージウェルの身体に触れようとした時、ヘリオローザの手を振り払い、攻撃態勢を取ったラージウェル。ヘリオローザを殺したい⋯ヘリオローザが従えてるウプサラソルシエールも殺したい⋯。だがそんな暴虐的な夢は朽ち果ててしまう。
ラージウェルの身体に、ウプサラエネルギーは残り僅か。最後の足掻きとして武器を成績は出来る程の微少なエネルギーしか無かった。ラージウェルは決心していた。これで奴を叩く⋯と。
「アアアアアァァァアアアァァァ!!!!」
阿鼻叫喚。ラージウェルはその場に崩れ落ちる。下半身から地面に着くのでは無く、顔面の方から先に地面に着くのが印象的だった。足の先に地面に着いたのは、顔面。これが中々の衝撃で、地殻を揺るがすほどのものだった。
天根集合知“重量極点集中”。ヘリオローザによる天根集合知攻撃で、対象物の一部パーツを選択し、当該パーツの重量を変更する事が出来る。それは、ヘビーになったり、ライトになったり⋯と重さの方向はただただ“重くなる”といったものでは無い。
ヘリオローザの天根集合知が、ラージウェルに掛けられると、その身の制御は完全にブラックアウト。気を失う直前までにラージウェルは追い詰められていく。阿鼻叫喚の声は止まらない。
「もおおおおお、声うっさいなー。イヴァンリッピー!」
イヴァンリッピがヘリオローザの指示を受けて実行に移す。“指示”と言っても、何か言葉を発した訳ではなく、ヘリオローザの顔色と目の動きで、全てを把握。イヴァンリッピはラージウェルに発言の強制停止魔術を再び掛ける。
しかし、ヘリオローザはイヴァンリッピの動きを止めた。
「ホントはね、もっとあなたの声、聞きたかったんだけど⋯あんんんまりにもうっさいから、やめにしたわ。あんた、七唇律聖教の人間なんでしょ?こんな弱くてよくやってられるね。枢機卿船団?あの、白装束の人がお仲間にいるらしいけど、あっちの方が強かったよ。なぁんで遠征に出向いてる方が強いんだよ。あ、そういうもん?遠征行ってる方が、強い感じぃ?アタシ的には本部で待ち構えてる方が、なんか“ガーディアン感”あって強いと思うんだけど⋯どう?ゲリィノート!イヴァンリッピ!」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「ヘリオローザ、ごめんね。ウチの八咫烏、出番が少なくて、少々お怒りになってるみたい」
「ヘリオローザ、八咫烏の出番は無いの?」
ゲリィノートとイヴァンリッピのテレパシーボイス。実際に口を開いたりする発声方法では無く、ウプサラソルシエールは、自分の心と相手の心の繋ぎ合わせによって、コミュニケーションを取ることができる。ヘリオローザはそれでゲリィノートとイヴァンリッピとの会話を果たす。
ニュートリノ・ヤタガラス『ゲリィノート』は、出番の少なさに苛立っているようだ。
「ごめんね、ゲリィノート。でもあなた、攻撃的な部分でしか活躍出来ないじゃない?だからさぁ、イヴァンリッピに頑張ってもらってるんだ」
「嫌なんだけど⋯。つまんねぇよ。だったら八咫烏呼ぶのやめてくれんか?」
「もお、そんないじけたりしないの。ほら、イヴァンリッピを見習いなさい」
「⋯?」
【勝ち誇ったようにゲリィノートを挑発するイヴァンリッピ】
「こんなのノロノロ動いてるだけじゃねぇか」
「はぁ?実際ヘリオローザの役に立ってるのは嫘姐ですぅ!」
「外見最悪だし、最終的には八咫烏の方が活躍出来るんだからな」
「ちょっと⋯⋯外見の事とかは言わないでよ⋯⋯⋯グジュん⋯⋯」
「あーあー、ゲリィノートぉ、泣かせちゃった。あーあ」
「はぁ???おいおい⋯嘘だろ⋯⋯これで泣くのかよ⋯⋯」
「言ったでしょ?イヴァンリッピ気にしてるんだからさ」
「そっちはいいよ!!八咫烏は⋯⋯イッカクみたいなカッコイイ感じ?八咫烏にピッタリだよ⋯⋯嫘姐はなんでシーラカンスなの!!??こんなのダサすぎるでしょ!?なんでこんななのよ!ヘリオローザ!!」
「し、知らないよ⋯そんなの⋯アタシが決めれることじゃ無いんだから⋯姿かたちなんて⋯」
「ヘリオローザ!あんた薔薇の暴悪なんでしょ??」
「いや⋯それとこれとは別だよ⋯」
今、イヴァンリッピが何故、激高しているのか。何故、ゲリィノートの発言に気に食わなかったのか⋯。
ウプサラソルシエールには人間と同じ“性別”の区分がある。ニュートリノ・ヤタガラスは男性、ニュートリノ・レイソは女性をそれぞれ示しているのだ。
ゲリィノートの無神経な容姿いじりは、毎度の戯れのようなもの。だがイヴァンリッピとしては、もうやめてほしかったみたいだ。アタシ的には、イヴァンリッピのシーラカンスに酷似した司教兵器形態も別に悪くないけどね。なんと言っても、古代生物だから。まぁ、、、ゲリィノートのイッカクに酷似した司教兵器形態と比べてしまったら⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯な、、、な、、ななな、、なななんてねえー。
「ゲリィノートにはゲリィノートのよさ。イヴァンリッピにはイヴァンリッピのよさがあるから!」
必死になって2体の宿主であるヘリオローザは、ご機嫌ナナメなイヴァンリッピを慰める。
「可愛いよ?イヴァンリッピの姿」
「どこが!?」
ヘリオローザの発言を遮るように言ってのけるイヴァンリッピ。
「その⋯原世界ではシーラカンスって、すっごい長生きしてる生物だったの。今じゃあもう絶滅しちゃったけど、レアもの!って感じがして凄いいいじゃない!」
「⋯嫘姐よ?ねぇ!ヘリオローザ?嫘姐なのよ?!」
────────
『私、女よ!?女なのよ!?』と言っている。
────────
「分かってるよ⋯」
「分かってないでしょげぇぇい!!」
「八咫烏も別にけっこう良いと思ってんだぞ?」
「アん?」
激ギレ。このままだとウプサラソルシエール同士の激突が起こってしまう。頼むぞ⋯ゲリィノート!お前に掛かってる!
「鱗っつうの?剥げてきてて年季入ってる感じがいいじゃん。長生きしそう。まさにシーラカンス。嫘姐にピッタリ」
「…………………」
何も言わなくなった、イヴァンリッピ。
「ヘリオローザ、これでいいんだろ?」
「いやいや…ゲリィノート。あんた下手くそか」
「は?何がだよ?」
「アタシ、仲直りして欲しかったんだけど…」
「黙らせろ…てゆう事じゃないの?」
「んな訳無いでしょうが!!」
「…………………」
「あーあ、ゲリィノート、泣かせちゃったよ」
「知るかぁ。なに、嫘姐の泣きべそを八咫烏が解決しろっていうの??ヘリオローザ」
「そりゃあそうでしょうが!」
八咫烏は男。嫘姐は女。ニュートリノ・レイソの『イヴァンリッピ』、姿かたちは直行的な“可愛さ”は無く、とても女性像とは表現し難い容姿を成している。イヴァンリッピ、グズる。2体のウプサラソルシエールは、上空にて浮遊中。ヘリオローザの近くに2体は浮遊していたが、イヴァンリッピはこの場から離れてしまう。ヘリオローザは離れようとしてしまったイヴァンリッピを呼び掛ける。しかしイヴァンリッピはその声に呼応せず、そのまま姿を消してしまった。ヘリオローザの腹部…他人からの目では確認できない、母体とウプサラソルシエールを繋ぐ“臍帯”を通して、ヘリオローザの中へ戻って行く。
◈
上空にはゲリィノートだけになる。
そして…前には血塗れのラージウェルが。そして、イヴァンリッピが体内に帰還した事によって、現実世界にて生じているイヴァンリッピ付与効果が消失。つまりラージウェルから失われていた発声障害と瘴気濃霧の被害はゼロとなる。しかし、ヘリオローザの繰り出していた天根集合知“重量極点集中”は継続されたままだ。
「……………」
「あ、忘れてた。ラージウェル、いつの間にか、身体ぐっちゃぐちゃになる前みたいな感じだね。たまにチラッとあなたが地面に圧縮されていく様子は見てたけど…こんなだった?アタシが見た時。ゲリィノートはラージウェルが“果てる”瞬間見てた?」
「いいや、興味無かったからみてない」
「あ、そっか。イヴァンリッピと仲良くしてたからねー」
「ヘリオローザ……八咫烏は別にそんな仲良くなんて…」
「えぇー?アタシからはそう見えてたよ?可愛いよ!」
「………」
「あら、分かりやすく照れちゃってるね。ゲリィノートもちゃんとした男の子だもんねー。イヴァンリッピとは真反対の」
「動物扱いするな。八咫烏は八咫烏だ。ちゃんと種族としての名前がある。そんな醜い動物みたいに扱うな」
「ゲッ、醜い…だなんて……アタシも人間なんですけど…」
「いや、ヘリオローザ。あなたは人間じゃないでしょ?“細菌ウイルス”でしょう?」
「それやめてよーそう言うの」
「どうだ?八咫烏が“人間扱い”されるのが嫌な気持ち、分かってくれたか?」
「お、ゲリィノート、あんた上手いね。いいように話持っていくねー!」
「そりゃあもう、あなたが宿主だからだよ。ヘリオローザには感謝しているからな」
「えー、なになになにィ?告白でもしてくれるのぉー?アタシに?」
「告白って…はぁ…ヘリオローザ………」
ゲリィノートはヘリオローザの頭上に浮遊中。ヘリオローザとの会話が続くにつれて、その距離感は徐々に近くなっていき、ゲリィノートは地面スレスレまでその身を下降させた。
「八咫烏がどれだけあなたに救われた事か」
「もお、やめてよー。なんなのそれ…ちょと照れる…」
ラージウェル。息を引き取る直前の女がいる中で、ニュートリノ・ヤタガラス『ゲリィノート』は思いの丈をぶつけた。
「……ん?」
ヘリオローザは腹部から異変を感じた。
「ヘリオローザ……!」
「イヴァンリッピ…大丈夫?休んでたら?まだ全然時間経ってないよ?」
「そうだぞー?泣き虫はさっさと、おネンネしとけー」
「八咫烏がヘリオローザに告白みたいな事するなら、嫘姐だって黙ってないんだから!」
「『だって黙って』ってなんだよ。言語能力がすこぶる落ちたなぁ?」
「ゲリィノート!だぁめ。ね?」
「……う、、、うん……」
「アタシのウプサラソルシエールなの、あなた達は。互いに思う事はある。良い所も、悪い所も…両者、近い存在なんだからそれは日々増えていくよね。……打ち明けていこう。言葉にしよう。そうすれば、自然と会話する時間が増えて、良い所しか見つけられなくなるから!」
「ンな上手いこといくか?」
「八咫烏がそれ言う?」
「大丈夫。上手くいく。言葉って凄いんだよ?あなた達が思ってる以上に、絶大な力を持ってるんだから」
「言葉にー?ただただ情報を相手に伝達するだけの機能だと思ってたけど…」
「嫘姐には喋る相手がいねぇんだから、伝達もクソもねぇだろ」
「ゲリィノート、それは、あんたも同じでしょ?」
「ぐぬ、、、、、、」
「言葉で伝えるの。相手の目を見てね。キチンと。それをお互いが続けて“いれば”、今みたいな恥ずかしさは無くなるから。いい?続けていれば…の話だからね」
ゲリィノートとイヴァンリッピが、宿主であるヘリオローザの意見を聞き入れる。ヘリオローザに従順な2体のウプサラソルシエール。それぞれが異なったタイミングで頷き、『分かった』の意思表示が取れた。
◈
イヴァンリッピがヘリオローザから再出現したことによって、ラージウェルに掛けられていた瘴気濃霧などの状態付与効果が再び発動する。だがこれを確認したヘリオローザは、イヴァンリッピに向けて、スキル停止要請。イヴァンリッピは当該行動を中止。ラージウェルに“自由”が戻って来た。かといって、現在のラージウェルに何が出来るのか…と聞かれたら、何も出来ない状態だ。
ヘリオローザの天根集合知がラージウェルの身体を圧縮。胴体は粉砕骨折を起こし、ラージウェルには激痛が走っている。イヴァンリッピが発動させていた全てのスキルが解かれた事によって、ラージウェルは自由を取り戻したが、その代償はあまりにも大きいものだったのだ。
「イヴァンリッピ……」
「こんな事で死ぬとは思わなかったよ…」
「あーあ、アタシ、コイツに恨み買っちゃってたらしいんだよね」
「フラウドレスか」
「そうゲリィノート。フラウドレスが白装束軍団の一人殺したじゃん。そいつと知り合いだったんだって」
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「そう、カーライル。『狂撃』を司るものだった」
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不穏な空気を悟ったウプサラソルシエール2体は、すぐさま攻撃態勢へと移行。それだけでは無く、イヴァンリッピはヘリオローザにバリアを張り、奇襲攻撃に備えた。
ヘリオローザ、ゲリィノート、イヴァンリッピ。それぞれは多方面を警戒。一切の発言を許さない。全ての“音”を耳に入れたいからだ。この時ばかりは、他の音…“声”は雑音として捉えられる。声が聞こえた時に、警戒対象が蠢く音を発出するかもしれない。そのために聴覚を研ぎ澄ます必要性がある。ヘリオローザ達の行動を予測しているかのように、警戒対象からは次なる動きが無い。先程流れた声。あれは脳内に直接的に入れられた音。つまり強制的なものであり、表面的に聞こえていない声だ。この声が他の人間に聞こえているものなのかは判らない。分断エリアに更なる分断を施されてしまったからだ。
イヴァンリッピが上空を見上げる。その瞬間、そこに滞空していたのがバレたかのように、イヴァンリッピを襲う“何か”が現れた。ポリゴン状の遺伝子螺旋。全長24mは確認出来るポリゴン状遺伝子螺旋が突然、上空に出現。ヘリオローザはゲリィノートとイヴァンリッピに攻撃指示を出す。ヘリオローザは特に攻撃指示を一切口にはせず、アイコンタクトのみで全てを伝えた。
『イヴァンリッピは、目標のポリゴン状外皮の融解』
『ゲリィノートは、空間抹殺。最悪の場合、ここを失ってもいい。とにかくぶち込んで。アタシは走って逃げるから』
イヴァンリッピの状態異常付与で、目標の生体組織を犯し、そこを一気に超極攻撃で破滅させる。空間抹殺はかなりリスクのある攻撃手段だ。切り札を戦闘開始序盤から使うようなもの。そんなキテレツな指示でもウプサラソルシエール2体は、何の躊躇いもせず聞き入れ行動に移す。早速イヴァンリッピは目標のポリゴン状外皮に向けて、融解シグナルを発信。だが、事が簡単にこちらのターンになる…という訳ではなかった。
◈
イヴァンリッピがスキルを出そうとした刹那、目標が行動を開始。
蛇のような太長に伸びた身体をグネグネゆらし、発信シグナルを回避したのだ。ヘリオローザは驚く。その驚愕には単数の内訳によって生まれたリアクションでは無い。
先ず、この発信シグナルは可視化されていない。通常だと相手からの特定は不可能。にも関わらず、目標は発信シグナルが見えているかのように回避行動を続けていく。それは完全に、発信シグナルの信号ルートを分かり切ってもいた。イヴァンリッピが繰り出す発信シグナルのルートを絶妙に回避していく謎のポリゴン状遺伝子螺旋。
分断エリアの天蓋部分は壁同様のウプサラが使用された障壁が形成されている。当該分断エリアの何者かがヘリオローザに対して攻撃を仕掛けてきた…と思う事も出来るが、ヘリオローザ自身、分断エリア以外の人間が起こした行動のように思えて来た。と言うよりも、そう思えてならなかった。それは単純な考えに行き着く答えだ。
ポリゴン状遺伝子螺旋動きを精査すれば、だいたいの事は理解出来る。普通では無い。イヴァンリッピが繰り出しているスキルを容易に回避。そこから何をする訳でも無く、ただただこれを繰り返しているだけの時間…。今までとは種類の違う生命の匂いを感じてならない。さらには天蓋に突如として現れた…と言う所も非常にポイントのうちに入っている。
天蓋部分をすり抜けた…。そんな事が出来るのは、当該分断エリアには居ない。と、なれば……可能性として考えられるのは、教皇ソディウス・ド・ゴメインド。そして、司教座都市スカナヴィアのゾディアック…。
教皇はあの時…異端審問執行官と剣戟軍を連れて行って以降、こちら側に姿を現していない。それに気づいていないだけかもしれないが…。対するゾディアック、と呼ばれている連中は、このラージウェルを始め、多くの使者をこちらに送り込んで来た。試しているのか、単純に抹殺命令が下っているのか…、今尚その真理は明らかになっていない。
……ウプサラソルシエールは永久稼動機関。基本的にアタシが絶命しない限り、行動を継続する。イヴァンリッピからの行動停止発信シグナルを回避する現状に嫌気が差してきたヘリオローザは、ゲリィノートに向けて直接攻撃を打診。『待ってた』と言わんばかりにゲリィノートは戦闘行動を開始し、ポリゴン状遺伝子螺旋に怪光線を放つ。これはヘリオローザの天根集合知“波動量子怪光線”の含有エネルギーをウプサラソルシエールに直結させたもの。イヴァンリッピも使用可能ではあるのだが、ニュートリノ・ヤタガラス、ニュートリノ・レイソ、お互いの特色を活かス為、ヘリオローザはゲリィノートへ指示を出した。
ゲリィノートは、原世界生物で言うと“イッカク”に酷似した姿を成している。イッカクの頭部に生えている1本の大きい角。ゲリィノートにもオリジナル以上の巨大角がウプサラによって生成されており、その1本角から怪光線は発射された。と、同時にゲリィノートの口腔内からも同様の波動量子怪光線が発射。角からの怪光線と口からの怪光線。2つの怪光線が同時に発射された事によって、2つの量子が絡み合い強力な攻撃へ二次展開。それだけでは終わらず、怪光線は今までポリゴン状遺伝子螺旋が逃げていた軌道全てに向けて怪光線を分岐。2つの怪光線が絡み合い、それが溶け合い、拡散波動として周囲に展開されていく。これまでにポリゴン状遺伝子螺旋が行動していた経路には、パターンがあった。ここに行くと次はここ…。ここに行く前はこことここのルート…。このルートに行く時が多くなった時に行かないルートが完結する。その事象が回避ルートの予想図を構築出来るようになっていった。ヘリオローザは当該目標の全ての行動をインプット。目標が何の目標でこちら側にやって来たのか…。だいたいは予想が着くことではあるのだが、間違いなくヘリオローザに狙いを定めてい事は間違いない。狙いを定め、殺しのタイミングを窺っているのだろう。上空からヘリオローザを抹殺出来る方法。そう思ってしまえば、奴をこの分断エリアに長居させる訳にはいかない。
全ての回避行動をインプットしたヘリオローザは、自身の脳内で描いている回避行動予想図をウプサラソルシエール2体にモニター化。ゲリィノートの視点映像には現実とヘリオローザの思考ルーチンが“モニター”となって表示された。
ゲリィノートの攻撃は最早、完璧なもの。これを回避するのは中々に至難の業だ。
しかし、“至難の業”が光った。
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ポリゴン状遺伝子螺旋は、これまで描くことの無かった新しい軌道を形成。その軌道は回避ルートの新ルートを模索していた。波動量子怪光線が放たれ、命中しかけた瞬間にそれは訪れた。ヘリオローザはそれを目撃する事が出来た。何故なのか、全く判らない。その異様さは今までに経験したこともないものだった。
ヘリオローザとポリゴン状遺伝子螺旋が動く世界。
この2つの個体生命が“動けていい”世界。ゲリィノート、イヴァンリッピは停止。分断エリアの色味もモノクロームのような色彩表現が激減した世界。突如、戮世界が白黒の世界に成り果てたのだ。
ヘリオローザは自分の置かれた現実を冷静に分析する。こんなことであーだこーだ怯えるような存在では無い。波動量子怪光線はポリゴン状遺伝子螺旋の直前で停止。その攻撃を目標は、一気に“無きもの”にしていった。回避行動の際に使用されていた加速エネルギーでは無い、新たな因子エネルギーを使って。
遅い。非常に遅い。とてつもなく遅い。まるでヘリオローザからの攻撃を待っているかのようだった。動きが遅いとこうも、不気味に映るんだな…とヘリオローザは思う。目標は、ゲリィノートから繰り出された怪光線をひとつひとつ処理していく。怪光線は目標の逃げ場を失わせ、フィールドを圧迫していく。それがやがて、フィールドを縮小していき目標に全ての怪光線を命中させる…というものだった。当該怪光線が全弾停止中なのだから…という理由でのこのスローペースな処理行動なのだろうが…ヘリオローザには意識が芽生えている状態。ヘリオローザがこの光景を見れば、確実に狙われる事は目に見えているはず…。
それなのにも関わらず、目標の行動速度は一定を保つ。とにかく遅い。
一つの怪光線が処理された。ヘリオローザは見ているだけだ。目標がこちらに気づいていないだけなのか…?そんな馬鹿な事があるのか?間違いなくこの“チェンジ・ザ・ワールド”的な現象を引き起こしたのはアイツだ。あの遺伝子螺旋。生物DNA配列を想起させるあの螺旋。ひとつひとつ…丁寧に怪光線の命中を削ぎ落としていく。怪光線は物質を収束させスペクトル個体を構成。それが大質量エネルギーへと変化、変化の際にウプサラが包装紙のように包み込む。ウプサラソルシエールからの攻撃なので、これは通さなければならない義務的なものだ。目標はウプサラに溶け込み、その“包装紙”を剥ぎ取っていった。どういう訳か、一気に処理していくのでは無く、段階を踏んでの対応。ステージアップしていく事に、怪光線からは“攻撃”を構成する害悪メリットがゼロへ。それが最終ステージ。最後はただの軌道線と成り経た怪光線を喰らった。遺伝子螺旋が停止により滞空中となった怪光線に近づき、融合を成し遂げる。だったら最初からそのステージ遂行すればいいのに…と思ったが、あの“喰らう最終ステージ”をヘリオローザが見た瞬間、ビビっと何かを思い出したかのように奴への警戒が“警報”へと進化。簡潔に動きで表すと、警戒は観察…で、警報は攻撃…だ。
101。なんか⋯クルエラを思い出す数字ですね。大好きですよ。2021年⋯だったかな。ディズニープラスで見たのを覚えてる。ディズニー版ジョーカーって言われてましたね。
ゲリィノートとイヴァンリッピ。皆さんにはどう映ってるんですかね。




