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“俗世”ד異世界”双界シェアワールド往還血涙物語『リルイン・オブ・レゾンデートル』  作者: 虧沙吏歓楼
第拾壱章 エリュテイア・ゲートウェイ/Chapter.11“AnotherDimension”
105/150

[Chapter.10:introduction“MilkyHoney”]

第拾壱章 開始

[Chapter.10:introduction“MilkyHoney”]


⋯と、言っているけど、今回も一人喋りに走ってしまう気がする。いや、多分なんだけどそれに近しいものになると思ってる。なのでここからのお話っていうのは基本的に他言無用でお願いしたい。

とは言ってもさぁ、結局のところ僕以外の人間もこのパートのシナリオ創作には関わっている訳であって⋯僕が僕の権限だけでベラベラと喋っていい訳が無いんだよね。だから、なるべくは言葉をしっかりと見極めて、自分の書いた部分のみをお話する事にしようと思っている。


ええっとね⋯ちょっと待ってね、、、ぇぇぇぇぇぇっと⋯まぁじゃあここからーかな!


『Part of Froudless』──────────────◈


たくさんの出来事が起きた⋯っていうのはめちゃくちゃな嘘になってしまうね。けどかなり濃密な人間ドラマが描写されたパートになって行ったよね。これを他のシナリオチームが他パートをどうやって創作していっているのか⋯凄く気になるところだけど⋯僕が他のシナリオ創作に携われるのは当該パートが終局の直前に行った時まで。

もっと正確に言うと⋯“終局の直前”だね。

そこまで行けば他パートの出来上がり&途中経過を見る事が出来るだろう。さっさと済ませたいな。


話、よっこいしょっと。戻しましょうね。

結局のところ、今回もこのように引き伸ばしみたいな描写になってしまったのは他でも無いんだけど⋯要は、自分達だってシナリオ創作を図る時のことを考えてほしいって事なんだよ。だって、こちとらは頭ん中で創作しているんだよ?頭ん中で構成されたものを言語化するっていうのが、どんだけに難解なことだか分かってんの!?僕だってね、こんな仕事やりたくてやってる訳じゃあ無いんだ!

幻夢郷に生まれた身としてはこの仕事につかなきゃいけないんだ。僕は嫌々こんな職業についてるだけ。与えられた設定と舞台装置を駆使して何とかギリギリの納期を守っている。まぁ多少なりとも自分が書いたものが他人に読まれてビュー数を見ると日に日に増していってるから⋯そういった面でやり甲斐を感じて来てはいた。

なんだけどね⋯この感情がずーーーーっと続いていくとは思えない。


だって、、、、ほら!こうして本来は『フラウドレス篇』のあらすじ⋯梗概をザァラァーっとお届けするハズなのに、こうしてさ?“こっち側”の事情をメインに話しちゃってるんだもん。自分達だって分かってるんだって。これがどんだけ無価値な行為である事が。だけど盈虚ユメクイ様が言ってるからしょうがないんだもん⋯。あの方には逆らえない⋯ドリームウォーカーごときが何を言っても聞き入れてくれるわけが無いんだ。



セラヌーン姉妹×サンファイア×アスタリス


この4人の激突は待ち遠しにしていた者も少なからずいる⋯と思われる。そうセカンドステージチルドレンの末裔である分岐進化同士が遂に相見えたのである。

いつかは訪れるであろうと思われていた、分岐進化の対面がこのタイミングでやってくる⋯。これは必然的な出来事だと思われた。

アスタリスの蛮行によってセラヌーン姉妹の仲間、トシレイドとアッパーディスが死亡。これによってセラヌーン姉妹が大激怒。アスタリスとは一触即発。サンファイアがその対立構造を止めようとするのだがその停止の仕方は異常であった。

自らの左手を切断したのだ。

これはアスタリスの贖罪としての行為だった。アスタリスはセラヌーン姉妹の仲間の2人を殺してしまった。アスタリス側には何のマイナス要素が無い。釣り合うとしたら、やはりセラヌーン姉妹がアスタリスに裁きを下す。

だがそんなものをサンファイアは見たくなかった。だからサンファイアは自身の部位に傷をつけた。傷をつけよう⋯最初はただその気でいた。なのに、次第にサンファイアの心には『こんなものでいいのか⋯?』という味も分からない汚染的感情で満ち満ちる。

確かに⋯とサンファイアは思った。セラヌーン姉妹側は2人も死んでるんだ。普通だったらアスタリスが死ぬのは当然の裁定。当たり前のことだ。

しかし先述したようにアスタリスを失うことは許せない。フラウドレスがいない⋯中でせっかく再会出来たアスタリスを簡単に手放せるはずが無かった。

原世界にいた時、2人は何度も衝突し合った。その度にフラウドレスが仲介人として機能、毎回彼女に助けてもらっていた。

2人はお互いに本音を明かさないだけで、絆の厚みは計り知れない。何度も衝突したからこそ、相互理解は強い。


だから、殺させない。死なせない。

自分もまだ死にたくない。その想いがひしめき合い結果的には激しい自傷行為へ走っていた。

これが一番の最善の策だと思ったから。だがその想いとは裏腹にセラヌーン姉妹の2人が本気でサンファイアの行動を止めに来た。もう既に左手は切断されていた⋯というのに。

ここでサンファイアは2人の想いを受け取る。ミュラエからの好意はサンファイアの心に特別な意味合いを齎す。姉さんにすら抱いたことも無い、大きく揺れ動く心。鳴動⋯とさえ表現出来るかもしれない。

アスタリスとも“表面的には”和解した。ウェルニは未だに引きずっている。今でもアスタリスを殺す準備が着々と⋯。しかしその感情がサンファイアの強い願いによって留まらせている。

サンファイアが命を削ってまで起こした行動は決して無駄なものでは無い。セラヌーン姉妹、アスタリスはサンファイアへの対応を改める重要な場面となった。


セブンスとアトリビュート。

2つのセカンドステージチルドレンの末裔が交錯。



私。そう、私。一人でいる。

いや、アタシもいるわ!

あんたの事は考えたくないの。

どうしてさー。アタシはフラウドレスのためにいつもいつも頑張ってるの!

あんたの助力なんて必要無い!⋯と言ったら嘘になるかもしれないわね。

そのさ『しれないわね』みたいなドラマチックなセリフを使わないでよ。もっと正直になったらどう?

⋯いやだ。

なんでよ。

嫌だから嫌なの!

そんなの理由になってないじゃん!何よ、細菌レベルの生命体に脅されるのを認めたくないの??

脅し?これが?脅しなの??ははぁーん、ヘリオローザってばこんなの脅しとか⋯笑わせるわ!

はぁー??言ってくれるじゃなーい!じゃあいいわよ。もっとフラウドレスのことを“脅し”てあげるわ。

いいよん。どーんとこい!どーんと!


じゃあ、いくよ?

んん。⋯⋯フラウドレスのことをな?今からぐっちゃんグッチャンにしてやるよ!そんでなぁ、コーンなことをしてぇ、こんなんなっちゃって⋯んでぇ、こっちにある腕はアッチに曲げて、ここにある内臓は下半身に移動させてぇ、意識がぶっ飛ぶぐらいのおっソロしい攻撃を仕掛けてやるんだからなぁ!!

⋯⋯⋯⋯⋯⋯そんなん?

え、、、ぜんぜん⋯怖ない?

うん、怖ない。

嘘、、、、

マジ。

マジで⋯?

マジ。

はぁ⋯やっぱり⋯アタシはこういうの向いてないんだぁーね⋯⋯⋯。

それに、私だから⋯でしょ?

ハン!そんな事ァ関係ねぇぜー??笑わせる!!あっはハッハッハはHAHAHA!!

じゃあ、私の事罵倒してみて?

ば、ばと、ばとー?

そ、罵倒。


お、おん⋯⋯やてみる⋯⋯。ふぅー⋯ンはァっ!

ちょーとまち!もーいい。

え、アタシ今からやるつもりだったんだけど!勝手に止めないでくれるー?!

息吸った段階でもうダメ。絶対にこっからはヘリオローザがぶっ壊れるって分かったから止めてあげたの。

なんそれ。変な誤解しないで!



或る日。因果地平の彼方にて。


「フラウドレス!」

「どうしたの?ヘリオローザ」

「今度こそ!アタシがお前をボコボコにしてやる!」

「えーまた?またそれに付き合わされんの!?」

「またぁ?って、、、アレからもう何年経ってると思ってんのかなぁ?」

「ええっとぉー何年だっけ?もうあんま覚えてないや」

「はぁ⋯これだから人間っていうのは⋯このままだとあんたもいつものラキュエイヌと同じ末路を歩むことになるよ?」

「それが人間だからいいの。私もいつかは死ぬ。死から逃げる事は出来ない」

「そんな事言わないでよーー!!」

「もう⋯ほんと可愛いなぁヘリオローザは。よしよし」

「ぐすん⋯フラウドレスが一番よかったぁ!!一番良かったぁ!!」

「泣かないでよ⋯一番?私が?ラキュエイヌの中で?それはまぁ⋯嬉しいけどさ⋯過去のみんなだって良い人ばっかりだったでしょ?その人たちに失礼じゃない?」

「失礼なもんか!!酷いやつだって沢山いたんだからね!めっちゃくちゃ不倫するやつとかもいたし、全然可愛くない女もいたし、ナルシシズム搭載の男もいたし⋯そんでもって馬鹿過ぎて変な男、女と一緒にいるやつもいたし⋯⋯⋯もうね、、とにかくヒッデェ奴バッカだよ!!」

「その話も何回も聞いたよ⋯⋯」

「それで分かったでしょ?何回もするぐらい私はムカついてんの!⋯だからフラウドレスはとってもいいやつ!」

「かっこいい?」

「カッコイイ!」

「可愛い?」

「カワイイ!」

「大好き?」

「だーーー!いすき!」

「ありがと。私もヘリオローザのこと大好きだよ!」

「えへへ⋯なんか⋯照れちゃうなぁ⋯自分が好きな人から⋯そう言われると⋯やばいわ⋯濡れちゃう⋯」

「お前は変態か!!」

「だってー⋯フラウドレス、なかなかそういうの言ってくれないじゃん?」

「今日は⋯気分がいいの」

「きぶん?」

「そう、気分が⋯いいの」

「なんで⋯⋯⋯⋯??」

「うーん⋯昔のことを思い出したから」

「あ、それごめん⋯⋯」

「ヘリオローザのせいでしょ?」

「うん⋯ごめんね」

「謝らなくていいよ」

「でもさ⋯⋯そのせいで色々と⋯思い出しゃったでしょ?」

「うん、、、、まぁね。思い出したくないことも⋯色々と思い出したかな⋯⋯あ⋯」

「ごめん!ごめん!ごめん!ごめんなさい!」

「ヘリオローザ⋯⋯何もそんな⋯抱き着かなくても⋯」

「ごめん!!アタシのせいで⋯⋯あんな事を⋯⋯もっと踏みとどまれば⋯アタシがもっと強ければ⋯もっとアタシが、、早くから動いてれば⋯」

「⋯⋯⋯ヘリオローザ。こっち向いて⋯下を見ないで⋯こっちを見て。目も。あなたの目がみたいから」

「⋯⋯うん⋯⋯⋯⋯⋯」

「とっっくに、ヘリオローザのことは許してる。それに⋯私も悪かった」

「悪くない⋯フラウドレスは⋯悪くない」

「ううん⋯あなたは、私。私は、あなた。ヘリオローザ無しじゃ、私はただの黒薔薇の女よ。ヘリオローザの力があるから、特別視されているの」

「うん⋯⋯まぁ?アタシの力があっての?フラウ⋯ドレス⋯だし⋯⋯アタシの⋯、、、ちからなしで、、、何も⋯」

「そんな、心にも思ってない事を言わないの」

「もお!よしよしやめて!アタシそんなに子供じゃない!1000年以上生きてんだからね!」

「じゃあ⋯おばさん?」

「おば!?⋯⋯フラウドレス!年寄り扱いしないで!」

「アッハハハハハ!してないしてない!こんなパワフルなおばあちゃんいたらびっくりしちゃうよ」

「ほんんんと、フラウドレスは意地悪なんだから⋯」

「じゃあ⋯今日も始めよっか」

「うん、そうだね。先ずはご祈祷しよ」

「2人、今日も眠ってるかな」

「うん、、そのはずだよ」

中々にスケールの大きい戦いが始まります。

あーあ、どうしよう、、

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